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はっきんぐパパ、絵本を作る②

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
はっきんぐパパです。
今回は、2020年末に公開した絵本開発記録の第2回です
(第1回はこちら
前回は動作検証を行う簡単なプロトタイプを作りました。その続きになります。

レンズのデザインと名称を決める。

想定した機構で動くことを確認できたので、2号機を作ります。

この絵本では
動物たちの胸のあたりに心拍が見える特別なレンズを当てて、
動物たちの心臓の動きを見ることができる

というのがギミックのポイントです。

そして、このギミックは
絵本の導電部分とレンズの導電部分を合わせること
で動作します。

はっきんぐパパメンバーの子どもたちの年齢は1~6歳ですが、
今回は絵本の内容的にも、3歳くらいから6歳までのメンバーの子どもたち想定しました。なので、3歳くらいの子もしっかりレンズを当てて、決まった位置を導電させることができる必要があります。

前回の動作検証の際には虫眼鏡型を想定していましたが、絵本側の目印を虫眼鏡の形に合わせて丸くしてしまうと、どの位置から触ってもいいように見えてしまうため、レンズを置く位置を目印で指定してあげないと、決まった位置で導電できない可能性があります。
前回のnoteで載せた動作検証の円形レンズ↓

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そこで、レンズの置く位置を固定するため、
次のスケッチのようにハート型のレンズにすることにしました。
(ここでレンズの呼び方は「どっくんめがね」になりました)

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レンズ改め、どっくんめがねをハート型にすることで、絵本側のハートのマークに合わせるという視覚的にも分かりやすく向きが固定され、ギミックを間違いなく動作させることを可能にします

また、ハート型であれば、持ち手をつけない形の「心臓を見つけるハート型のルーペ」という設定にし、直接、動物にハート型のどっくんめがねを置いたときに中身が光るようにした方が、「心臓を見つけた!」という演出できるのではという議論をしました。
この議論を経て最終的に、デザインをハート型のルーペに決定。

ハートのサイズを絵本に合わせ決定。下記のようなパターンでどっくんめがねの開発に移ります

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どっくんめがねの開発

今回、子供が何故光るのかまで興味を持って欲しかったので、できる限りヒカルカミという有機EL照明の薄さを活かしたどっくんめがねにします。

筐体は3Dプリンタでデザインに合わせて作成し、印刷。

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真っ平らにもできたのですが、薄くしてしまうと子どもがどっくんめがねを持つことができなかったので、5mmほど持ち手となるような縁を作り、光る部分に穴を開けその下にヒカルカミを設置をすることにしました。
これで光る部分は薄くなっていて、なんでコレで光るの?という不思議に思ってもらえるようにしてみました。

実際にこのどっくんめがねに機構を実装していきます。
今回は、このどっくんめがねは下記の部品で作りました。

・arduino pro mini 互換機(AE-ATMEGA-328 MINI)
・ヒカルカミ(有機EL照明)
https://www.konicaminolta.jp/oled/
※第一回で少し触れた有機EL照明。薄くてきれいに光り、普通にLEDのように使えました。
・導電テープ(アルミ性・銅箔)

機構自体は導電させるだけですので、大して難しいことはしていません。
どっくんめがね側の隙間に、絵本側の導電テープが重なった時、通電し、
通電した位置に応じて、AE-ATMEGA-328 MINIで点滅スピードを変えているだけです。
※スイッチ押したら光る。と同じ原理。

結果、こうなりました。

iOS の画像 (1)

これを絵本に当てると、光ります。
裏側は導電テープでパターンを作っています。

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また、ケースは電池とAE-ATMEGA-328 MINIが入っています。
AE-ATMEGA-328 MINIではパターンの認識をします。
パターンは3箇所の導線の組み合わせで設計しました。そのため7パターンを用意しました。
下記のイメージです。
※どんな動物が出てくるか次回記事のネタバレになってしまうので、一部公開します。

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そして光ると、このような感じです。
※実際に絵本のラフスケッチに合わせて光らせた様子。

スクリーンショット 2021-01-06 14.24.38

どっくんメガネの真ん中のヒカルカミがいい感じに光ります。
これでデバイスは完成です。
最後は絵本と合体させ、「どっくんどっくん」全体の仕上げに入ります!

第二回はここまで。
次回、絵本作りの話と、どっくんめがねと合わせて絵本が完成するところ、そしてどっくんどっくんの体験の様子をご紹介できればと思っています!

お楽しみに!


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