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【フォト便り2】ヒトもウリも大差ない、ということらしい

 暦ではすでに秋.残暑お見舞い申し上げます.
今日は八月十七日、七十二候では「蒙霧升降(フカキ キリ マイ オリル)」.それにしても暑いですな.

 写真は、庭の糸瓜(ヘチマ)と南瓜(カボチャ).この暑さのおかげで大豊作.糸瓜の方は、さっそく家人から「化粧水」だの「たわし」だの作れと云われる.さてさて.....

 ガキの頃からこの季節よく食べたのが、直径10センチ、長さ20センチくらいの寸胴の黄色い瓜.「しっかり食べんさい」とよく祖母にいわれたものだ.長い間「マッカウリ」と自己流に憶えていたのだが、正しくはマクワウリ、漢字で書くと「真桑瓜」「甜瓜」、舌に甘く、とはうまい漢字をあてたもんですな.いまどきにいえば、和風メロンだ.

 ちなみに瓜の仲間は、西瓜(スイカ)、胡瓜(キュウリ)、南瓜(カボチャ)、糸瓜(ヘチマ)、越瓜(シロウリ).......  いまのトルコやイランあたりの西域から遠路はるばる伝わってきたらしい.むかし、むかし、アフリカを出立した7人のイブのひとりの子子孫孫が、数万年の歳月をかけ極東の島に定着した.その末裔がわれわれ日本人、これはいまの遺伝人類学が到達した有力な説である.ウリの来歴とよく似ていますな.どちらも、親から子へと遺伝子をれんめんと受け継ぎながら移動を繰り返し、あたらしい環境に適応しつつ少しずつ変異・進化していったのだろう.生命の変遷という点では、ヒトもウリも大差ないということのようだ.

 さてさて、前回のフォト便り1で紹介した、ウリと縁の深いノボさんこと正岡子規.彼は明治26年の夏、東北への行脚(「はて知らずの記」)を果す.

 真桑瓜 見かけてやすむ 床几(しょうぎ)哉  
 我はまた 山を出羽(いでは)の 初真桑  

との句を残しているが、前詞に「関山の茶屋に休んで」とある.仙台にやく1週間くらい滞在したあと、作並温泉で一泊.関山の隧道をぬけて出羽の国に入り、東根から 村山、 大石田へ.この年も東北は暑い夏だったようだ.

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