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【化粧品会社研究員が解説】エタノールフリーの育毛剤・発毛剤

アルコールにアレルギーがあって、育毛剤や発毛剤が使えないっていう人いませんか?

ほとんどの育毛剤や発毛剤には、アルコール(エタノール)が使用されています。

エタノールは育毛剤や発毛剤として機能するために必要だからなんです。

それでは、育毛剤や発毛剤にエタノールがんぜ必要なのか、そしてエタノールフリーの育毛剤と発毛剤をその機能も含めて紹介していきます。


育毛剤・発毛剤に使われるエタノールの役目

育毛剤や発毛剤にエタノールが使われているのは、経皮吸収を促進するためなんです。

私たちの肌の表面には、角層と言われるレンガ状のブロック構造が存在しています。

この角層バリアと言われる構造があるため、細菌やウィルスが肌に付着したくらいでは感染することはありません。

肌の角層バリアは私たちの体を外敵から守ってくれる働きをしてくれる頼りになる防護壁となってくれています。


でも、医薬品などの有効成分を届けるためには、この角層バリアを通過させなければなりません。

そのために必要な成分がエタノールやl-メントールになるので、こういった成分を配合することで、角層バリアを通過させ有効成分を届ける工夫をしています。


この記事を書いたときは、エタノールフリーの育毛剤はないと思っていましたが、よく調べるとエタノールフリー処方の育毛剤と発毛剤があったので、ここでなぜ、エタノールフリーでも角層バリアを通過させることができるのかというその仕組みについて解説していきます。


エタノールフリーの育毛剤「THE SCALP 5.0C」

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育毛剤に配合されている成長因子(正確には成長因子の様な働きをするペプチドという成分)は、分子量が大きいため角層バリアを通過できないよ、という話をしてきました。

育毛剤や化粧品に配合されている成長因子と呼ばれているものに効果はありません。

育毛剤の有効成分も、ただそのまま配合しただけでは角層バリアを通過することができず、育毛作用を発揮することができないので、エタノールを配合しているのです。

「THE SCALP 5.0C」の有効成分

・キャピシキル
・リデンシル
・ピディオキシジル

キャピキシル×リデンシルは機能の点から、相性の良い成分です。

化粧品会社で働く研究員として、育毛剤の成分として最もすすめられるのはキャピキシルとリデンシルを組み合わせです。

「THE SCALP 5.0C」も有効成分としてキャピキシルとリデンシルを配合しているので、育毛剤としての機能も充分備わっています。


エタノールフリー処方にできるその理由

「THE SCALP 5.0C」に使われてる経皮吸収技術は、金と銀のナノマテリアルと言われるものです。

この金と銀のナノマテリアルは熱によって経皮吸収されることがわかっています。

この技術を使って、エタノールを使用せずに有効成分を経皮吸収させているのです。

医薬品や化粧品でもこのナノ粒子の経皮吸収は注目されていている技術となっています。

参考資料:日刊薬業

新しい技術を使った、新しい育毛剤の形ということですね。


エタノールフリーの発毛剤「フォリックスFR16」

海外製品の発毛剤として人気のあるフォリックス。

ミノキシジルが高濃度で配合されているので、効果があると言われていますが「フォリックス」の効果はミノキシジルの濃度にあるわけではありません。


ミノキシジルは濃度が高い程効果があると思われがちですが、ミノキシジルの細胞への取り込み量には限界があります。

ミノキシジル1%と5%濃度の発毛剤を使用した人の、発毛率の違いがわかるデータの報告があります。

ミノキシジル濃度は5倍なのに、発毛率は約1.4倍。

ミノキシジルの濃度の違いは、この程度の差だと考えてもらえれば・・・。


「フォリックスFR16」に効果があると言われるその理由

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・フィナステリド配合
・化粧品の育毛成分をミノキシジルと同時配合
・経皮吸収を促進するリポスフィアテクノロジー
・プロピレングリコール(PG)を未配合
・エタノールフリー

✅ フィナステリド配合

発毛剤に抗男性ホルモン抑制薬のフィナステリドを配合しています。

ミノキシジルにも5α-リダクターゼ阻害作用があることがわかっているので、これはDHT(ジヒドロテストステロン)の攻撃から毛包を守るのに鉄壁の防御策と言えます。

もう内服薬は必要ないかもしれませんね。


✅ 化粧品の育毛成分をミノキシジルと同時配合

・アデノシン
・プロキャピル

日本では医薬品の成分と化粧品の成分を法的に同時配合することはできません。

いや、アメリカは効果追求型でいいなと思いました。


✅ 経皮吸収を促進するリポスフィアテクノロジー

リポスフィアテクノロジーって何?と思ったのですが、これは日本の化粧品の技術にも使われているリポソーム化です。

主に美白剤なんかに使用されていますが、角層を通りやすい形に原料を加工してしまう技術になります。

医薬品でこの技術を使っている育毛剤・発毛剤はないのです。

いいな、アメリカって。


✅ プロピレングリコール(PG)を未配合

ミノキシジル製剤のデメリットとして使用感が悪いという点があります。

頭皮に赤みが出たり、かゆみが出る人もいるようです。

この原因は、プロピレングリコールだと言われています。

この問題を解決するために「フォリックス」には、1,3-プロパンジオールが使用されています。


✅ エタノールフリー

これは「フォリックスFR16」の特徴なんですが、エタノールフリー処方になっています。

それは、「フォリックスFR16」だけクリーム剤だから実現できたのだと思います。

配合成分にフェノキシエタノールが使用されていますが、酩酊成分であるエタノールは性質が違うので、アルコールアレルギーの方でも使用できます。

参考資料:化粧品成分オンライン


まとめ

薄毛は世界共通の悩みであり、世界中で研究されています。

私がいちおしのキャピキシルやリデンシルは海外で開発された育毛成分です。

フォリックスに配合されているプロキャピルも海外で開発されています。

フォリックスFR16はミノキシジル16%配合なので、副作用が気になるところです。

エタノールフリーにこだわる必要のない人は、ミノキシジル濃度5~7%でも充分な効果が得られるはずですよ。







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