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「デザインは、誰かの役に立つための手段」#5 marutt株式会社 西山 里佳さん |haccobaをつくる人びと

こんにちは。2021年に福島で立ち上がったあたらしい酒蔵 haccoba(ハッコウバ)です。
現在、私たちは3人のチームで活動をしていますが、実はたくさんの「つくり手」たちが関わってくれています。

私たちのコンセプトでもある「みんなで育てる酒蔵」を、まさに一緒に育ててくれているクリエイターの方々を、ここではご紹介したいと思います。

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”酒づくりをもっと自由に・さまざまな垣根を超えた自由研究”
というコンセプトで色々な実験をしているhaccoba LAB_
そのLABシリーズのお酒「おこめのスタウト」のラベルデザインを手がけていただいたのは、同じ南相馬市小高区に移住しデザイン事務所を構える、西山里佳さん。 デザインだけでなく、人びとが自由に表現をする場、"表現からつながる家" 『粒粒(つぶつぶ)』をスタートしたりと、デザインやアートを身近にする活動なども精力的に取り組まれています。

今回のラベルデザインを手がけることになった経緯や、西山さんが考えるデザインについてお話をお伺いしました。


haccoba LAB_プロジェクトで、お酒のラベルデザインに関わることになった経緯と、またその時の心境についてお聞かせください

同じ南相馬市の起業家として活動しており、太亮さんとみずきさんが小高に移住しhaccobaができていく過程を近くで見ていました。
haccobaとして立ち上がってからは、周りからの期待を背負いながらも
飄々と力強く、描く道を進んでいるhaccobaチームにいつも刺激を受けています。
なので、今回ラベルデザインのオファーをいただけて単純に嬉しかったです。

普段、西山さんがデザインをする際に意識していることはありますか?

依頼主に寄り添い、その方の立場に立つことを想像してお話を聞くことと、
デザインの依頼であっても「本当にデザインというアウトプットが必要?」というところから考え直すようにしています。
かたちを整えたり、見た目をよくするといった手段としてのデザインに囚われず困っていることを解決するために本当に必要なことを探り、提案することを意識しています。

今回のhaccoba LAB_ のラベルデザインで、特に意識したところはどんなところですか?

このコラボレーションは、今後も継続的に行われる取り組みということだったので、酒蔵が増え、仲間が増えて行った時にかたちを変えながらも使えるデザインを意識しました。太亮さんから仲間の増える「ワクワク感」や「賑やかさ」というオーダーをいただき、そこも意識したので感じてもらえたら嬉しいです。

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西山さんご自身が、今後やってみたいことや興味があることはどんなことですか?

haccobaのある小高駅の隣駅(同じ小高区内)で「表現からつながる家『粒粒』」という場所を運営しています。
ここでアートや音楽といった芸術的なものだけではない「表現」と地域の人がつながり、表現の連鎖が起こるようなイベントや企画をやっていきたいと思っています。
表現を交換しあうことで、個性を認め合いお互いがファンになるようなやさしい世界で暮らしたいので、まずは自分の手の届く範囲から挑戦していきたいと思っています。
デザイン事務所としては、クリエイティブを仕事にする人をこの地域でも増やしていくために、良いものをつくっていきたいです。
それと、haccobaとも面白いカタチでコラボレーションしたいです。

西山さんにとって、「デザイン」とはなんですか?

誰かの役に立つための手段です。
広義の「デザイン」ではなく、あくまでわたしが今生業としている「デザイン」に関してですが、誰かの役に立ちたい、サポートしたいと思った時にわたしができることとして「デザイン」という手法があった。という感じです。
定義としてわたしが一番しっくりきているのが、ポール・ランドさんの言っていた「デザインとは関係性」というものです。
だからデザインは特別なものではなく、身の回りに当たり前にあるし、むしろデザインじゃないものは存在しないということを意識しています。
対象がものであれ、空間であれ、まちづくりであれ、狙った関係性をつくり整えていく。
より良い関係性になるようにデザインに励んでいきたいと思っています。

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デザイナーでありながら、「本当にデザインというアウトプットが必要かどうか」から考えるという西山さん。相談者の、根本の課題から一緒にみつけていくという寄り添う姿勢が、西山さんのやわらかな笑顔からも伝わってきます。
haccobaも、人びとの日常の幸せに寄り添うお酒を作っていきたいと思います。

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西山 里佳(にしやま りか)
福島県双葉郡富岡町出身。高校卒業後、上京しグラフィックデザイナーとして、音楽、アパレル、出版などのデザイン業務に携わる。2017年にフリーランスの活動をはじめ、2018年にコーディネーターとして起業型地域おこし協力隊「NextCommonsLab南相馬」に参画。2020年2月に法人化しmarutt(マルット) 株式会社を設立。福島県の浜通りエリアを中心に活動中。
『粒々(つぶつぶ)』Instagram:https://www.instagram.com/tubutubu_odaka/
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「haccobaをつくる人びと」のマガジンはこちら
https://note.com/haccoba/m/mea1479c7fc31


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