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「モップ」はっち

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Photo by Tyler Nix on Unsplash

掃除道具の代表格として扱われがちなモップだが、家で使った記憶はない。学校で使った記憶しかないのは私だけではないだろう。広い床を一気に拭くことができるけれど、収納に場所をとるし、使った後にモップ自体を綺麗にしなければならないしで、面倒といえば面倒な掃除道具だと今なら思う。しかし、学校の掃除時間においては、モップは「掃除当番カースト制度」において常に上位に君臨していた。

他には上から、上拭き、黒板、ほうき、雑巾(乾拭き)ときて、最下位が雑巾(水拭き)だったと記憶している。順番の理由は単純に、ラクかどうかだ。この道具をそれぞれ誰がやるかは、早い者勝ちか、あるいは見えないクラスメイトランクというものによって決まっていた気がする。要は、話がおもしろいとか足が早いとか頭が良いとか顔が可愛いとか、今から思えばよくわからない基準でなんとなく決まる“人気者”であれば上位の掃除道具を使うことができたが、そうでなければなぜか遠慮してしまい、雑巾を選んでしまう(あるいは、選ばされてしまう)ということだ。今はどうなっているのか知らないけれど、日本の子どもたちも大人の世界と同様に、「見えないランク付け」によって世界を形成していた。その子どもたちが今、大人になっていると思うと、ちょっと、ゾッとする。

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