「引越し」はっち

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人生で何度か引越しを経験しているけれど、荷物がどんどん段ボールに片付けられていく時の感覚や、古い家を最後に出ていくときの心情、新しい家に踏み入れるときのワクワクした気持ち…どれも好きだ。

今の家に来る時は長距離だったので引越し業者にお願いしたけれど、市内で引越しをするときは自分たちの車で少しずつ荷物を運んだ。まだ大学を出たばかりで、2人とも若かったからか、結構無茶をした気がする。さすがに冷蔵庫なんかの大物は自分たちでは運べないので、赤帽を頼んだ。荷物を運びながら、「アリとキリギリス」の絵本の中でアリが食べ物をせっせと運ぶ様子が目に浮かんできて、なんだか自分が絵本の中にさまよいこんだような感じがして楽しかった。

なんでこんなことを書いているかというと、今、我が家の前に建っている家に住人が引っ越してきたからだ。「建っている」と書いたが、正確には「ここ半年くらいで建った」家だ。こないだまで外構工事をしていたが、ようやく完成したらしい。引越し作業をしていた。あの人たちは今、あのワクワクした気持ちを味わっているんだなぁ…と想像すると、羨ましくなった。