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hibi/ 2020/4/15〜4/21

2020年4月15日(水)
 両国>蔵前(田原町)>両国
 寝すぎる。最近どうも寝すぎている感がありよくない。昼ごはんはいづちゃんがチャーハンを作ってくれていたので、付け合せにキャベツと玉ねぎを大量に刻んで塩もみして、例によってコールスローを作ろうと思ったらマヨネーズがなかった。やむなくキャベツは常温のままなにもせず放置。

 今日は日のあるうちに郵便局に出荷に行くのだという意思を強く持ち、持ち、持っていたはずで、いや持っていたので、15時ごろに家をでて、店。のち追加の荷物を作って郵便局。スムーズに事はなされる。昨日の不在票もついでに受け取ると、それは新刊で、サニーボーイブックスさんからの絵本とCDだった。いいなぁこれいいなぁと「作ってます」という情報を見たときから思っていたもので、仕入れたのだけれど、一冊は自分のものにした。BgmLab. のCDもとても欲しかったもので、仕入れのついでに同梱して送ってもらっていて、これも昨日の「music for fuzkue」とともに期待が高まる。家のでBGM環境をより整えていきたい。
 浅草の郵便局まで来たので、と少し足を伸ばしてリーディンライティンに。久しぶりの本屋。前回、ブックファースト新宿に行きそこねたが、それが最後の本屋来店の分岐点、というわけではなかった。世界がどうなってもどこで本屋が開いていてくれて嬉しい。「文藝」を買う。本、読んでないのに。
 帰りに寄ったスーパーはいつも行かない高架下のところで、生鮮食品が“想定よりちょっとだけ安い”ので、どうにも興奮してしまう。業務用と見られる商品も置いてあるところがまた好きで、普段の行動圏内にないが行けるときはなるべく行く。味の素の業務用一キロのマヨネーズは、星型のチューブそのままの形状で、ドバっと出てきて懐かしさを感じる。コールスロー作成は無事成し遂げられた。あとサバの西京焼き。

 放置しておいた確定の申告がなされる。233は起きないが朝までそのままいくのであろうか。

2020年4月16日(木)
 両国ー代々木八幡ー下北沢ー代々木八幡ー下北沢ー代々木八幡ー下北沢ー両国
 早い、といっても七時半に起床。233はすでに元気そうにしている。ぼくはもちろん起きたくはなかったが、今日は事務所の引越しであった。なにもこんな時期にということではあったが、次に入る人も決まっているし、なにもこんな時期にということであれば新店舗のオープンも移転も、なにもかもが、なにもこんな時期に、ということだった。コーヒーを飲んでから事務所。すぐに片付けをという感じでいたのだが、そもそも引越しは月末までに徐々に、という計画から、もうあまり事務所に行けないので一日で一気に、という方針に変わったのが二日前で、だから大量に本の在庫も抱えていたし、何も片づいていなかった。松村さんが車をレンタルしにいったついでに、近所の回収所においてあったので、とアート引越センターのダンボールを大量に持ってきてくれた。段ボールには「引越はアート!」の文字が踊る。ダブルミーニングなのであろうか。そう言われるとアートかもしれない。見たこともない他人の「ワレモノ」「すぐ使う」「冷蔵庫」(?)などのメモが書かれたダンボールにひたすら物を詰めていく。最初にデスクなどの家具系を、次に本の在庫、それで最後に備品系をまとめて車に詰めて三往復する。終わるとすでに十九時で日が暮れていたし、雨も降っていた。新しい事務所、というか店の備品でコーヒーを淹れて、それからぼくはB&Bの方から届いていたHABの入荷本を引っ張り出してきて、今日持って帰るために梱包する。また売り先のない在庫が増えていく。散らかった部屋で事務事務しているともう21時ごろであたりは真っ暗で、特に人の気配はない。酒類の販売は自粛してください、な時間に、まぁ自分で飲む分にはいいだろうと、休業でもうロスにするしかなくなった店のビールを勝手にサーバーから注いで飲んで、酒、飲まずにはいられない、と思う。飲まずにはいられないほどなにかがあったわけではないが、なにもないことは別に平穏無事を意味しない。

 帰ってきて、ちょうど233が起きる時間だったので一通りコミュニケーションを図ったのち、チキンラーメンを食べる。

2020年4月17日(金)
 ー
 やる気がでない。つながらないとわかっているし、申し訳ないなという気持ちもありつつ、役所に問い合わせの電話をし続ける。環境音のように呼出ベルを聴きながら、メールを返したり簡単な帳票を作成したりしていたら、一時間半後くらいにつながった。かける方も、でる方も、お互いの気力を削り取るような作業。

 お昼というか、おやつ? みたいな時間まで結局なにも食べていなくて、いづちゃんが混ぜごはんを作ってくれていたのでありがたくいただく。233は一日二回の離乳食をなんの抵抗もなく飲み込んでいく。食事が与えられる際の「はぁぁ、ごはん。ごはん! ごはんなのですねぇ」という顔がいちいち面白い。

 計算して、作って、計算して、作って、問い合わせて、というようなことを継続していて、しかしPCの調子が悪い。データも開かないし、反応が遅い。なんどかシャットダウンを繰り返して、リフレッシュしてなんだか機嫌がなおった頃には夕方で、ぼくはもう眠たくなってきている。ツウハン品の投函のついでに外に出る。なんだかどうしようもなくて、少しひとりで歩く。歩くなら233も連れてこればよかった。

 晩ごはんを作らないと心が死ぬなと思ったので、いづちゃんから引き取って、ビーフンと、例によってのポテトサラダとコールスローを作る。変わり映えのしないレパートリーに飽き飽きしてきたところがあって、なにか別のものを作りたい。茄子とか、食べたいな。焼くか、あるいは漬け込むかだな、と唐突に欲求が生まれる。生まれたのは欲求だけで買いには行かない。それからは計算、計算。

 iPhoneSEの新しいやつを買ってしまう。昨日の引越しで、画面を開いてもいないのに数時間電源から外しただけで電池が死にそうになっていて、これはもうダメだと思ったのだった。
 十九日の営業のオシラセを行う。明後日は店を開ける。

 233が起きてきたのでミルクを与え、隣で寝転んで、そのまま……

2020年4月18日(土)
 ー
 寝てしまっていたらしく、風呂も入らず着替えもせず朝。しかしながら、233が起きるタイミングでぼくも起きることが出来たため、いつもより早い時間に起きてそのまま朝は二人で過ごす。233は近くの座椅子に座っていただき、最近お気に入り(音が出るものにやっと強い反応を見せ始めた)うさぎの、なんだろう、押すと音が出る謎のビニール玉、を与えて、ぼくはコーヒーを淹れて、対面で飲む。時折、ふええ、と声を出し、自分の存在確認を求めてくる。

 金曜日までの流れを継続していて、店はやっていないが断続的にしごとをする。外は雨であと特にやることがない。昼ごはんは昨日の残り物で対応。竹田くんの新刊の見本が届く。

 昼過ぎに雨がやみ始めたので、233を抱いて散歩に行く。ふらふらと、いつもとは違うスーパーまで行こうと思い立ち、233と話しながら歩く。スーパーに入ると、233は「はー、野菜は、色とりどりですねぇ」という顔をする。寝ない。茄子を煮付けたいと手にとって、そのまま歩いていると、冷凍のエビが40%引きで売られているのが目につく。すかさずとる。人の移動に規制が入っていると、輸入物はむしろ高くなりそうなのだが、なにか、冷凍のエビは関係ないのだろうか。カレーだ、間違いなくエビのココナツミルクカレーだ、というとこで夕食を即決し、茄子は売り場に戻される。スーパーから出ると雨はきれいにやんでおり、日差しが濡れた路面に反射して、高架下にあるそのスーパーの前の、まっすぐ伸びる路地が不思議なくらいきれいに光っていた。きれいだねぇと話しかけると、233はこのタイミングで寝ていた。

 帰るといづちゃんが竹田くんの本を読んでいた。

 しごとしごとココナツカレー。最終的にガラム・マサラ先生と、マスタードオイル師匠がいい感じに仕上げてくれて常に美味しく出来上がるからこのメニューは好きだ。玉ねぎを二個すりおろして入れたら、ものすごい量ができてしまい、まぁでも元は野菜でしょ? いいでしょ? といづちゃんと言い合いながらばくばく食べた。

 「いつか行くフヅクエ券」が良すぎて、今日はそれだけで元気になる。損も得もない、という安心感。ファンディングでも、寄付でもないというだけで性にあっている。

2020年4月19日(日)
 両国>蔵前>両国
 今日もちゃんと起きることができて、233と過ごしながら洗濯などをする。この感じ、久しぶりだなと思いながら、準備して、家を出て、店。

 一階のラーメン屋に行列ができていないのは、あの店オープン以来はじめてのはず。先々週は列ができていた。

 開けると、すぐお一人常連さんが来てくださる。ぺこり。店を開けていなくても、開けていても時間はすぐ過ぎていくことは変わらず。入店は少ないが、購買率は高い、という印象。みなさんが気を使ってくださっている。店の整理をして、ツウハンの荷物を作ったら終わっていた。が、先週というか、この二週間は、同じ作業を店売りなしでやっていたのだから、今日のオープンは充実感がちがった。ぼくは、ここに、いても、いい、みたいな。自分の店なわけだが。「たまには店開けたら? そのほうが気が楽そうだし」とは、のちのいづちゃんの言。

 十七時閉店にしたので、233のお風呂にも間に合って夜はわりといい感じですごす。カレー(二日目)。

2020年4月20日(月)
 ー
 ジャンプの発売がない。

 しかしどうしたものなのか。休業とは(してないけれど)、自宅待機とは、みたいなレベルで仕事をこなしている。今日は料理もしておらず、これはほんとうにつらい。明日、こそは、せめて常備菜……。いづちゃんに作っていただいたシチューはたいへん美味であった。

2020年4月21日(火)
 ー
 日常的な、世間話的な、そんな一言を付け加える返信がどんどん難しくなる。あれはこころに余裕がないとできない。ない。

 昨晩、深夜に起きた233にお付き合いすることで強制的にしごとは打ち止めとなり、ジャンプの代わりに配信された、なにか、読み切り増刊、みたいなものを読んでいたら、おそらく233より早く寝ていた。起きるともうすでに10時で、233は食事の二クール目に突入するところだ。早寝早起きなのだ。

 電話で打ち合わせ。三本。二本目と三本目の間に三〇分時間ができたので、233と散歩に繰り出す。可能な限り裏道を歩いて、変な看板とか、変な行き止まりの路地などを、233と、ではなくぼくだけが楽しむ。233は歩き始めてすぐに寝ている。郵便局でレターパックをまとめて買う。窓口は明日から15:00までになるようだ。

 それから三本目の電話でそのあとはまたどどどとなにかが押し寄せてくる感じで、何もかもが流されていく。今日は料理をしたのだったか?

#READING 『いまを生きる』(N.H.クラインバウム、白石朗訳、新潮社)

まだ読み終わらない。というか、本を読んでいない。

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