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経営学部 放課後等デイサービスは儲かるの?

療育大学の経営学部へようこそ。
 第一回目の講習は放課後等デイサービスが儲かるのか?と言う話です。この様な切り口はハッキリ言って嫌いなのですが、講義と言うのは聞き手の心をつかんでなんぼの部分もあるので熱い志で既に運営なさっている方が読まれている場合には講義と言う事でご容赦頂ければと思います。。

福祉はお金儲けの場所じゃないと言う人もいる

お金儲けをする場所じゃないですが、生活するためのお金を頂いてはいけないと言う場所でもありません。

世間では言葉がはき違えられていますが、お金儲けとは経営者や投資家が利益を得るような行為をお金儲けと言いまして、現場で働いている方が必要な対価を得る事は必要経費ですので福祉の領域だからと言って無給や低賃金でなくてはならないと言う意味ではありません。

しかし、そう言った意味では儲かりません

先に結論

改めて、利益は出ずらい分野です。他のサービスとの合わせ技も必要で、現場のストレスも壮大なものです。安易に展開すればお子さん達の人生を悪くしてしまうなど社会的責任も大きい業種です。半端な気持ちで参入するのはやめる事をオススメします。

放課後等デイサービスの料金体系のルール

福祉サービスの大半は簡単に言うと、公的に決まっているので補助を受けて展開したい場合は一律の金額(地域で報酬差はあります)となります。

提供者側が料金体系に対して選べるとすれば、施設の受け入れ人数で1人あたりの料金が決まっているので「人数を決めれる」という事ぐらいでしょう?

今回は、その他にも加算等がありますが保育士さん等の加配加算だけを考えて他は考えずに、減算も受けない事を前提にざっくりとしたものを提示します。

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図の基本と加配加算は点数、売り上げは円で表示していますので…

点数×10(地域差あり)×8割の人数=1日の売上としています。

20人以上の施設ですと規模なども考えて現実的に起業を考えている状態の方にはハードルが高いと考えて割愛します。あと夏休みで若干形態が変わりますがここでは割愛します。

この上で、月土日休みの22日稼働したとて計算して行きます。

ざっくりの10人以下の基準での売上

8人の利用者を毎日受け入れたとしてどうなるかを考えます。
65,680円×22日=1,444,960円(月)
1,444,960円×12か月=17,339,520円(年)

新人保育士さんの年収が300万円である方と言われています。そこに色々かかって350万円としておきましょう。

管理者件自発管1名、最低人員の保育士2名と加配加算人員の保育士1名の計4人1年現場を回せば…約1400万円の人件費

差し引きあと300万円分のゆとり(利益とは言っていない)ができます。
注意)誰も有給を使えませんがね。

ざっくりの10人以上20人未満の基準での売上

16人の利用者を毎日受け入れたとしてどうなるかを考えます。

87,360円×22日=1,932,920円(月)
1,932,920円×12か月=23,063,040円(年)

先ほどと同じ様に保育士さんの人件費を換算して350万円で計算していくと…

管理者件自発管1名、最低人員の保育士4名と加配加算人員の保育士1名の計6人で1年現場を回せば…約2100万円の人件費
差し引きあと200万円分のゆとり(利益とは言っていない)ができます。

あれ?20人の方が辛い?

注意)やっぱり誰も有給を使えません。

放課後等デイサービスは儲からないが

放課後等デイサービスは新人だらけで行っても、人件費だけで辛いと言う印象を受けたと思います。

と言っても、昼の14時から18時まで4時間がメインの仕事と思えば破格の待遇ですからキツいのは当たり前ですね。

これに午前中から放課後等デイサービスの時間まで「児童発達支援」を入れたりして収入が倍になればやって行ける金額になるでしょう。

仮に放課後等デイサービスと児童発達支援がほぼ同等の収益があったとすれば…
(実際は、児童発達支援は対象年齢などを加味しても人数は増えずらいです)

10人以下の定員の場合は、300万のゆとりに1700万円が増えますので、2000万円(年)のゆとり

20人以下の定員の場合は、200万円のゆとりに2300万円が増えますので2500万円(年)のゆとりとなります。

顧客とスタッフの人数にゆとりがあれば、20人以下がオススメですね。人員が多ければシフトなどの融通が効きます。
(土日祝もフル稼働すればもっと上げれますが今回は割愛します)

まとめ

今回は、放課後等デイサービスが儲かるかと言う観点でお話しましたが、何が言いたいのかと言いますと…デイサービスは他のサービス等を組み合わせる事が必須だと言えます。

経費等もあるので、合わせ技の児童発達支援が相当順調に進んだとしても最大利益は1000万円くらいの利益だと思って下さい。

子ども向けサービスは追加の設備投資が多くないとサービスの質を維持し続ける事が難しい領域ですので実際の利益はもっと少ないと思います。

だから経営者自らが、現場のスタッフとならないと利益は出ずらい業種と考えます。楽して儲けたいと言う発想の経営者の方には向いていないと思います。

暖かいサービスを実際に提供するスタッフを大切にする観点からも現場に入って理想の療育を展開したいと考えているセラピスト(PT,OT,ST)や保育士さんにはとても魅力的な職場ですので一緒に頑張りましょう。

活動にご賛同頂けましたらサポートをお願い致します。頂いた資金にて児童発達支援及び放課後等デイサービスの設立を目指しています。