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雪と暮らす

今年の横手市は、全国ニュースでも取り上げてもらうぐらい記録的な雪の量です。雪に慣れている自分たちですら連日の降雪に面食らってしまうほど。

雪は水のかたまりだから、それが積もっていくということは、重さがかかるということ。

日中に気温が上がったり雨が降ったりで引き締まったところで夜に冷え込むと、重くて硬い雪になって行きます。大人の背丈より高く積もった屋根の雪は、ほっておくと建物を潰してしまうぐらいの重さに。
そこで必要な作業が「雪おろし」というわけです。

イメージはカキ氷。どんなにふわふわに削ったカキ氷でもシロップをかけると氷が引き締まってカサが減りますよね、下の方は溶けちゃうし。それをさらに冷凍庫にしまって、後から食べようと思ってもスプーンが入らないじゃないですか、まさに、屋根の雪はカキ氷で構成されていて、何日もかけて何層にもなります。

様子が伝わる写真を少し。


増田の町並み

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羽場こうじ店で維持管理している旧勇駒酒造。(建物全体が国の登録有形文化財に指定されています。)
入り口側の屋根。酒樽を模した鏝絵の裏側にもびっちり雪。

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建築年も違い、屋根の在り方も違い、高低差や勾配の違う長い長い屋根。
小さく写っている人間の大きさからお察しください。

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作戦会議のメモ

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こういうこと。

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修繕でお世話になっている岩村建匠(いわむらけんしょう)の皆さんも応援に来てくれました。

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防寒に防寒を重ねて。

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奥行きがあり、お隣との間隔が狭いために、おろした雪は機械を使って片付けます。

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屋根から雪を降ろす時は、高所の作業だから危険を伴います。残念なことに雪おろしで亡くなる方も毎年いらっしゃいます。

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雪国で暮らし、命を守ること。
ご先祖さまが選んだこの地で、土地を耕し暮らしを立て、家族を守るために、家を作る。
商売していれば、家族と従業員と、従業員の暮らしも守る。事業が継続できなかったら、みんなの命がなくなります。
だから、建物を守るということは命を守ること。


途中で雨になったり強い吹雪で道具が飛ばされたり、予想できないこともたくさん起きるけれど、私たちは建物を守り命を守り、今日も雪下ろしをしています。
まだまだ、1月半ば。

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神々しくてレンズに指 笑

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