高橋 裕司

毎週(金)依存症者が集う 『Zoom ミーティング』 18:30〜40分間、開催! …

高橋 裕司

毎週(金)依存症者が集う 『Zoom ミーティング』 18:30〜40分間、開催! ID: 313 152 5464 パス: MrsV90

最近の記事

019話 圧勝

 裕司は何とかして、その魅惑的な胸を生で拝みたい衝動に駆られ、日々、サトミさんの行動パターンを観察していた。  基本、病室のベッドでゴロンしている。  ブラジャー・パンティをベッドの柵に干して乾かす。 ・・・小さくてもドア窓から、丸見えだょ〜。  食事時間の結構前に、自分で決めたホールの定位置に座って居る。  時々、スモーキングルームにも居る。  煙草は人の吸い終わった短かいモノを、毎回、貰っている。 ・・・ん!? コレだぁ〜〜!! ・・・煙草なら丁度、イッパ

    • 018話 日常

       けれど、裕司にはどういう訳か、痩せ型体型の女性を惹き付ける力が備わっているのか、元嫁もサオリもガリガリだ。  その反動か ・・・もぅ嫌なんだ。太めがいいんだぁ!! _____________________  ココの精神病院にもケースワーカーが在籍していて、その人を利用して、今後の裕司の行く末を決めようと企んでいた。  その人の仕事の1つとして『退院後の問題』について動いてくれるらしいと、患者づてに聞き ・・・今の僕に、正に必要な存在だっ。  掻い摘んで言うと

      • 017話 新展開

         この様な『残虐非道な悪に成り得る可能性が、裕司には有る!?』と気付いて自分の事を恐ろしく思った。  それと同時に、こんな事を考えた。 ・・・如何なる犯罪も事件が起こるまで、捕まる事はない。例外として、予告殺人等の場合は警戒態勢を取ったり、その予告を出した事だけでも罰するみたいだが、僕の場合はど〜なのかっ? ・・・行き当たりばったりで、出会った幼女を誘導し、軟禁、強姦し、終いには生きたまんまの切断……。「したぃ」と言う願望が強く有るだけで実行に移してはいなぃ。けど、この

        • 016話 続・精神病棟

          _____________________  丸で何事も無かったかの様に、今迄と同じような入院生活が待っていた。  唯一、違う点は、サオリが退院して、ほぼ毎日毎日、飽きもせず面会しに来る事だ。 _____________________」  今日の時間開放中、他の病棟のOT散歩の群と合流した。  2南の患者、オヤカワとマサユキがOTスタッフのミドリさんに連れられて、歩いている後ろ姿を裕司が発見出来たからだ。 「オヤカワさんじゃないですかぁ?」 「おおーう、おお!」

        019話 圧勝

          015話 面会

           先生の眉間が険しくなる。 「こ、…れ、…から」 「何度も何度も『会うな!』と言われているのに、何で会い続けていたんですか? ……こんな風に悲しい思いをしてしまうんですよ?」 「……え? こんな風になる事、分かっていたんですか?」 「……病棟に戻りなさい」  サオリは遣り切れない思いのまま、2北病棟へ戻った。 「何分、遅刻してると思っているんですか? もう時間開放させられなくなりますよ!」  看護師にもお叱りを受けているのに、サオリの頭は、裕司との様々な出来事の

          015話 面会

          014話 違和感

           一度得た楽しい生活から、抜け出し難くなってるのも事実。  しかし「入院生活を楽しい」と言っていること自体、周りの人々に言わせれば異常らしい。ならば、今の高橋 裕司も 「いつ退院するかは、あなた次第です」  そう主治医に言われてはいるが ・・・現在も病人か? 処方薬も飲まなきゃいけない身だしっ。  翌朝  訳の分からん理由で、看護師に注意をされた。  時刻は9時、向かい側の3南病棟の患者らがOTの時間の為、小広場に集まり待機している様子をこちら側の扉窓越しに遠め

          014話 違和感

          013話 急性期

          「艸楽さんは、お元気ですかぁ?」 「おお! 丁度、艸楽さんがその洗剤を『高橋さんのじゃないの?』と言ってるんだよ。……行ってみる?」 ・・・断る理由が見つからん。 「い、いいんですかぁ?」  一緒にエレベーターへ乗り込み、2階で降りる。彼と台車だけが先に2南病棟の扉を潜った。  裕司は2南扉と2北扉の間の小広場を、独りで待機している。  久々に会える艸楽さんへ、何を話そうかと考えてみても何にも思い浮かばなかった。  かなり興奮した気持ちになっていた為か、向かい合

          013話 急性期

          012話 放題

          「うん、大丈夫ぅ」  そう言いながら、触り続ける。 ・・・女って、その手が使えるんだよなぁ。  サオリの事を狡く感じたりした。 ・・・血が付いた方が興奮するんだけどなぁ。 「明日も会おーね?」  サオリから、初めて言われた気がした。 ・・・生理によって「会いたくない」と裕司に言われるって思ってしまったのかもねっ?  病棟に戻り、ゴールデンウィークのお楽しみを作る事が出来た裕司は、ホールでその麻雀に没頭していた。  オオミネさんや、裕司の麻雀師匠のチヨミツさん

          012話 放題

          011話 ヒロイン

           けれど、自覚しているからこそ、煙草の向きを逆に挟み、火の着いてる方を掌側にして、何食わぬ顔で歩く。 ・・・居たっ!  OTスタッフと患者の仲間達。 「お茶、要りませんかー? 今日はレモンティーですよー」  いつもながらの気さくっぷりで、裕司の心をホッとさせてくれた。  次に向かったのは、主にアルコール依存症者が利用する喫煙所。誰も居なく ・・・異常なぁ〜し!  すると、すぐ傍にある正面玄関の駐車場で人集りを発見。 ・・・何事かぁ?  裕司は当然、野次馬魂で

          011話 ヒロイン

          010話 欲求

           座ったままの姿勢より、正面を向かい合って抱き合う方が、サオリの両胸が裕司の躰に当たり ・・・感触を楽しむ事が出来そうだし。サオリの髪を撫でる流れで肩・背・腰・尻と自然にお尻を揉む事が出来そぅだし。  座りながらより、メリットが高まるとスケベ心が期待していた。  裕司の腕時計で10時05分頃、いつもの様に息を切らして、サオリは現れた。  会って早々に 「手紙が欲しい」  2人だけで会える様になってるのに、裕司の文字を欲してきた。  しかし、裕司の考えでは直接会え

          010話 欲求

          009話 充実

           恒例の時間開放に飛び出し、サオリとの密会場の掃除を、自分勝手に独りで行なう。  枝を1本拾い、それを使って葉っぱや小虫達や蜘蛛の巣を払ったりだ。  セッティング万端となり、今日のお喋り内容やハグの仕方やチューの仕方に思いを馳せる。 ・・・今日はサオリのどんな話が聞けるか? ど〜やったら厭らしくなく自然に胸を触れるかなぁ? 今日のチューは舌を入れられるかなっ?  殆ど、Hな想像ばかりみたいだ。  木柄の椅子に座ってそんな事を思っていると、遠くの方にサオリが駆けて来る

          009話 充実

          008話 仲間

           今後また、その形態に戻ったと知れば、退院への気持ちに心が流れるつくのかもしれない。  ただ、これだけ聞くと「裕司って野郎は、女ったらしなんだぁ」と思われるかもだ。  しかし、裕司にも言い分は有る。 ・・・僕の求めるゴールは社会生活にあるので、社会に沢山居る人とコミュニケーションを多く取れる勇気を持つ事こそが、依存症施設で学ぶべきポイントだと考えているんだぁ。 ・・・その沢山居る人の中には勿論、女性も含まれていて、彼女らとの接し方を上手に出来るよう訓練しておかないと、

          008話 仲間

          007話 小山

          「えっ! マジで言ってるのぉ? ……な、何時から何時ぃ〜?」 「10時から11時半の間で、30分だけ」 「やったぁ! 合わせられるじゃん? 僕はぁ、9時半から11時半とぉ、12時半から16時だからぁ〜、……10時に待ち合わせょ?」 「うん♡」  斯くして、2人は『時間開放』という自由な時間に自由な事が出来る思いで、新たに愛を育むステージへと駒を進めようとしていた。  普段の病棟で裕司は、爬虫類顔のミヤギお爺ちゃんと接待五目並べをしたり、自称財閥のヒロアキさんとの将棋

          007話 小山

          006話 再転棟

           仲間達に囲まれて過ごした日々はアッと言う間に過ぎて、外泊最終日には、やや ・・・施設生活も楽しぃ。  そんな名残惜しさも、やや感じながら、裕司は再び精神病院の閉鎖病棟へと戻った。  病棟の患者達を目の前にして ・・・ぅ、うわぁ〜〜……、具合悪〜ぃ。  裕司の気分は、みるみる落ち込んでいった。 ・・・相変わらず、なんて激薄な食事なんだっ。  2泊3日の外泊で、シャバの飯の旨さに気付いたからだ。  元々、ココの院内食は健康面に重きを置いててなのか ・・・塩や醤

          006話 再転棟

          005話 施設

           入院生活も早2カ月が過ぎ 「そろそろ、退院を考えてみますか?」  現実に引き戻す言葉を主治医に告げられた。  裕司の心は、激しく動揺した。  折角、サオリとかなり良好な関係を、手紙と扉越しの微かな囁き声などで築けているのに。これからもっと楽しもうと企んでいる最中なのにだ。 ・・・幸せな2人を引き裂く悪魔かっ?  主治医に対して、心の中で悪態を吐いた。  これから先の生活が、真っ暗で何も見えなくなってしまった。  今回の任意入院が、あまりにも天国に感じていたか

          005話 施設

          004話 再会

           そこで目の当たりにした光景に、驚きを隠せなかった!   ザッと見渡す限り、ホールに居る数十人の患者らの姿が、丸で『進撃の巨◯』と言う漫画に出てくる、ニヤけた口がだらしなく開きっぱなしの巨人の容姿とかにソックリなのだ。  けれど、そんな患者らに対しても面白味を感じる裕司だった。  取り敢えず場馴れしたい裕司は、ココの病棟に存在する看護師や患者らの名前を手当たり次第に訊いて周り、名前と簡単な死因…ぃゃ、特徴を『デスノー◯』って漫画の様に綴っていく。  そうやって時をやり

          004話 再会