ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番@大宮(当日)・・・東京遠征たのしかった

大宮のラフ2+アンコール

はい、当日です。
 大宮ソニックシティ大ホール・・・でっかい箱です。いくら角野さんゲストで呼ぶからって、Youth Orchestra Mixtureさん、ちょっと冒険しすぎたかもですね…。空席が残念でした。ていうか、もったいないです。こんな素晴らしいステージ、もっともっとたくさんのお客さんに届いてほしかった。ほんと、期待以上にいい演奏で(ベルリオーズも)、感動しました。
 以下、いつもの自分目線レポートです。少しでも会場の様子や雰囲気がお伝えできれば嬉しいです。
 
 ロビーでは弦楽器首席奏者のみなさんが、シューベルトの弦楽四重奏曲『死と乙女』を演奏しながら観客を迎え入れてくれました。こういうおもてなしって雰囲気が盛り上がりますね。四重奏を聴き終わってホールに入場です。そこには千数百人の聴衆が、今日の演奏を楽しみに待っていました。
 オケもスタンバイしたところで、われらが角野さん、大きな拍手に迎えられて、指揮者と一緒に入場してきました。そして会場に深く一礼すると、ゆっくりとピアノの前に座ります。観客の視線がぐっと角野さんに注がれて、会場全体の集中力が高まります。みんな固唾をのんで息を殺しながら、「鐘」を鳴らす手元を見つめていました。
 最初の7音から段々と重く強く響いてくるあの和音・・・そうです。今、みなさんの頭の中で鳴っているそれです。角野さんのこれが聴きたかった!
 それからの35分間は、ほんとあっという間でした。「終わらないで…」心の声が抑えられないです。
 角野さん、よかった。特級ファイナルのラフ2への思い入れが強すぎて、何十回も聴き込んで、あのラフ2が脳に馴染んでしまっているところで、今回のラフ2です。やっぱり角野隼斗のラフ2はどれも最高だった! 
 演奏の雰囲気とかは、ファイナルの時とは全然違うような気がします。席が遠かったんで、今回、表情がほとんどわからなかったけれど、醸し出す雰囲気にすごい余裕が感じられました。今の角野さんにとって、この曲は完全に自分の持ち曲になっていて、追い込んで仕上げていくというよりは、楽しみながら本番に合わせていく感じになってるのかもしれないなぁ。
 専門的なことは全くわからないけれど、自分なりに特級ファイナルと今回の二つのラフ2の違いについて考えてみました。
 まず、立場が違う。
 ファイナルではコンテスタントとしてプロのオケに支えられ引き立てられながら、凄まじい緊張感の中で全力を出し切ることが求められていました。今回は、ゲストのソリストであり新進気鋭の人気ピアニストとして、オケを引っ張りながら、オケの良さを引き出すことにも気を配る余裕が感じられました。
 そして、見た目もだいぶ違う。
 特級のころは髪も短くて、表情も緊張からかちょっと硬めで、ぐっと口を真一文字に結ぶ様子が印象的でした。今の角野さんは、パーマをあてた王子様スタイルで、鍵盤に重さをのせるときにふわっと舞い上がる髪がアーティスティックで遠くからでも印象的です。(結構、髪の毛長くなってますね。このまま伸ばし続けて最後はポニーテールにするのか、そろそろ切るのか…どうなんでしょうか。)
 そして、何といっても一番違うのは自信じゃないかな。
 ファイナルと今回の大宮の二つのラフ2の間の一年半って、他人に貼られた「東大生ピアニスト」というレッテルを、自分の手で塗り替えていく戦いの軌跡だったと思います。戦いといっても、本人、あの通り、気負わず楽し気に、でも着実に演奏家としての実績を積み重ねてきました。そして全国ツアーを完走して、大きな自信を手に入れたと思います。そんな今の角野隼斗が弾くラフ2は、特に後半に向かってオケを巻き込みながらどんどんノッていく感じが最高によかったです。ピアノとオケのケミストリーが、確かにそこにはあったと思う。ほんと、ピアノもオケも両方よかった。
 ご本人も「やっぱりピアノコンチェルトは楽しいな。…」と言ってるけど、こっちにもその楽しさが十分に伝わってきて、一緒に楽しめました。
思い入れのあるこの曲をどうしても生演奏で聴きたくて、福岡から遠征してきたけど、来てよかったです。今日もありがとう。

 鳴りやまない拍手の中でステージに戻ってきてくれた角野さんがアンコール曲に選んだのが、あのサティの『Je te veux(あなたが欲しい)』でした。そうです、すでに伝説になりつつある『蜜蜂と遠雷』コンサートで披露されたあの曲を、ここでも弾いてくれたんです。この曲、みんなが言ってるように「かてぃん」テイスト溢れる素晴らしい編曲・演奏で、YouTubeのチャンネルにもぜひアップしてほしいと願わずにいられません。

(この後、休憩をはさんでYouth Orchestra Mixtureによるベルリオーズの大曲『幻想交響曲』が演奏されました。これが凄い迫力でよかった。この若いオケのポテンシャル、計り知れないものを感じました。)

サイン会(神対応)

 終演後、ロビーで角野さんのサイン会が催されました。アナウンスがあった時にはびっくりしたんだけど、オケの定期演奏会でゲストのソリストのサイン会って普通のこと? 
 『PASSION』の販売も一緒に行われていたので、福岡公演に次いで2枚目を購入してから、サイン会の列に並びました。
 まぁ、この列の凄いこと・・・角野さんが座るように準備された長机を先頭に、結構広いロビー中をぐる~りぐるりと幾重にも蛇行してるんだけど、この列の長さが半端なくて、推定200メートル(400人以上?)くらいになってたのではないかな?と思います。
 角野さん、スタッフに呼ばれてロビーに出てきたときに、一瞬、「おぉ」って驚いた感じだったけど、にこやかに歩いてきて席に座ると、躊躇なくいつもの神対応を始めるんです。CD以外にもちゃんと色紙用意してきてる人もいれば、楽譜や定期入れやタブレットなど、いろんなものにサインをお願いする人たちがいるけど、全部、気軽に引き受けてました。それを見てて、自分の後ろに並んでた男女二人組の方たちが、「CD買わなくてもサインしてくれるんだ。凄いねえ」って感心してました。中にはちょっと長めにいろいろ話しかけてる方もいましたが、終始にこやかに対応してましたね。いつも思うけど、子どもファンとやり取りしてる時なんか、特に満面の笑顔ですね。
 この人は凄いなと感心しながら、同時に心配になりました。今回は全国ツアーとかの時とは違って、机周りで流れを捌くスタッフもおらず、たった一人で何百人のファンと向き合って、一人ひとり対応してる姿を見ていて、もうそろそろこんな対応を続けるのは無理じゃないかと思ったりします。これって精神的にも肉体的にもすごく負担が大きいと思うし、万が一危険なことがないとも限らないし、今日みたいにたった一人ぽつんと座ってこの人数を全部引き受けるなんて、ちょっとムチャだなと思う。何らかの制限も必要になるだろうし、側を固めるスタッフも要るでしょう。ボランティアスタッフ募れば、かてぃん界隈のおねえさま方がこぞって手を上げそうだけどw

サイン会(嬉しい出来事)

 サイン会で嬉しい出来事が二つありました。
【その①】微笑ましくもちょっと心配なサイン会がんばる角野さんを感心しながら見ていたら、反対の列に並ぶ女性から突然声をかけられました:
「すみません。人違いだったら申し訳ないんですが、もしかしてツイッターとかで角野さんのこととか文章書かれたりしてませんか?(ニュアンス)」
(えッ! なんでわかる。プチパニック)
「は、はい。ちょっとだけ書いてます(長々と書いてるだろう)」
「もしかしてyossyさんですか?」
(なんでわかった???????)
「はい、yossyです。」
「やっぱり! わたし○○○○です」
(マジかよ~)
「あの○○○○さんですか? びっくりしました。初めまして」
「初めまして」
と驚きながら挨拶を交わして握手をすると、周りの明るいおねえさま方が次々と私△△△△です。私は◇◇◇◇です。初めまして・・・
画面で見覚えのあるお名前が次々と出てきて…。

 いやぁ、びっくりしました。あんなに何百人も並んでたのに、なんでわかったんだろう。訊いてみると、イメージ通りだったそうですが、当方、ごく普通のおじさんなんですが、イメージ通りって…。
 その後、この超明るくパワフルな乙女軍団にひとりオッサンが混じって、お疲れさん会?することになりまして…角野さんにサインもらうよりそっちの方でドキドキしてきました。

【その②】角野さんから二回目のサインをいただきました。今回は福岡公演の初対面で舞い上がったオッサンではなく、ちゃんと落ち着いて大人のオジサマらしく振舞おうと思っていたのに、界隈のおねえさま方に見つかってしまい、その時のドキドキのままのテンションで自分の番になりました。
「福岡から飛んで来ました(バカ「飛んで」はいらんだろ)」
「わざわざ福岡から、ありがとうございます」
「こんど4日も行きます!(バカ「3月」をつけろ)」
「3月の『PHILIA』も来てくれるんですね。ありがとうございます」
そして、今日のことノートの記事に書かせてくださいと伝えると、角野さんからすごく嬉しい反応が返ってきて、テンションMAX!になってしまったのです。

(※ サインもらった後、ロビーで乙女たくさん+オッサン一人で集合写真撮って、大宮駅の近くのお店に10人ほど集まって軽く飲みながら、角野愛について熱く語り合いました。ほんと楽しかった。声かけていただいて、仲間に入れていただいて、ありがとうございます。)

聖地巡礼

 今回の東京遠征では、大宮の公演以外に「聖地巡礼?」もしてきました。日曜の午前中に都庁展望台に行ってきました。間違えてピアノがない北の方に上がりそうになって、気づいて南に移ってからの初都庁ピアノです。もちろん自分が弾いたわけではありませんが、いつも観ているあのピアノがそこにあると、武装解除したアニキやSummer、けいちゃんさんとの連弾などが思い出されて感慨深いものがあります。考えてみれば、かてぃんさん、3回くらいしか来てないんだけど、動画なんども繰り返し観て脳裏に焼き付いてるんで、聖地に認定しました。
 次に月曜日の午後から、開成中高東大本郷に行ってきました。そうです。角野さんが思春期から青年期にかけて通算12年通った母校ですね。駒場までは行けませんでした。もちろん、開成はまわりの道路を一周しただけです。坂が多かったです。150周年記念事業で、今後、校舎ががらりと建て替わるようです。その前に角野さんが通ってたころの校舎の雰囲気が見れて良かったです。開成中高って日本を代表するエリート校のひとつだけど、勉強だけではなく運動会はじめ様々な行事にも力を入れていて、先輩後輩の団結や絆が強いことでも知られています。ちなみに、今回のオケの代表の方は角野さんの開成の後輩だそうです(パンフより)。角野さん、今ではすっかりピアノの王子様として特に女性に大人気ですが、内面の「男子校マインド」も見逃せません。
 東大の方も行ってきました。3月23日にこの安田講堂で卒業式(学位記授与式)が行われるんですね。すぐ近くの工学部の研究棟も見てきました(もちろん外から)。いよいよ残り少ない学生生活、楽しんでくださいね。

前言撤回

 今回の東京遠征で思いもよらず、かてぃん界隈の乙女のみなさまとリアルにお会いするラッキーがありました。こうやってお会いしてるのに、「私は角野さんしかフォローしません、ごめんなさい」なんて言ってられないなと思い、お会いしたみなさんをフォローしようと思ったけど、考えてみると今回たまたまお会いできませんでしたが、みんな角野愛の深いファンの方なんで区別する必要ないなという思いにいたり、前言をあっさり撤回して、フォローしていただいているみなさん全員フォローさせてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。