見出し画像

“女帝”小池百合子都知事のワードセンスにあらためて舌を巻いた。

『女帝 小池百合子』(文藝春秋)が売れに売れている。この出版不況の時代で、すでに15万部を突破したそうだ。

私自身は未読だが、本書にどんなエピソードが綴られているかはあちこちから漏れ伝わってくる。もちろん、これらを信じるか信じないかは読者次第。だが、一筋縄ではない人物であることは間違いないのだろう。これは決して否定的な文脈で言っているわけではない。永田町で、しかも女性として上を目指そうとするなら、そもそも凡庸な人間であるはずがないのだ。

そんななか、先週末、NPO法人「ドットジェイピー」が主催するイベント『ソーシャルディスタンス〜でも若者と都政の距離は縮めたい〜』が開催された。これは学生団体などを主宰する大学生8名と小池都知事が都政について語り合うイベントで、私はそこでコーディネーターを務めさせていただいた。

小池都知事とは、初対面だったように思う。「ように思う」と曖昧な表現になってしまうのは、もしかしたら何かしらのパーティーでお会いしていた可能性もあるからだ。だが、きちんとお話しする機会を持つのは、これが初めてのことだった。

収録が始まる前、ほんの雑談のつもりで「小池さん、『女帝』は読んだりするんですか?」とお聞きしたら、見事に地雷を踏んでしまったらしく、激烈にムッとされるというアクシデントに見舞われたが、そこはさすがプロ。いざ収録が始まるとにこやかに大学生とお話ししてくださり、とても実りあるイベントとすることができた。

今回はあくまで「大学生からの質問に答える」という趣旨のイベントだったため、私から質問をする機会はほとんどなかったが、それでも彼女の受け答えから随所に“本領”を垣間見ることができた。私が思う彼女の本領とは、その類いまれなるワードセンスにあると思っている。

私は、彼女がイベントの中で発した「ある言葉」に思わず息を呑んでしまった。

             ------✂------

ここから先は有料公開となります。

個別の記事を数百円ずつご購入いただくよりも、定期購読マガジン(月額1,000円)をご購読いただくほうが圧倒的にお得となります。

月の途中からご購読いただいても、当該月の記事はすべて読めるようになっているので、安心してご登録ください。

記事の更新はみなさんからのサポートに支えられています。ぜひ、この機にご登録をお願いします!

「乙武洋匡の七転び八起き」
https://note.mu/h_ototake/m/m9d2115c70116

ここから先は

1,492字

¥ 300

みなさんからサポートをいただけると、「ああ、伝わったんだな」「書いてよかったな」と、しみじみ感じます。いつも本当にありがとうございます。