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「性別に関係なく、能力の高い人を選ぶべき」という主張に物申す。

すったもんだの末に決着を見た(ん、まだ決着してない?)アメリカ大統領選挙。民主党のジョー・バイデン氏が次期大統領に就任する見通しとなったが、併せて注目されているのが、副大統領に就任することとなるカマラ・ハリス氏だ。

ハリス氏に注目が集まっている理由は、父親がジャマイカ系、母親がインド系移民であるという出自に加えて、やはり本人が女性であるという要素も非常に大きい。そう、彼女が副大統領に就任すると、米国史上「女性初」となるのだ。

先日、ハリス氏は勝利演説を行った。そのスピーチのなかに、こんな言葉があった。

「私は最初の女性副大統領かもしれませんが、最後ではありません」

「今夜、この瞬間を見ているすべての小さな女の子たちは、ここが可能性に満ちた国であることを知ったからです」

これには、ちょっと、涙腺が緩んだ。私は女性ではないが、身体障害者というマイノリティとして生きてきた。そしてカマラ氏の足元にも及ばないが、日本における障害者にとっての“ガラスの天井”と呼ばれるものを、少しは打ち砕いてきた自負がある。だから、余計にグッと来た。

さあ、こうなると日本では——と目を向けたくなるところだが、次期首相候補として名が挙がっているのは、岸田文雄氏、加藤勝信氏、河野太郎氏など男性ばかり。彼らのもとで女性が官房長官に抜擢される可能性を考えても、なかなか候補者の名前が挙がってこないのが現状だ。

事実、9月に発足した菅内閣に名前を連ねている女性は、上川陽子氏と橋本聖子氏の二人だけだ。これについては、「女性が二人だけなんて少ない」という声もあれば、「性別に関係なく、能力で選ばれるべき」という声もあった。どちらも正論に聞こえるが、私は後者に「ダウト!」と唱えたい。

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