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言論統制を是認するかのような彼の言葉に、私は思わず耳を疑った。

12月に入ると、どうしても今年一年を振り返りたくなってしまいます。年ですかね……。

あらためて今年一年を振り返ってみると、やはり著名人の薬物に関する逮捕が目立った一年だったのかなと。ピエール瀧さん、田口淳之介さん、国母和宏さん、田代まさしさん、沢尻エリカさんと、そのどれもが私たちに衝撃を与えるとともに、薬物から抜け出すことの難しさを突きつけられた気がしました。

テレビでも、繰り返しこれらの事件を扱っていましたよね。その報道も、野次馬根性を隠そうともしない下卑たものから、今後の薬物対策はどうあるべきかという本質的なものまで様々あったように思います。

私が定期的に出演させていただいている『ワイドナショー』でも、松本人志さんが薬物事件の厳罰化を主張して話題となりました。しかし、こうした松本さんの「厳罰化案」に異論を唱えたのが、堀江貴文さん。

「厳罰化すれば犯罪が減ると思うのは浅薄」
「(麻薬などは)ある程度、合法化した方がいい」

と論じたのです。

唐突にこの発言だけを取り出すと、「言語道断だ」と考える方もいらっしゃることと思いますが、薬物対策における先進国と言われているポルトガルでは、2001年に少量の薬物に関しては所持・使用を非犯罪化(合法化ではない)したという背景があります。

これによって専門機関に相談する人が増え、結果的に10代で薬物に手を出す人が減ったり、薬物で命を落とす人の数も減ったりしたという効果が報告されているのです。これにより、薬物対策における国際的な潮流は「厳罰から治療へ」となっていることは事実です。

もちろん、若年層の薬物使用が深刻化していたポルトガルのような国で成功した事例がそのまま日本でも通用するかというと難しい部分はあるかと思いますが、こうした知識を知っておくだけでも、堀江さんの主張の受け止め方が変わってくると思ったので、ご紹介させていただきました。

さて、そんな堀江さんが、先日は『サンデー・ジャポン』に出演して、同様の主張を繰り広げました。

詳しくは上記の記事をお読みいただきたいのですが、堀江さんの主張を要約すると、

・ハードドラックを合法化しろとまでは言わない。
・合法化すれば、地下経済にお金が流れなくなる。
・アルコール依存症も深刻な問題だが、アルコールは合法。
・アルコールやギャンブルのように、薬物という対象物を禁止するよりも、依存状態を治療することが重要。

というものでした。

こうした堀江さんの主張に対して共演者から反論が起こったのですが、その反論のなかで、私にとってどうしても看過できない発言がありました。

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