東京五輪が中止になる唯一のシナリオ。

東京都にも3回目となる緊急事態宣言が出されることとなりました。一年間で3回目、しかも前回の緊急事態宣言が明けてからまだ一ヶ月ということも考えると、多くの人にとっては「緊急」ではなく「日常」だと感じられてしまい、どこまで宣言による効果が期待できるのかはわかりません。

とは言え、感染者数が飛躍的に増加していることや、都内でも感染力が強い変異株に切り替わってきていることなども考えると、それが緊急事態宣言を出すことなのかはさておき、これまでとは異なる、より効果を生むような対策が求められてくることは間違いありません。

しかし、このタイミングで都民や国民に負担を強いるような政策を出すと、必ずネット上で噴出する声があります。

「だったら、オリンピックを中止しろ」

ひとつひとつ科学的に検証した上で、オリンピック・パラリンピックの開催にどれだけの感染拡大リスクがあるのかを正確に示すことはできませんが、一年間、日常的な楽しみを奪われたり、仕事を奪われたりする人が多くいるなかで、「オリンピックは何があってもやります」という態度を貫く政府や五輪関係者を見て、激しい憤りを覚える人がいても不思議ではありません。


私自身は、いまの日本をどうしても戦前の日本と重ね合わせてしまっています。どう考えても勝ち目がなかった太平洋戦争。優秀な人材を集めて設立した「総力戦研究所」のシミュレーションでも敗戦が予測されていたにもかかわらず、「雰囲気」や「忖度」を羅針盤に、誰に責任があるのかもわからないまま戦争へと突入した当時の状況は、いまの日本とかなり近しいものがあるのではないかと思っています。

では、私たちは今回も同じ轍を踏み、「コロナ五輪」へと突き進んでしまうのでしょうか。「コロナに打ち勝った証」として行うはずだったのに、まだ打ち勝った証などどこにも見当たらないなか、強行に開催へと突き進むのでしょうか。

「まあ、そうなるんだろうな……」

多くの人があきらめにも似た感情を抱いているのではないかと思いますが、私はこの先、五輪が中止となる唯一のシナリオがあるのではないかと考えています。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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