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あなたに「こうすべき」とせまる要注意人物はどんな人?引き込まれないための2つの方法

「周りに迷惑がかかる」「みんなおかしいって言ってるよ」「誰がやっていいって言ったの?」などといつも言われて自信を失ってしまいます。自分が悪いことをしているように思えて、積極的になれません。

先日、特に敏感な人(HSP)の方が悩まされる言葉「こうすべき」に対する方法について書きました。

HSP(特に敏感な人)については、こちらに詳しく書いています。

今回は「こうすべき」を使う人の特徴を深掘りし、更にこういった人に引き込まれないための方法について考えてみたいと思います。

この記事で得られることは2つです。
①「こうすべき」と私たちを苦しめる要注意人物はどんな人か理解できます。
②要注意人物に引き込まれないための方法2つを実践できます。

私は、企業の人事部門として職場における人間関係のトラブル、いじめ、派閥争いなどに対し、その解決に向けて様々な人と話し、観察してきました。その中で「こうすべき」を使う人を、大きく2つに分類してみました。

■「こうすべき」押しつける要注意人物とは?

上下関係を常に持ち込む人

まずは「常に上下関係を持ち込む人」です。例えばこんな人です。

○年齢や役職で態度を急に変える
○知識、スキル、資格で上下をはかる
○自分より上か下かを常に見ている。下とみれば態度を変える。横柄になる。呼び捨てになる。逆に上だと思うとすぐに敬語になる。
○自分より下の人に説教をしたがる。
○部下から指摘を受けると、烈火のごとく怒る。議論が出来ない。指摘を人格批判と思ってしまう。


群れたがる人

次は「群れたがる人」です。例えばこんな人です。

○グループで一緒にいること、同調を強要する。離れることを裏切りと感じて非難する。
○共通点をつくりたがる。でも意見が合わないと不機嫌になってしまう。
○共通の敵をつくって、悪口を言う。職場の悪口。上司の悪口、社会、政治の悪口を集まってする。口を挟んだり、同意しないと一気に不機嫌になる。敵と判断されることもある。

皆さんも、こういった人は何人か思い浮かぶのではないでしょうか?

これらの人たちに共通する特徴があります。
自分より弱い人間に狙いをつけます。
職場でいえば新人とか、おとなしい人とか。敏感であまり主張しないHSPの方も狙いをつけられやすいです。
そういう人を暗に支配しようとするのです。

「こうすべき」には隠れた意志「相手を支配する」があります。
支配しようとする理由は、実は不安から逃れたい、自分を何とか守りたいという気持ちがあるからです。
グループをつくりたい、グループに入りたい。所属することで自分の不安をなくしたい。それが動機です。
だから人と繋がろうとするのです。だから優しそうにふるまっていても、実際は人のことを考える余裕などなく自分のことで精一杯なのです。

いくらあなたの事を考えている風で「こうすべき」と言っていても、あなたの事を考えてはいません。あなたを支配するために言っているのです。
だから、近づかない、距離を取る。これが大原則です。
ここにあげたような特徴のある人は、要注意です。そういった人とはすぐに距離を置くようにしましょう。

■要注意人物に引き込まれないためにはどうすればいいか?

しかし相手の目的が支配である以上、相手に追いすがられて、引き込まれる可能性があります。引き込まれないためにはどうすればいいでしょうか?

①自分の不安な気持ちに気付く

自分自身に余裕がないか?不安が高じていないか?を確認しましょう。
もしそうなら引き込まれやすいです。「こうすべき」に影響されやすくなっています。

要注意人物は、不安な気持ちに乗じてあなたの価値観を「こうすべき」で揺さぶります。
「あなたは間違っている。だから上手くいかないんだ」、「だから私の言うことを聞きなさい」というロジックです。
周囲の感情に敏感に反応するHSPの方は、覆すのはなかなか難しいと思います。

だから自分の心の状態を知りましょう。
不安や恐れ、劣等感などがある時は特に注意しましょう。
例えば、新人の時、人に何かを教えてもらう時は、不安が大きくなりやすいので要注意です。

自分の感情をゆっくり観察しましょう。
感情が分からないことはないですか?
子ども時代から感情を出す事を抑えていると、自分の気持ちが分からなくなることもあるのです。
例えばすぐにキレてしまう人。
怒りには気づけるけど、その奥にある不安や恐れの感情に気づけません。

自分の中の小さな声に耳をすませてみましょう。

「本当は怖かった」、「本当は寂しかった」という声が聞こえてくるかもしれません。
心の声に耳を澄ませることで、だんだん自分の感情に気づけるようになってきます。

自分の感情に気付いた後、その感情を和らげたり、落ち着かせましょう。
これをコーピングといいます。
例えばゆっくり深呼吸をすることもコーピングの一種です。
こういった対処方法を身につけると、自分のことも相手のことも冷静に見ることが出来ます。
そうすると、自分の問題と相手の問題とを切り分けることが出来ます。
そして、要注意人物に引き込まれることがなくなるのです。

不安、劣等感などから逃れるために人と繋がるのは危険です。
信頼できる人に悩みを打ち明けることはよい事です。しかし、それは信頼できる人を見極めてからにしましょう。
要注意人物にとって思うつぼなのです。支配に取り込まれる可能性があります。

本当に苦しい時、心身に不調が出ている時は専門家に助けを求めることが大切です。場から離れる、辞める選択肢も常にもっておきましょう。

②「私」を主語にした新しい付き合い方を試してみる

自分の感情に気づき、冷静に要注意人物を見極めることが出来れば、次は「私」を主語にした新しい人との付き合い方を試しましょう。
「私を主語にした付き合い方」とは、自分を大事にする人との付き合い方です。敏感な気質から周囲や相手に合わせがちなHSPの方には、特に効果があります。
例えば、こんなことを意識してみましょう。

○自分の感情や感覚がまず第一。感情に気付き、自分を癒やす。
○相手の感情と自分の感情は別だと意識する。
○相手の感情を受けて自分の感情が影響しそうな時、物理的な距離を取る。
○相手と一定の距離を保ち、群れないけれど、敵にもならない。
○与えられた仕事や役割に集中する。
○多くの人と深く付き合う必要はない。自分で関わる人の範囲を決める。自分に余裕がない時は範囲を狭める。
○「みんなと仲良く」という言説は「こうすべき」であり、気にしない。

私は、この私を主語にした付き合い方は信頼を生むと思っています。
会社は目的集団であり、仕事に真摯に向かい結果を残す人を評価します。
人事の目で見れば、人間関係が仕事の成果に大きく影響してしまう人は評価が低くなります。
私を主語とした付き合いが出来る人は、自分がコントロール出来ていると評価されるでしょう。

この付き合い方を試しつつ、更に自分の好き嫌い、やりたいこと、したくないことを表現してみましょう。
武田友紀さんのHSPの方に向けた本「繊細さんの本」では、このように書かれています。

自分の感情を顔に出したり、意見を言ったり、ときには友達の誘いを断ったりすることで「誘ったら断らないあなた」「なんでも頼み事を聞いてくれるあなた」が好きだった人が離れていく。「あなたの”殻”が好き」という、本当はあなたに合わない人たちが去るのです。
そして、皆が去って行く訳ではなく、友人や家族、これまでの人間関係の中でも「そんなふうに思ってたんだ。どうしたいか言ってくれて嬉しい」と、あなたの気持ちや意志を尊重する人、あなたを大切にしてくれる人が残ります。素の自分を出すにつれて、このように人間関係の入れ替わりが起こり、のびのびと自然体でいられる関係が増えていくのです。

これについては、私は正直まだ自信がありません。
殻をかぶって周囲と戦ってきたという自覚があるので、その殻をやぶることはなかなか難しいのです。
もしかしたら、HSPの方にとっても一番苦手なところかもしれません。
しかし私はこの本で希望がもてました。正直な自分の気持ちを少しずつ表現する。
私も引き続きチャレンジしていこうと思っています。

■まとめ

お話しした要注意人物の見極め方、引き込まれないための方法は、私がHSPの気質をもちながら、職場、社会で生き抜いて来た方法です。

私は「こうすべき」を発する人に対し、「それは誰のための言葉なんですか?」と言いたい。「本当はあなた自身の不安を解消するための言葉じゃないんですか?」とも。
そして「私にはこうすべきは必要ない。自分のことは自分で決める。」と断言出来るのです。自信を持っていいのです。

敏感なHSPの方が職場や社会で感じる生きづらさが、この記事で少しでも解消されることを願っています。

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