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東京都区市町村向け自治体変革PJ-DX研修2021

東京都庁のデジタルサービス局さんと一緒に東京都区市町村研修を実施しました。5自治体1チームを5グループ作成しての、広域自治体かつ、すべての自治体が全5回をフルオンラインで実施です。

毎回のことですが、今回も区市町村ということで100万人規模から町レベルまで混成チームで進めるということを元にトライすることを考えて研修を進めていきました。

1、多くの自治体DX研修が、「座学のみ」であったり「現場に行かないとできない」ということをそもそも打ち砕く
2、今後、広域で進めていくときに必ず場に集まらないとできないでは、スピード感のある改革はできない
3、リアルだと参加している感だけで終わってしまうが、オンラインだと手と頭を動かさないと参加してる感がでない
4、ゴールのすり合わせや、プロジェクトとして進めることの大変さとDXを進める上での価値を体験する

研修自体が、いつもターゲットや状況が違うのだから、アジャイルに対応を変えていかなければ、アジャイルが重要だ!なんて言っても単なる言葉遊びになっています。まずは、自分たちからゴールやチャレンジすることを決めて研修に望むことを心がけています。

研修全体の流れ

2021年10月から2022年2月まで、月に1回のペースでTeamsを利用してリアルタイム研修+グループごとのアクティブラーニングに追加して、その間には宿題としての問いかけや、各自治体での調査を進めることで、あたかも仮想のプロジェクトのような形で進めています。

また、Teamsを使ったことにより、メリットとして、「DXの悩みごと」「DX導入事例」等の気楽に話ができるチャンネルを作ったことにより、自治体間の情報共有や、講師陣からの問いかけ・新しい事例の紹介を含めて研修+アルファの場になっていったことです。長期間進める研修では、チームビルディングも成果を出すための大きな要素ですし、質問したくなる、質問していい場を作ることも大事なこととなります。

ただし、これを受ける方としては、時間外のサポートが多くなるということなので面倒ごととも言えるのですが、この部分を解決してあげなければいつまでも自治体DXやDXマインドを育てることは難しいので取り組みの1つとしています。

研修のキックオフ!


良い評価

・民間出身の自治体職員ですが、オンラインで、自治体でここまで討議する研修を行うのことが新鮮だった。リアルで会うことなく、意識を合わせたりゴールを目指せるようにすることが大変でしたが、今後PJを進めていくうえでも良い経験になった
・DXは、ただの業務の建て増しでなく建て直しであることがわかり、本自治体でも研修によりDX人材の育成を図っていきたい
・いつも心強い、サポート本当にありがとうございました。アドバイスをしっかり受け止めて、自治体の中で活用したい。次年度同様の内容をみんなに実施していく予定。

などなど。多くの方々が、DXを推進していく上でのマインドチェンジや活用の道筋の観点を得てもらい、これからに続けていくことができそうです。使ってもらってこその研修であり、アクティブラーニングなのでこれは非常に嬉しいことです。

改善点

・長丁場の研修のため業務都合(特に今年度はコロナ対応)で出れなかったり、メンバーと宿題ができないことがあった
・オンラインでのコミュニケーションが難しかった

などがありました、前者も後者についても、仕事のやり方の慣れの問題もありつつも、非同期型で研修をするタイミングを含めていくことや、自分たちで前回の振り返りを研修の開始時にいれるなどの工夫も必要かもしれません。

最初にどうしてもお見合いのようになってしまうケースもありましたが、講師からの介入や、いくつかの場の設定のテクニックなども使うことで今回は最終的にはお互いに話して提案書を作るまでに至りました。

方法をゴールや目標に置かない!

「電子申請をする」など施策をどうしてもゴールにおいてしまうことが見掛けられたので、その点は強めに指摘をしていきました。

なぜなら、ゴールに方法を置くと、電子申請をするだと、電子申請を自治体が設置した段階でゴールに達してしまうからです。

これでは意味がなくて、住民が当然使ってくれなければいけませんし、どこまで使ってくれるかも重要なことであるし、それを設置したときにどういう効果や状態になっているかってのを考えてゴールにしなければ、「効果」や「価値」が出ないからです。

電子申請や、ペーパーレスは、もう既にやらなきゃいけないことなのでそれは施策に組み込むことは良いことですが、それを目標に持ってくるのはやめましょう。やるとしても、具体的な業務に落とし込んで、顔の見えるぐらいのレベルの業務内容から、その業務であれば電子申請をどうするのかを考えることが大事です。

電子申請をやった方がいい、悪いの議論をしても、やった方がいいにしかなりませんし、ではどうやるのかというときに、庁内全体のレベルでいきなり考えるとぼやけた内容になってしまいます。サービスデザインの時にも話していますが、原課の職員さんの観察も大事ですし、これは業務コンサルするときに大事なこととして、業務ヒアリングする力とその本質として何のためにその業務をしているのか理解して整理する力をつけていくことが、現場の話を受け入れながらDXを進めていくための第一歩となるでしょう。

各課の単位にDXするところはあり、また自治体間でも標準化してDXする場はある

・業務として行われていることを明確にする力=業務担当者にも必要、デジタル側の担当者にも引き出す力が必要
・明確になったものをデジタルに落とし込む力=デジタル側の担当者と業務側担当者で考える
・横展開や将来的に自治体横断するべきものか考える力=企画力・構成力、これがないと単品バラバラになる
・変革PJを推進する力=プロジェクトマネジメント能力(これは、普段の定型業務では得られない力)

区市町村のみなさん、是非今回体験したことを、現場でもそして自治体間の連携でも活かしてください!自治体DXはプロジェクト推進できる人の数で決まってきます。

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