見出し画像

DX推進は、PJ推進である

DXは一足飛びに行かない、普通にフェーズがある。だからこそ、各フェーズに即した支援が必要となる。というのは、以前書いた概要中の概要の言葉ですが、今回はフェーズ2の部分にフォーカスして記事を書きます。

DXを育てる

価値と効果が出てこそのDX

自治体DX、なんのためにやってますか?
デジタル化や企画だけのDXになってはいませんか?
違うんですよ、企画をプロジェクトにして、導入して・・・そこからが勝負です。ちゃんと効果の刈り取りは計画されていますか、PJとなったときに、ロードマップと効果の試算、指標を作成していますか?

各自治体の計画や予算を見ていると、電子申請を導入します、〇〇を実施しますは多いですが、何年間でどんな効果を出すのか算出されているものが少ない。それは、導入事業になっていて、プロジェクトになっていないからです。そのフェーズを担うところが、②花を咲かせる力を着ける(プロジェクトとして目的・予算・効果・期間・体制を決める)なのです。

DX研修で終わらせるのは伴走型ではない

研修の結果、作業レベルの業務改善が起こっていることはあろう。しかし、多部門を巻き込んだり、ステークホルダーが多い業務改革のたたき台に活用できているものがどれだけあろうか。

DX研修は研修なので、実際の業務まで深く入り込んでというのは難しいのはわかるが、2周目を自分たちで回していくために、何が課題でリスクかをあげ出しておくのは最低限必要である。それがないと、組織的に難しい、なになにがあるから結局できない、となる。

だからこそ、伴走型では実際の次の検討につながる要素をしっかりと組み込んで要求定義を固めていくのである。

受け取った要求定義をPJにしていく

今のところ、袋井市や東京都庁など、筋の良かった提案はPJとして進んでいるが、それでもヒット率は5割程度である(とはいえ、研修から実際のPJになることで考えたら高い方だと思う)。

今回、「②花を咲かせる力を着ける」として、プロジェクトマネジメント支援研修まで進めている藤沢市の事例もお伝えしよう。藤沢市では2021年度では、4チームがプロジェクト化に向けて、要求定義から要件定義、そして今後のロードマップ、中日程、課題解決セッション、関係部門への合意形成、体制、機能の一覧・・・などを進めており、定例会においても報告は各チームリーダーが進捗状況を報告する形で、プロジェクトリーダーとしての力や、他部門への交渉など進めている。

流れとしては、12月〜3月の間でプロジェクト化するのに必要な雛形を提供し、計画を立てて来年度、担当部門が引き継ぎ来年度の概算要求までつながる状態にする形で進めている。自治体変革PJ-DXからの流れで検討を続けている形だ。

我々は全体のプロセスの設計や支援、どうしても、職員同士だと日和ってしまう(安易な方向に流れやすい)ところは本当にそれでいいのか?と問うところ、事務局的な課題/ToDoの取りまとめや報告シート作成などに徹して、検討や決めることは、チームの中で進めてもらう形としている。伴走型というのは、質疑応答に答えてあげることではなく、プロセスや各工程でなぜそれをやるのかしっかりと伝えて、やってもらうことで、自分たちの力にしてもらうことのほかならない。プロジェクトのうちの1つは、自分たちでプロジェクトのロゴを作り、一体感を出して進めているところもある。

今回、4プロジェクト共に一通りの決着がつきそうなので、また全体が終わったらお話しできるように準備しましょう。

DX推進室は、PJ推進室たれ。DX推進員は、PJ推進員たれ

サービスデザインや、システム思考を使った業務デザインも対しかに大事だがそれを形に持っていけるかが勝負である。この部分の力をつけた人材を増やしていかないことは、いつも通り、組織の抵抗やプロジェクトの中で骨抜きになってしまうことだろう。

DXを推進するのではなく、あくまで価値を出す手段としてのDXをプロジェクト内で使いこなせる人に推進役になってもらうのがよい。

そのためには、調整力・計画能力・プロジェクトを引っ張っていく力など、業務デザインとはまた違った力が必要になる。

DXは個人プレイではなくチームプレイ

それぞれの職員のベース知識がついたのであれば、チームで成果が出せるように、サービスデザインが得意な人、システム思考が得意な人、費用対効果や数値を使うのに長けている人、そういう人たちでチームになるのもいいだろう。プロジェクトのマネジメントに長けている人、内部調整が粘り強くできる人、そういう人たちもチームで価値が出せるだろう。このようなそれぞれの個別のタレントの向上を支援するのも大事なことだと思う。

1人の人が全て見ることはできない、だから、どうやってチームを増やしていくのか、どうやって組み合わせのパターンを増やすのか、そういう中期的な観点が人事部門のDXとしても必要な時期が来ている。


そんなこんなで、次回、また時間ができたときに、①芽を出すための力を着けるでは、そもそものビジョンの設定や、内容を書きますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?