節分ぼぼ

働き方改革を「定着させるために」考えること

定着まで含めての働き方改革

もう一つ、働き方改革の取組で抜けている点を考えましょう。ベンダーと交渉し、各部門に説明等々心血を注いだシステムや仕組みになりますが、導入してそれで終わりになっている働き方改革はありませんか?働き方改革では、導入する事が目的ではありません、その結果として何かしらの価値を出すところに目的があるのです。

具体的な例であげると、GISを含めた、自治体内で利用できる分析ツールやデータ基盤などを導入している自治体も多い事でしょう。しかし、その費用と比べて利用率はどうでしょうか?そこから価値を想像できている割合はどのくらいあるでしょうか?それを明確に答えられる方はどのぐらいいるでしょうか?恐らくは、どの数字も分からないというのがほとんどのケースだと思います。このように、鳴り物入りで導入した仕組みが、利用されないがために効果が出ていない事例を数々の自治体で見てきました。

なぜ、このような事が起こるかと言えば、導入の目的が伝わっていないことはもちろんのこと、改革を進めるための計画や意識醸成が抜けているからです(反対派への説得・教育も含めたもの)。ここで必要になってくるのがチェンジマネジメントと呼ばれる意識改革と定着をスムーズに進める考え方です。 

関係者の意識を変えていくこと

・導入前の教育、合意形成
・課題の早期確認

正直、一部部門が勝手にやっても、なかなかみんながOKくれることはないでしょう。
むしろ、勝手に導入すると、えー、説明が増えるじゃないか、質問が来たらどうしてくれるんだ。そんなクレームが内部から来るのが普通です。
だからこそ、システムを考えている最中にも、導入部門への意識変革は非常に大事です。

導入のための計画や調達予算をしっかり立てること

・計画を立てる時に定着までスケジュールに含まれているか、それは教育を含めて

あれあれ、テスト部門のことしか考えていないのではないですか?
同じ仕組みを使う部門多いですよね?そこに説明をしていないとなると・・・
もちろん、集中砲火が来るのは自明の理です。
ちゃんと、早い時期から話を伝えましょう、遅れれば遅れるほど修復の時間がかかりますから。

効果の定着、効果の達成をすること

・何年間で全体に行き渡らせるのでしょうか、その指標を作っているか
・平行稼働で古い仕組みが残していないか
 例えば、手作業での紙申請も許可したままにする、旧システムも利用可能な状態とする
・達成していない理由を確認する

目的や効果をちゃんとお話していますか?
なんのためにやるのかのビジョンが一致していないと、目先の業務が増える(慣れないから)ため協力してもらえず、効果がでないことなどざらにあります。いつから、効果を最大化するか、しっかり話をしましょう。

利用部門の心理的抵抗を和らげる

・自分たちにも価値の出るものということを確認してもらう

自分たちは言われる部門ではなく、君達こそ価値を出す部門であることを話しましょう。
多くの業務改革の失敗は、現場のみなさんが価値を見出せないからです。
是非、自分たちが変わることが価値を出すことということを事前に話せるようにすることが改革のキーになると思います。

計画以上に大事なのは、定着。どうしても、ここを蔑ろにしてしまいがちですが、DXを達成するにはここまで踏み込んでこそです。

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