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NO.2の育て方㉖その認識のズレ、修正していますか?

同じものについて議論や会話をしているのに、どこか会話がかみ合っていない。仕事を任せてみたら期待以下だったという気持ちになる。ナンバー2との間にこんなやり取りありませんか?認識のズレから生じるストレスを怒りに任せてみたり、使えないと呆れてみたりしているとしたら不毛な時間です。

認識というのはその人の知識、経験、価値観、立場、責任で異なりますから、同じものを見ていても違う捉え方をすることはよくあります。

ナンバー2には経営者と同じ高さの目線でいてもらいたい。経営者ならそう思うものですが、そうなるのは難しいことです。なぜなら経営者が背負っている責任の重さを理解できておらず、言い換えれば、当事者意識を持っていないからです。

例えば、それまで経営者が見積書や請求書の確認業務をしていたところ、その業務をナンバー2に任せてみた場合を考えてみましょう。

内容や金額には問題がない、だからOKというように経営者は見ていないでしょう。案件にもよるでしょうけれど、一時的でも立替金が多い。入金サイトが長い。前受け金や中間金などの交渉はしているのだろうか。他に提案できることはないか。こんな視点で見積書などを見てきたはずです。

世の中全般では、円安などの影響で多くの事業では仕入価格も高騰しています。漫然とルーチンワークとして発注業務をするのではなく、交渉や仕入れ先を見直すなど発注ひとつ取っても企業には死活問題になる場合もあります。

事例のひとつとして掲げてみましたが、見積書の確認なんてそもそも経営者の仕事かと思う方もいるかもしれません。けれども中小零細企業では資金繰りに影響することですから重要な仕事のひとつとなっている場合も多いでしょう。

ルールが決まっていれば、作業として内容を確認するのは誰でもできることですが、見積書の確認ひとつ取ってみても、経営者の目線と従業員のそれとは大きく異なります。これもまた認識の違いのひとつです。

ナンバー2といえども従業員は仕事を作業と捉える。経営者は作業の先を見ている。この認識のズレを丁寧に修正しない限り、いつまで経ってもナンバー2が経営者目線で仕事に向き合うことはないです。何も言わなくとも期待以上の働きや対応をしてくれる人材は稀有です。

なぜ経営者はこう考えるのか。その理由を繰り返し説明し、理解させる時間が必要です。ナンバー2のそれまでの考え方を修正しないと期待通りには動きません。

あらゆる仕事を抱え込んでいる経営者は任せてみたけどダメだなと簡単に諦め、結局自分がやらないといけないと思いながら、認識のズレを修正させる時間を惜しんでいるのです。その結果、経営者としてやるべきことに時間を充てることができないという悪循環を自ら作り上げているのです。

最後までお読みいただきありがとうございます。