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僕が診断士を目指した理由

「修善寺地域診断プロジェクト」に参加しています。

先日、その母胎となった「南伊豆応援隊(元「南伊豆町地域診断プロジェクト」)にも合流しました。

まずはこれらのプロジェクトで成果を出すことが先決ですが、先々は他の地域の支援にも取り組みたいと考えています。

地方の支援をするというと共鳴してくれる人がいる一方で、不思議がる人も多くいます。東京で機会はたくさんあるのに、わざわざ地方に行く必要があるのか、と疑問をもたれるようです。確かにそう思われるのもわかります。ただこの活動は僕が診断士を目指した動機と関わっているので、合理的な理由だけで説明はつかないのです。

■勤務先の仕事のために勉強を始めたけれど

診断士を取ろうと最初に考えたのは、勤務先の仕事に活かすためです。いまの勤務先は約10年前に中途入社したのですが、当時の社長から
「代替わりしたあとは、後継者のブレーンになってくれ。そのためにお前を取った」
と言われていたのです。と、ここまでならかっこいい話かもしれませんが、これには続きがあって
「じゃなきゃ、お前のことなんか入れてない」
と言われました。ですから、なにかしないとお払い箱にされかねない、と危機感を持ったのです。

業務や業界のことは、長く勤めている人にかないません。どこにかに隙間はないか探したところ「経営」そのものを助けられる人はいないように見えました。ここが狙い目だと思い、経営が勉強できるだろうということで診断士を目指したのです。2009年9月のことです。

しかし、勉強はうまく進みません。いつまでたっても点数は伸びないし、財務・会計や経済学にいたっては足切りレベルから浮上もしません。当然のごとく2010年の試験は撃沈。

翌年は、テキストもあることだし独学でやろうと考えたのですが、2ヶ月で挫折します。いろいろ他にやりたいこともありって忙しくなった、というのもあるのですが、そもそも僕の性格で独学は無理。独学で合格した人は本当に尊敬します。いやマジで。

この時点で僕の中では、9割方、診断士試験を受ける気持ちは失せていました。そうして2011年3月を迎えます。

■東日本大震災を超えて

1992年から2005年まで、宮城県に住んだ4年間を含めて、ずっと東北に関わる仕事をしていました。大きな被害が出たほとんどの地域に行ったことがありました。リアルに知っている街並みが流されているのを見るのは、本当に衝撃を受けました。

普段はそんなことを考えることもないのですが、このときはさすがに
「東北のためになにかをしないといけない」
と思いました。

とはいえ、何が出来るかまったくわかりません。とにかく現地に行こうとボランティアツアーに参加してみたこともあります。瓦礫の撤去が主な仕事で、それはそれで意味の活動だと思いましたが、近い将来、別な支援が必要になるとは感じました。より具体的な経済を回すための支援です。そのとき
「もしかしたら棚上げしてある『中小企業診断士』の資格が役に立つかもしれない」
と思いつきました。そこで勉強を再開したのです。2011年10月のことです。

前とは違い強い意思があったからか、再開後は1年で合格できました。

■診断士になって

つまり僕は、東北の復興支援に関わりたくて診断士を目指したのです。

合格してから約7年、診断士登録してから6年、その間何をしてきたかを振り返ると忸怩たる思いがあります。イノベーション東北のつながりから、少しだけ東北の関係の支援に関わらせてもらいましたが、十分な貢献が出来たとはとても思えません。

一方で、まともなスキルもノウハウもないまま、想いだけで走っても成果は出せないとも思います。それはこの6年で嫌と言うほど感じてきました。想いは大事です。すべてはそこから始まります。しかし、想いだけは超えられないものがある。裏付けとなるスキルやノウハウは必要なのです。だから、この6年は自分の診断士としてのスタイルを確立するための時間だったのだと考えるようにしています。

このタイミングで地域支援のお話をいただけたのは、そろそろそうした問題に取り組めとの天の声だと思っています。学生のころ、なにかと遊びに通った伊豆半島でこうした機会を得るのもなにかの縁だと思います。ちゃんと成果を出して、その経験を東北へ、また被災地一部であり、僕が中高を過ごした茨城に還元したいと思っています。そこで結果を出すことで「この6年は自分の診断士としてのスタイルを確立するための時間」だったと心から思えるようになるはずです。

■好きか嫌いか

こういう話をすると「社会貢献が云々」となりがちですが、僕の中ではそんなことはほとんど考えていません。僕が好きな街、僕を育ててくれた街、そうした地域に何らかコミットしたいと思っているのです。あるいは、経済合理性から復興が遅れている地域を切り捨てる風潮が嫌いなのです。だから想いが持てる地域しか関われないだろうなと思っています。

もちろん先に書いたように、想いだけでどうにかなるものではありません。想いを達成するための力が必要です。ですから、たとえ牛歩のようなスピードでも、診断士としての実力を高める精進を続けていこうと思います。

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