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診断士二次試験合格のためにやったこと

一次試験が終わって一週間。今週末から二次対策を始める方も多いのではないかと思います。

ということで、数年前に書いた記事に、若干の加筆を加えて再掲載します。僕自身の経験談です。
ここに書いたことをやれば合格できる、なんとことはありません。それどころか真似しない方がいいと思います。でも「これでも受かる」と思ってもらえるなら再掲載する意味があるかなと。

最後まであきらめない。その気持ちこそが大事だと思っています。

■クラウド状態

出身校(TAC)のガイダンスフォローに入ったりすると
「二次試験の勉強はどんな風にしましたか?」
と聞かれることがよくあります。

たぶん、初めて二次を受験される方の中には、
「なにをどうやっていいかわからない」
という人もいるのではないでしょうか。当時の僕はさっぱりわかりませんでした。まさに「クラウド状態」。何も見えない雲の中に放り込まれたような気分でした。

ですから、自慢できるようなことは何もしていないし、正直に言えば、僕の真似をしたら落ちる可能性が大ですよ、と言いたいところではあるのですが……

でも、少しでも参考になり励ましにもなれば、ということでできる限り正直に書いてみようと思います。

■8月をムダにして

僕が実質的に2次の勉強を始めたのは9月に入ってから。正式に1次試験通過の案内が届いてからです。

1次は自己採点で受かってはいるだろうと思っていました。だから早めに2次の対策に入らなくてはと思っていたのですが、なんとなくやる気が出ない。燃え尽き症候群のようになっていて、体調も悪くて、次に進んでいこうという意欲がわいてこなかったのです。

TACの演習は受けていましたが、まるで手ごたえがない。点数も全く取れない。20点台を連発していたと思います。当時
「二次の勉強ってクラウドだよね」
なんて会話をしていました。
「11週間で突破できるわけないよな」
「来年、1次からやらなくていいのは助かるな」
くらいの雰囲気でした。

それでも実物の一次の合格通知を目にして、やれることはやろう、と気分を入れなおしました。

■与件文の中に根拠を求める

最初に決めたこと、というか、結局、最後まで心がけ続けたことは一点しかありません。
「すべての解答は、与件文の中に根拠を求める」
俗っぽく言えば
「小論文ではなく現代文を解くような姿勢で臨む」
この一点だけです。

点数をつける試験である以上、必ず正解があります。だとすると、過去の分析については必ず与件文の中に根拠があるはずです。そして将来のことについても、与件文から論理的に、合理的に推測できる答えがあるはずだ、と考えました。ジグソーパズルのピースを埋めるように回答を作ろうと心がけました。

そのために、浪人時代に使った現代文参考書を引っ張り出して、ペラペラと読みました。本当は問題まで解いて感覚を取り戻したかったのですが、さすがにそんな時間はなかったので。(言語論だの文芸論だのを読んでる時間がもったいなかった)

毎日、事例Ⅰ~Ⅲの過去問を1年分ずつやる、という計画でした。でも、飲み会があったり(苦笑) 仕事も1次前に手を抜いたつけはまわってきていたし、ということで予定通りには進みませんでした。

■恩師の言葉に励まされ

そして忘れもしない、9月22日。TACの最終講義の日を迎えます。その最後で、恩師である遠藤先生がこういわれました。

「二次に進む人は是非考えて欲しい。合格したあなたたちの陰で涙した人がどれだけいるのか。その人たちの分の想いまで全てを背負って試験会場へ行くべきだ。そう考えれば残り1か月でやることも変わるはずだ」

そうだった、と強く思いました。

教室講座に通っていてよかった、なんだかんだ一緒に勉強したり酒飲んだりした仲間がいてよかった、と思ったのです。

次の日、熊野本宮大社に行く用事があって、まあ、予定通り行ったわけですが(苦笑) そこで熊野本宮の本殿でコミットしてきました。

「最後まで手を抜かず魂を込めて答案を仕上げてくる」

熊野から戻ってからは、ほぼ毎日、当初立てた計画通りのペースで勉強ができました。朝80分で1題解答を作り、帰ってきて120分、振り返りをする。これを前日まで続けました。

■自然体ではやらない

感触がつかめたのは本番2週間前の直前オプション講座。初めて自分なりに納得のいく答えが書けたし、点数もまあまあというところまできました。
「ひょっとするとひょっとできるかも」
と思いました。

そして前日。再び遠藤先生から心強いメッセージが届き、テンションあげて当日を迎えます。

当日の朝、確認したことは
「すべての根拠を与件文に求める。自分の意見を書かない」
ということだけ。
そして、自然体ではやらない。魂込めて答案を書きあげてくる。それだけ考えて本番に臨みました。

そして、結果、合格ということになりました。

■あきらめるのは合否の通知が届いてから

ということなのですが、もし参考になればいいな、とは思っています。思っていますが、全面的に真似はしないでほしい。

よく読むとわかりますが、僕は事例Ⅳ(財務・会計)の対策を何もしていません(苦笑) それで受かるというのは、ラッキーすぎるほどのラッキー。とても運が良かったと思っています。難しすぎて差がつかなかった、というのが実情のようです。

ただ、逆に言い方をすれば、事例Ⅳに固執し過ぎるはやめた方がいいです。他の事例に比べて1次との関連性が強く、何をすればいいかわかりやす部分があります。そのため、ついつち事例Ⅳ対策に集中してしまう方がいるのですが、過度にならないように気をつけたほうがいいです。

財務会計が特別に得意だ、という人を除けば、基本的なことだけは押さえておいて、あとは他の事例に注力するのも一つの手だと思います。

その上で、最後まであきらめないこと。

あきらめるのは試験が終わってから、いや、不合格通知が届いたからでも十分間に合うのですから。


■お薦め書籍

一番参考にしたテキストは、結局これでした。予備校の模範解答も参考にしましたが、80分で書ける内容、と考えると、レベルが高すぎます。

現実に合格した人がどのレベルの答案を書いていたのか、自分との差を確認する意味でも、この本は参考にしたほうがいいと思います。

あと、事例Ⅱ(マーケティング)に関しては、次の2冊は読んだ方がいいです。というか、必読書とも言えます。受験が終わってからも役に立つので、ぜひ手元おいて読んでみてください。

■受験から6年たってからの振り返り

基本的な考えは変わりません。ただし、やっぱり事例Ⅳ(財務会計)は、もっときちんとやっておくべきでした。合不合の問題だけでなく、実務に向き合うとき、財務に苦手意識が強いといろいろ不都合があります。

得意とまではいかなくても、苦手意識を払しょくしておくに限ります。

あと、2次を受けられる人は選ばれし人です。チャレンジしたくてもできない人がたくさんいます。その贅沢を存分に味わってほしいと思います。

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