見出し画像

リモートワークと工場業務

毎日、会社に出勤している。緊急事態宣言が出て、リモートワーク(在宅勤務)が当然のような流れができつつあるが、出勤している。

■リモートワークの実現にむけて

勤務先では、昨年から少しずつリモートワークの実施に向けてプロジェクトを動かしてきた。ただ、もっと時間がかかる、5年くらいのスパンで考えないとうまくいかないだろう、という前提だった。それがこの新型コロナウイルスの感染拡大にともって、急ぎ対応しないといけない話になった。

もともと「最初にやるならこの部署だろう」というところから始めている。そして、自分がいる部署、つまり経理部は、そう簡単にはできないだろうと考えていたが、できることがある、という感触はつかめた。週2回在宅勤務も可能だろうと思っている。

しかし、今言われている「エブリディリモートワーク」「非常事態宣言が明けるまで在宅勤務」と言われるとまず無理だ。
まず、社内のスタンプラリーを廃止しないといけない。そして、社内書類をすべて電子化しないといけない。ここまでできれば週3回までいけるかもしれない。人によっては週4回も可能だろう。
ただ、ここから先は、社内だけの問題ではないので、いろいろ難しい点がある。

協力会社の多くは必ずしもIT化されていないところが多い。連絡はFAXという会社もまだ多いのだ。こちらから送るのはWEBからでもできる。しかし、受信はできない(最近はできるような機種も出てきているのは知っているが、まだ勤務先には入れていない)

さらに、郵便物問題がある。たとえば、省庁や業界団体からのアンケート依頼は郵送で来る。回答はWEBでできるのだが、アクセス先は郵送物に書いてあるのでそれを見ないとURLがわからない。
だから、誰か一人は出勤していないといけなくなる。この先を考えるとこうした点には対策を考えないといけないと思う。


さらにもっとやっかいなのは「判子文化」だ。
社内のことなら、廃止すれば済む。方法もいろいろあり得るだろう。しかし、取引先や金融機関が相手だとそうはいかない。実際、この期に及んで、請求書の角印をデータではなく朱肉を使って押したものでないと受け取れない(つまり金は払えない)というところもあると聞く。契約書もそうだ。民法上、捺印には何の意味もないのにそれを求めてくる。有事においてもいままでの習慣を変えようとしないのである。

変わろうとしているところもあるにはある。ある銀行は、「既存取引先については印鑑なしでも話を進めてOK」となったと聞いた。変化にどういち早く対応するか。僕は、こういう銀行と付き合いたい、と思った。

ということで、自分自身に関しては、やれる可能性は広がったけど、まだテレワークに移行できていません、というのが実態である。

■テレワークができない現場

とはいえ、勤務先が印刷会社であることを考えると、どこまで行ってもテレワークができない部署は残る。当たり前だが、工場だ。テレワークで印刷機が動くわけではないのだ。

最近の「テレワーク万歳」派は人たちの言い方に、カチンとくることがある。在宅でも必要ものはAmazonが届けてくれるし、本を読むチャンスでもある、という話。

危険を冒して物流を担ってくれている人に対するリスペクトがないのが第一だけど、そもそも届く荷物、日常品であれば書籍であれ、それは誰がどこで作っているのか、ということだ。家の中で作れるものなどほとんどない。

いま勤務先の工場で働いている人たちは、それなりのリスクを負って働いてくれている。それに対して感謝の念がなくなったら終わりだと思っている。

僕の場合、自分が感染した場合の会社のリスクを考えると、できる限り危険を避けたいと思っているし、自分が考えてきた働き方改革の方向へ動かすチャンスだとも思っているので、何らかの形でリモートワークは実現したい。
しかし、工場が稼働している限り、100%リモートワークへ移行させるつもりはない。たとえ可能になってもやらない。自己満足かもしれないけど、それが、自分が置かれた立場でも矜持だと思っている。

*そもそも僕はリモートワークに向いていないと思っている。この動画で山崎さんが言う「リモートワークに向かない3タイプ」、全部に当てはまる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?