インタビューという技術の深淵を覗いてしまった
小説家の真山仁さんが主催する記者向けのシークレットな私塾「真山塾」という場があるのだが、真山さんと親しくなってから毎回出席させていただいている。
取材方法やインタビュー手法、記事の起こし方など、メディアに関係ない僕にとってもめちゃくちゃためになる場で、とても勉強になっている。
先日はインタビューを通じて相手の本音を深掘りするためのトレーニングをやったのだが、インタビューというスキル体系の深淵をチラッと覗いてしまったと感じる体験をした。
その話をしようと思う。
トレーニングは極めて簡単。
2人がペアになって15分、お互いの仕事について聞きながら、「今抱えている問題」「これからチャレンジしたいこと」を明らかにしていく、というものだ。
そして、僕がインタビューを受ける側だった時に、事件は起きた。(大げさw)
繰り返すが、インタビューの質問は、「今抱えている問題」「これからチャレンジしたいこと」だった。
そして、その場で何が起きたかというと、僕はなぜか自分がちっとも問題だと思っていないこと、チャレンジしたいと思っていないことを、あたかもそれらしく話してしまったのだ。
もちろん、全くの嘘を語ったわけではない。
ありそうなストーリーではあった。
しかし、本当にそれをやる可能性はほぼゼロに等しい。
インタビューの最後の方では、「俺はなんでこんなことを語っているのだ?」と話ながら自分でも疑問に思ってしまうくらいの内容だった。
インタビューには真摯に臨んだつもりだ。別に適当に語ろうと思ったわけではない。
しかし、語っていくうちに、本心ではないことを話してしまっていたのだ。
なぜそんなことになってしまったのだろうか。
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