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加藤和樹さんに仕事の相談に乗ってもらった話


突然ですがわたしは、加藤和樹さんという
俳優・歌手・声優とマルチに活躍されている、
とてもイケメンで菩薩のような性格の
36歳の男性を応援しており、
ファンクラブにも入っております。

そんな彼は今全国ツアーをしており、先日
遠征がしづらいご時世でもわたしが行きやすい
土地に来てくれたので、会いに行ってきました。

全国ツアーと言っても、コロナ禍ですから
客席の間隔を空け、最前列はフェイスシールド着用。
1回の公演は70分程度で、弾き語りなどを数曲と
換気を兼ねたトークタイムといった内容になっています。
本当はライブハウスでガンガン盛り上がっていきたい
ところですが、まだまだそれはできません。

そのトークのコーナーで、和樹さんが
ファンからの質問や相談に答えてくれるというので、
わたしも送ってみました。

わたしが送った「相談」がこちら。(要約)

「仕事で新人の教育係を担当しているのですが
 アメとムチの使い分けがうまくいかず、
 叱ってばかりです。
 職場の皆様は優しい方が多いので
 一人くらい厳しい人がいてもいいかと
 思っているのですが、厳しいばかりでは
 新人が委縮してしまいそうです。
 うまくバランスをとるには
 どうしたらいいでしょうか?」


読み返してみると、我ながら
応援している歌手のライブの1コーナーに送る
相談メールにしては重い内容です(笑)

だけど、締め切りが迫っている中で
「せっかく自分のメールを読んでもらえるかも
 しれないなら何か送りたい!
 わたしが今相談したいこと…悩み……」
とハクハクしながら考えた結果だったのです。

そして、それを幸運なことに読んでいただきました。

       *

この4月から、仕事で新人の教育係を拝命し
最初のお世話からはじまり実際の実務の指導まで
ここまで数か月取り組んできました。

「就活は、楽しい。」をリアルタイムで
読んでくれていた方がいたら、
ああもう後輩指導なんてしているのね、
なんて思ってくれるかもしれません。
というか、わたしが一番そう思っています(笑)
「もうそんなところまで来てしまったか…」と…

実際取り組んでみると、悩むことだらけ。
新人が悪いということでは決してなくて、
「わたしはどうするべきなのか?」
「どう言えばよかったんだろう?」
という、自分の行動に対する悩みです。

わたしが新人の時は、面倒を見てくれる教育係と
実際に仕事を教えてくれる先輩は別の方で、
教育係の先輩はわたしが何をしても
ひたすらよしよしとかわいがってくださり、
仕事を教えてくれた先輩はわたしがミスをすれば
きっちり叱ってくれる先輩でした。

ところが、わたしの場合その両方を担わねば
ならなくなってしまったのです。
職場の状況的にそうせざるを得なかったのですが、
「天使」と「悪魔」の両立。「アメ」と「ムチ」の使い分け。
それがわたしに付きまとう悩みのタネでした。

       *

この質問を送っておきながら、
「和樹さん言ってもずっと個人事業主だしな!
 事務所の後輩とかもそんなにいないし、
 答えに困っちゃうよねー!ごめんなさーい!」
と思っていたんです(笑)

そしたら彼は
「僕もかつてMドナルドで働いていた時に…(笑)」
とまさかの実体験から入ってくれました。

彼は上京してから仕事が軌道に乗るまで
Mから始まる某有名ファストフードで
アルバイトをしていた過去があります。
跡部景吾としてラケットを振っていた時も、
仮面ライダーとして戦っていた時も、
彼はスマイルを0円で売っていたわけです。

そのバイト時代、スタッフのリーダー的な
ポジションをしていて、後輩指導もしていた、と。

こんなファンの決して面白くはない相談に、真剣に
答えてくれる中で、和樹さんが一番はっきりと仰ったのは

「周りが優しいから自分は厳しくてもいいかという
 考えは捨てた方がいいかもしれないですね、うん」

という言葉でした。

わたし、これが一番衝撃的で。
今まで上司や本部の研修担当の方など、何人かに
新人の指導について相談してきましたけど、
そこについては「いいんじゃない?」という
回答を概ね得ていたからです。

というか主な悩みは
「アメとムチのバランスをうまくとるには
 どうしたらいいか?」
ということで、そこを突っ込まれるとは
思ってもみなかったわたしは、
聴きながらとても動揺してしまったんです。

「新人って誰もが通る道で、
 自分もそういう時代があったわけで。
 『なんでできないの!』とか僕も親に言われたこと
 ありましたけど、なんでできないのかを
 教えてほしいわけで。
 なんでも頭ごなしに叱るのはよくない。
 でも、人を育てるって難しいよね。」

というのが和樹さんのくださった回答でした。

ひとつ和樹さんの言葉に反論するとすれば、
わたしは敢えて「怒る」ではなく「叱る」
という言葉を使っています。

新人のできなかったことに対して
「なんでできないの!」と言ったことはないし、
そこは一番気をつかっているところではあります。
できるはずのこと、何度も教えたことをできなかった、
やらなかった時に「叱る」ようにしています。

けれど。

周りの皆さんにそうやってわかりやすく叱る人が
あまりいないから、一人くらいそうやって言う人が
いないと、新人がダメになってしまうのではないか。
そう思ってやってきたことに対して、初めて
「やめた方がいいと思う」という言葉をもらったことに
とてもドキッとしたのでした。


実際、こう言われたわたしが、この先
新人に対するスタンスを変えるかと言われると…
ほとんど変わらないとは思います。

やるべきことをやらなかったときは叱ります。

でも、意識を変えるとするならば
それは周りが優しいからとかじゃなくて、
わたしと新人、1対1の関係の上でやること。

実際、新人なりに最近は成長してくれて、
わたしが叱ることも減りました。
だからあとは、わたしがもう少し
アメの部分を増やす努力をします。
というより、普段はアメで、ムチを打つ時は
ただ打つのではなくて
打つべき時に理由をもって打つ。
というのが理想かな。
そしてそれが、和樹さんがくれた回答と
自分の折衷ポイントだと思います。

        *

和樹さんの回答を俯瞰して見ると
根がとっても優しくて人を嫌いになることがない
和樹さんらしい回答だなあと思います。

貴重な時間を割いて、わたしの相談に
真摯に答えていただいて、新たな考えをくれたこと。
感謝の気持ちでいっぱいです。
好きな人に、「人を育てるって難しいよね」と
言ってもらえるだけで、だいぶ心が救われました。

来年は仕事でまた大きな節目を迎えることが
決まっていて、今からちょっと心労もあるのですが
また和樹さんに会うためにも、もうちょっと
頑張ろうと元気をもらえたのでした。


やっぱ娯楽って大事だなー!

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