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ポケモンカードは子供にとって善きものなのか?〜ポケカと子供の関わり方について〜

 11月に入って、まずはゲームの剣盾がやってくる足跡がします。うちのゴブもあと10日しっかり宿題続けられれば始められるはずですが・・・どうなることやら。

 さてカードの方も月末に構築済みが発売となり、新環境、新レギュレーションがスタートです。そしてこのタイミングは新たにカードを始める人が増えると思われるので、勧誘のチャンスでもありますよね!子供達もクリスマスプレゼントやお年玉で手に入れて、遊び始めるに違いありません。

 ただ子供にポケカをやらせることについて無条件で賛成!という風には考えられなくなってきてしまいました。その経緯などをここにまとめておこうと思いますので、皆さんの(優しい)ご批判をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 最初に書いておかなければいけませんが、この内容は自主大会などを精力的に開催されている方々や、お子さんと一緒に頑張っていらっしゃる親御さんたちを非難する意図は一切ありません。それぞれのやり方があると考えています。そこはご理解ください。

小学生とポケカ

小学生にとってポケカってなんなんでしょう?多分本人たちにとっては鬼ごっこと同じ遊びの一つでしかないと思います。ところが親の視点からすると・・・

・頭脳的なゲーム
・集中力を養うことができる
・コミュニケーション能力が鍛えられる
・対戦のマナーなど、社会性を学ぶ機会がある

など、こういうことを学んでほしい!という内容が盛りだくさんであり、親が積極的に関わりたいと感じる理由だと思います。実際そのような親御さんたちに小学生プレイヤーたちは支えられています。

 しかしTCGというものはそもそも大人向けにデザインされたものであり、次のような側面があることも忘れてはいけないと思うのです。

・カードを揃えなくてはいけない
・新カードが定期的に加わる
・販売方法がパックというランダム方式
・デッキレシピ・環境読みなど情報が大事

 これはとても小学生がどうこうできる問題ではないので、親の関わり具合によって大きく格差が生じたり、射幸心をやたら煽られるというあまり望ましくないことが付いて回るわけです。勝負がつく遊びですから、負け続けたらもちろん楽しくない。親のバックアップがある子とそうでない子ではおそらくほとんど勝負にならないでしょう。

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どうして勧誘するのか

 僕らはうんざり会という初心者歓迎な大会を、楽しくポケモンカードで遊ぼうという趣旨で開催してきました。ガチもユルもそれぞれのやり方で楽しめる会ができたのではないかと、勝手に思っていました。もちろん子供達にもできるだけジムバトルなどで声をかけたり、チラシを配ったりして勧誘し、遊びに来てもらっています。

 なんで子供達にも来て欲しかったかというと・・・

・対戦の場を提供して、対戦を楽しんでもらいたい。
・大人・子供も一緒に遊びたい
・できればちょっとずつ強くなってもらいたい
・いつかは大会などで活躍するようになってもらいたい。
・ポケカを通じて社会性・コミュニケーション能力などを磨いてもらいたい。

特に僕は子供達と対戦するのが大好き!「1回だけ攻撃待って!」とか「コインもう一回投げていい?」とかおしゃべりしながら対戦して、勝った時の子供の笑顔を見るのがサイコーなのです・・・

こんなことを考えていたと思います。

勧誘すると実際に起こること

 最初はポケモンごちゃごちゃデッキで遊んでいた子たちも、周りの上手い人・子供のデッキに影響されてしっかりしたデッキになっていきます。僕らも頑張ってティーチングしたりしますし、お父さんもカードを揃えてくれます。その結果、学校の友達などはつまらなくなってやめてしまうことがほとんどじゃないかなと思うのです。

 さらには大人の光ったデッキを見て、光ったカードを欲しがったり、パックを開けたがったり、弱いカードをバカにしたり・・・。

 もちろん全ての子がそうであるわけではありませんが、ここまで誰も悪くないはずなのにポケモンカードをできるだけ多くの子たちに遊んでもらいたいという願いとは反対の結果になってしまっている・・・。

 ここで上の子供達を勧誘してきた理由をよく見直してみると、これって全部既存プレイヤーまたは親や大人のエゴに過ぎなかったんじゃないかと思えてきてしまったのです。

 僕が子供達と遊びたいために、強くなって大会で勝つのを見たいがために、ポケカでいろんなことを学んでほしいという願いのために・・・

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個人的にうらやましい遊び方

 話はちょっと変わりますが、ポケカブーム以来いろんな新規プレイヤーが加わって本当に楽しく遊んでもらっています。

 その中で(元)ケンコー生という僕が大好きな集団がいるんですが、彼らは7、8人集まって「ちょっとやってみるか?」って感じで高校時代に始めたようです。バイトしてる子も結構いましたが、それでも大した収入ではないので、お互い交換したりうまくやりくりしてデッキを作り始め、数ヶ月ほどでどんどん強くなっていきました。

 休日に誰かの家に集まって騒いだりゲームしたりしながら、カードの対戦やデッキ作りをしているようで、本当に楽しそうでした。今では社会人になっていますが、休みのたびに各地から帰ってきて同じように遊んでいるみたい。収入と情報収集力も増して、相当な強者チームに育ちつつあります。

 これ以外にも大学生や社会人でも同じようなノリで楽しく遊んでいる人たちがたくさんいます。もちろん親の援助なんかはないし、遊び方も自分たちで決めている。

 一度これを見てしまうと何か小学生たちの遊び方が歪んで見えてしまうのです。多分大人が絡まなければ、友達同士で500円デッキそのままだったり、ポケモンだらけのデッキだったりで勝ったり負けたりを繰り返し、少ないカードをやりくり・やりとりしながら遊べたはずなんじゃないかなと。

 多分ポケカ初期の大ブームの頃はそういう遊び方が一般的だったんじゃないかと思います。デュエマは今でもこんな感じで小学生たちに遊ばれているようです。

実はやったほうがいいかもしれないこと

 こんなことを考えながら今思うのは、小学生たちには遊び方だけを教えて家に返すのが「ポケカの裾野を広げる、タネをまく」という意味で大事なんじゃないだろうか?下手に集めて大人の世界を見せるのはむしろマイナスなんじゃないかな?ということです。

 例えば学童でのポケカ教室、イオンやヨーカドーなどでの催し物としてのポケカ初めて教室のようなものを新弾発売(できれば構築済み発売のタイミング)ごとに定期的に開催して、遊び方だけ覚えてもらって、あとは家でお父さんお母さんや兄弟、友達といい加減なデッキ・ルールで遊んでもらう。飽きたら卒業して、また大人になって自分でカードが揃えられるようになったら帰ってきてもらうのが全体としてはいいんじゃないか?

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全国大会

 全世界的にe-sportsの事業化というブームもあり、英才教育的なポケカとの関わりというものが肯定的に捉えられています。ポケカ全体の競技化という流れもあります。そういう意味で今親子で真剣に取り組んでいらっしゃる方は素晴らしいと思うし、頑張ってもらいたいという気持ちはあります。

 でも大多数の子供達の事を思うと小学生に競技・世界を目指せというのはどうなのかな?というのが個人的な感想です。世界を目指すために日本中で開催される全ての会場に参加することが強いられていたり、ちょっと負担が大きすぎる。CLなどガチ大会のジュニア部門はなくていいんじゃないかと今は思っています。

 実際CLのジュニアの参加数はすごい勢いで減少しているようですし・・・

 もし小学生に大会参加させるなら、ポケモンカードGBのようなゲームを使い、カードを揃えるという負担と格差をなくすようにするとか、カードプールを変えたり専用カードを別に作るとか工夫が必要なんじゃないかと思う。

まとめ・謝辞

 これまで僕らが一生懸命取り組んできたことと結論が反対になってしまうのは、ある意味情けないし残念な気持ちもします。もちろん間違っている可能性も高いです。でもせっかくのブームの中で、やっぱり本当にポケカは子供にいいものなのか?集めて大会をやることがいいことなのか、冷静に考えるいい機会なんじゃないかなと思います。

 繰り返しますが、この話は今多くの方が取り組んでいる普及活動を批判するというような気持ちは微塵もありません。それぞれのやり方でそれぞれの活動をするべきだと思うからです。またお子さんと一緒に遊んでいるお父さんたちを非難するものでもありません。親として子供のことを思う気持ちは大切なことですし、それぞれの形でその思いを表現していくべきだと思います。

 さすがに今回の話は共感を得られることをあまり期待していません。できれば多くの批判をいただけたらと思います。いろんな角度での物の見方があると思いますし。

 一緒に夜中の1時までこんな話に付き合ってくれたAcute氏に感謝します。またやりましょう!

P.S.

 こんな話をしていたら、あばれる君の大会が発表されました。

・公式の方も格差について考えるところがあるらしい
・このような大会をできるほどの内容の構築に違いない

という意味でとても嬉しかったです。

 できれば賞品があまり豪華でないことを祈ります。

よろしければコメントを📝いただけると、さらに喜びます! どうもありがとうございます。