囀り

ありあわせの嘘でしか運命を語れない
朽ち果てたからだ 精神が浮かんで見ている
最後に。って、話す校長の挨拶は長かった
愛してる。って、泣いたはずのあなたは存在しない人だった

暗がりで服を脱いで 眼を閉じて
耳をふさいで
こころを殺して
さぁ、一息。深呼吸で消えるわたし

死にたかったわけじゃない 消えたかったんです

理科の実験、水中に消えたアンモニアの気体のように
かげもかたちもかおりもなく
さいしょから いなかったよね わたしたち

小さな熱い手のひらが
わたしの指先をつかむ
にこりわらって
消えないね 罪に砂場の砂掛けて
穴掘り
沈む
ゆがむ
地形
夕日
にやり ほほえんで
滑り落ちる いま 現世で
足元が崩れ
流れ
おちる
いま

#詩 #現代詩 #自由詩

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