見出し画像

概念と表現について

概念とは、見たり聴いたり感じたりしたモノ、コトを、抽象化して思考のベースとなる形に意味づけしたもの。 概念と表現の関係について考えてみました。

1.表現における概念

音楽やイラスト、映画、小説、お笑い、スポーツなど、あらゆる表現は、それを鑑賞する人々がすでに知っているであろう ”一般的な概念” というものを想定して、その”一般的な概念” を前提として表現されているんじゃないかと思う。

何か”新しい概念“を表現したい場合でも、基本的には、その”一般的な概念”を前提として、それに対応するものとして、”新しい概念”を表現していくんだと思う。

2.新たな概念を前提とする表現

一方で、前提となる”一般的な概念”そのものを”新しい概念”に置き換えて、表現をするという場合もある。例えば、はじめに前提となる”新しい概念”を提示し、次にその新たな概念を前提としたものとして”そこから生まれる概念”の表現をしていくという場合。
SFの擬似イベントや、実験小説のように、”作品の中だけで成立する新しい概念”をはじめに提示して、その概念を前提として、物語を展開していくようなものがそれにあたる。

3.表現は概念の対比で生まれる

ここまでで説明した”一般的な概念”を前提とする表現も、”新しい概念”を前提とする表現も、いずれの場合でも、”前提となる概念を想定して、それに対する概念を提案する”ということで表現は生まれていく。
つまり、表現とは、鑑賞者が持っている(または作者が与えた)概念と、それに対する新しい概念の対比によって生まれていくのではないかと考えられる。

4. 前提となる概念によって、作品の感じ方は変わるか

表現が概念と概念の対比によって生まれるものだと仮定すると、前提となる概念の捉え方が異なれば、表現の感じ方は人それぞれ変わってくるということになるんじゃないか。

つまり、前提となる概念は、ある一定の文化的背景や知識をもっていることをベースに”前提”として設定されるわけだけど、それは国籍や時代、環境、個人の感じ方などによって、実は人それぞれ感じ方が違う概念なのかもしれない。

例えば、海外の作品を日本語に訳した場合、それは同じ前提の概念を共有しているとはいえないかもしれないし、作品が作られた時代もそれに影響してくる可能性がある。

そういった意味では、もしかするとSFのように、作品の中で新たに前提となる概念を提示した上で進む表現、特に作品のなかでのみ自己完結するような”誰にでも再現できるよう最低限の要素で構成された概念”をベースに話が進んでいくような表現は、よりユニバーサルで、時代にも環境にも影響されない蓋然性の高い表現といえるのかもしれない。

5. 表現の蓋然性、表現のおかれる背景

作品の表現がその前提となる概念のあり方によって変わってくるのかも、ということを考えると、何か面白い考え方を生むきっかけになるかもしれない。

例えば、音楽のジャンルのように、ある程度の専門性を持って聴くことを前提とした表現は、リスナーが一定のルールを持っていることを想定して、その中での表現をしていることになる。これは一般性は低いかもしれないが、特定のリスナーにとってはものすごく伝わるものになる。1/16のリズムの気持ちよさを知っている耳にはミニマルテクノが楽しく聴こえるが、その概念を持っていない人々にはただの繰り返しにしかきこえない。野球のルールや選手、試合の背景を知っていると知らないのとでは、楽しみ方が違ってくるように。

. 鑑賞者の解釈を前提とした表現

自分の日常も、自分にとっては当たり前のものだけど、それは海外の人や異なる環境にいる人から見たらもしかすると特別なものに映るのかもしれない。

価値観も同じで、自分にとっては当たり前の考え方でも、その考え方をいくつかの前提をおいて表現する事によって、それを特別な概念として表現できる可能性があるということなんじゃないかと思う。

大事なことは出来るだけ一般化された蓋然性の高い表現とはなんなのかを想定したうえで、その中で自分だけができる表現とはなんなのかを考えること。

そういう考えで見ると作品の楽しみ方が変わってくるかもしれないし、作品を作るときの表現を生み出すきっかけになるかもしれない。

...そして概念と音楽の関係について考えるならば、Concept Diskから新しくリリースされたアルバムを聴くことがそのベストな方法のうちの1つになることは間違いない。

7. Concept Disk vol.14 ミヤタ - 『この曲は削除されました。』

Concept Diskでは、2020年9月18日 21:00にBandcampサイトからフリーダウンロードでリリース!!... したアルバムが権利関係の問題で削除することになった、という前提を受けて、9月24日に『この曲は削除されました。』という1分32秒の曲を”Re・Release”した。

2020年9月24日 Concept Disk vol.14. ミヤタ - 『この曲は削除されました。』という、1分32秒の曲です↓↓↓

今回のリリースは、9月18日にリリースしたアルバムを削除し、これを”前提となる概念”とした上で『この曲は削除されました。』というアルバムをリリースすることで”新しい概念”を表現する。”リ・リリース”という新たなジャンルに挑戦している。

アルバムはBandcampでフリーダウンロード配信なので、まずは聴いてみよう!!↓↓

▼アルバム情報
ミヤタ - 『この曲は削除されました。』
カタログNo.:Concept Disk 014 

https://conceptdisk.bandcamp.com/album/cd015

尚、フルアルバムでダウンロードをすると、おまけのボーナストラックも手に入ってくるのでそちらもお楽しみください! 

Concept Diskのカタログの中でも最もコンセプチュアルなアルバムに仕上がっています。全人類は絶対に聴いてね〜↓、↓

Concept Diskではこれからも、何らかの決まり(Rule)、新しい視点(New Ganre)、出来事の抽出(Found Art)、といったコンセプトに基づく作品をリリースして参ります。

2020 Concept Disk. Gyazai Gyozo, keep going ! 

以上!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?