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家賃収入が減っているのに、税金が上がっているのは何故ですか?

【質問】
不動産投資の勉強会に行ったところ、不動産は年々収入が減るのに、税金が上がるという話を聞きました。その仕組みが詳しく分からなかったのですが、どういうことなのでしょうか?

こんにちは。
本日も質問に答えていきます。

まず、質問者さんが聞いた話は事実です。
不動産は税金との戦いだ、と言われるのもそれが理由です。

その仕組みですが、簡単に言うと、

1.物件が古くなって家賃が下がっていく
2.経費計上できる支出(減価償却や返済利息)が減る

ということです。

これだけでは難しいかもしれません。
できるだけ噛み砕いて説明していきます。

そもそも税金はどのように計算されるかというと、

家賃収入-経費(管理費、修繕費、広告費、固定資産税、返済利息、減価償却費) = 課税所得                 

上記の計算によって、課税所得が計算されます。


(課税所得×税率)-控除額=納税金額

※詳しくはこちら(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

そして、課税所得から控除額を引いた額に、税率をかけることで、税額が決まる、という感じです。
※詳しくは後ほど解説を入れます。

家賃収入が下がるのだから、その分課税収入も減り、税金も減りそうなものですが、そうではないのです。
むしろ不動産においては、上がるケースが多いのです。

それは、返済利息、減価償却費が原因になっています。

なぜ、返済利息が税金アップの理由に?

不動産投資は銀行から借入をしてレバレッジをかけて進めるものです。
そして、借入金の返済方法には2通りあります。

元金均等払いと元利均等払いです。

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■元金均等返済とは
 毎月の返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法
■元利均等返済とは
元金と利息のバランスを調整し、毎月の返済額を一定とする返済方法

このどちらの返済方法にも共通しているのは、初めのうちは利息の返済額が多く、後に減っていくということです。

ここで冒頭に紹介した式を見てみましょう。

家賃収入-経費(管理費、修繕費、広告費、固定資産税、返済利息、減価償却費) = 課税所得

返済利息は経費にできますが、返済元金は経費にはできないのです。
つまり、年数共に経費計上できる額が減っていくのです。

特に投資家の方は元利均等方式を選ぶ方が多いですが、この場合は、毎月の支出額が同じなのに、経費がどんどん減っていくという、仕組みを知らない方にとって不思議な現象が起こります。

これにより結果的に、課税所得が上がり、税金が増えるというわけです。

なぜ、減価償却費が税金アップの理由に?

次に減価償却についてです。
建物には、減価償却というものがあります。

簡単に言うと、建物は毎年の経年劣化によって価値が減っていくので、その減った分を経費として計上して良いよ、ということです。

建物の造り方によって、法定耐用年数というものがありまして、その年数分、毎年均一に価値の減価分を経費として計上できます。

<法定耐用年数>
鉄骨鉄筋コンクリート:47年
重量鉄骨:34年
木造:22年

例えば、4,400万円で木造アパートを建てた場合、毎年200万円ずつ22年かけて経費計上できるというわけです。
また、この200万円(減価償却費)は、経費として計上できますが、実際には出ていかないお金です。

家賃収入-経費(管理費、修繕費、広告費、固定資産税、返済利息、減価償却費)=課税所得                    

そのため、23年目を境にして、減価償却費が200万円→0円になり、課税所得が多くなるということです。

ちなみに、中古物件の場合は、以下のような計算方法となります。

■築年数が法定耐用年数を全て経過した場合(木造なら23年目以降)
耐用年数=法定耐用年数×0.2(端数切り捨て)
※木造建築の場合、築22年以上の木造建築の場合の耐用年数は、
    22年×0.2=4年となります。
■築年数が耐用年数を全て経過していない場合(木造なら22年目以前)
耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切り捨て)

こうして物件によっては、家賃の下落と反比例して、支出が多くなり、手残りがマイナスになるという現象が起こってしまいます。

だから、この仕組みをよくわからず不動産賃貸業をしている方(相続で物件を受け継いだ方などに多い)などは、入ってきたお金を貯めずにそのまま使ってしまい、税金が支払えず、最終的に物件を手放さなければならない、ということになったりするわけです。


具体的な対策は?

じゃ、実際にはどうすれば良いのか?という話になると思いますが、大きく2つあると思います。


① 良い時期に物件を売却する

ひとつは、ある程度のキャッシュフローが取れる時期をこえたら売却する、という方法があります。

毎年マイナスのキャッシュフローが生じるという状態になる前に、売却をかけ、その資金をもとに次の物件を購入する、ということを繰り返していくのです。
うまくいけば、これが一番資産が増える方法でしょう。

ただし、高値で売却できなければ意味がありません。
不動産取引は、銀行の融資情勢などによって、相場が大きく変わります。

そのため、ある程度時間の余裕をもって、家賃収入を得ながら、高値で売れる時期をじっくり待つ、というのが良い方法だと思います。

② 耐え切る

どうしても手放したくない物件の場合は、頑張って耐えきるのが良いですね。(立地が優れている、自宅周辺に位置している、など)

具体的に言うと、築年数の浅いうちにお金を貯めておいて、物件単体の手残りがマイナスになっても、事前の貯金で補っていくという方法です。(又は、他の物件や給与収入で補う)

こうして頑張って耐え続けて、借入金の返済が終われば、キャッシュフローが一気に楽になります。
ここまでくると、土地建物が完全に自分のものとなりますので、建物が劣化した場合、建替も比較的容易になります。
土地は既に持っているので、とても高い利回りが期待できますね。

今回紹介した方法は、あくまで私個人のスタンスの話です。
売却を絡めて資産を拡大している方もいますし、絡めないでうまくいっている方もいます。
どの方法でも成功している方はいますし、どれが正解ということはありません。

ご自身の戦略や目標から逆算して、スタンスを定めるのが良いかと思います。

それでは、本日は以上です。
不動産の収入と税金についてご理解頂けていたらうれしいです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。


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不動産業者 兼 不動産投資会社の代表取締役。一棟アパート・マンション、事業用土地、月極駐車場など、様々な不動産を保有しています。私の身の回りに起きた実話がネタです。正確で嘘のない情報発信を心がけます。よろしくお願いします。

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