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加速する・偽

少しだけ世界線がずれた。
皆より少しだけ早く思考が巡り、
身体も僅かだが早く動かせるようだ。
周りの全部が微妙に遅く感じ、
言いようのない万能感に包まれる。
これを機に、平凡な僕が優れた人に映るようになったらしい。
誰よりも多く考える時間を与えられ、
誰よりも多くのタスクをこなせるのだ。
のろまだらけだ。
浮かれていたら、避けがたい事故に巻き込まれた。
ゆっくりと体が潰れるのを感じる。
ああ、いっそ早く終わってほしい。

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