好きだったあの子

私は小学生の時からずっと好きだった人がいた。
小学２年生の時に、
「明日俺の家で誕生日パーティがあるんだ。」
「君も来ない？」
私は喋った記憶のない人に話しかけられて怖かった。
なぜかというと、当時コミュニケーションの
取り方がわからず、友達がいなかったからだ。
※発達障害だから保育園の時から友達の作り方がわからなかった。
そんな私に急に話しかけてきて何を考えてるんだろうと思った。
結局私は彼のお家も知らないし、行かなかった。
その後、話しかけられることはなかった。

小３でまた同じクラスになって、少しずつ人と話せるようになって、
それから彼とまた話せるようになって意識し始めた。
小学生の情報網とは実に怖くて、
私は彼のこと好きなことすぐにクラス中に広まった。
もうあまり記憶はないけど同じクラスの時も
お互い意識しちゃってたのかな、話した記憶はあまりない。

小５でクラスが離れてしまいかなりショックを受けた。
だって林間学校も修学旅行も一緒の班にすらなれないからだ。
私は暇があっては隣のクラスに行って彼を見てを繰り返した。
今となっては好意を隠し切れない発達障害児だなって思う笑
その年バレンタインをあげたんだけど、まあ野次馬がひどい笑
ホワイトデイも野次馬がひどい笑
小６の時は手作りチョコを彼の家まで届けたんだけど、
彼いなくて、お母さんに渡したんだ。
そしたら私の家に電話があって、
「ありがとう、嬉しかった。」
そう言ってくれて、私も嬉しかった。
そんなこともあったけど特に進展なく卒業を迎えた。
でも同じ中学校に行くから何にも寂しくなかった。

そして中学入学式、奇跡が起きた。
７クラスもあるのに同じクラスになれた。
私は一緒にいた友達に飛びついて喜んだ。
その後教室に行くと、彼がいた。
それから中学生活がスタートしたわけだけれども、
まあ中学生の情報網も怖い笑
すぐ彼のことを好きなことがバレた笑
それから彼の友人や私の友人たちのおかげで
七夕の日、お祭りに一緒に行くことができた。
その帰り道、
「俺、君のことが好きなんだ。」
そう言われて、彼はすごく照れていた。
ああ、私は今世界で一番幸せだと思った。
「私も好きです。」
そう答えて私たちは付き合い始めた。

それから３か月付き合ったんだけど、
案外あっさりと別れてしまったんだ。
理由は私の中の彼のイメージが崩れてしまったから。
小学生の時はみんなに優しくて、リーダー的存在であった彼が、
中学に入ってからいじられキャラになってしまった。
思春期の心は残酷だ、そんな理由で別れるなんて。
彼はどんな気持ちだったのかな、
ひどい女だって思っただろうな。

その後彼は中２の時に不登校気味になって
高校も定時制に行ってなんとか卒業したって聞いた。
姉からどこどこでバイトしてたよとか聞いたりもした。
私の友達と長い間付き合ってたんだけど、
私の友達の彼氏が彼の友達で、
最近別れたらしいよと、数年前に聞いた。

たまにふと、彼のことを思い出す。
あの時はオリンピックやってて
小さいテレビで一緒に見たね。
彼のお母さん優しくて、好きだったなあ。
あの時、ひどい別れ方してごめんね、
本当にごめんなさい。
今でも元気でいてくれますように。