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【UEFAチャンピオンズリーグ】パリSGvsマンU

ざっくりですがパリvsマンUの試合のレビューを書きました。興味のある方はぜひご覧下さい!


「個」vs 「組織」

パリの強烈な個人技での攻撃vsマンUの組織的な守備というような構造でした。
マルシャル(9番)がPKを獲得し、ブルーノフェルナンデス(18番)が決めて1-0。パリのCKからマルシャルのオウンゴールで同点になりましたが、試合終盤にラッシュフォード(10番)の得点で2-1としてマンUが勝ち点3を手に入れた試合でした。
マンUがパリの3トップを止める為に対策をしっかり準備してきたのに対し、パリは最後までマンUの守備を崩すことができずに試合終了となってしまいました。
試合スタッツ

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ボールポゼッションはパリが58%、マンUが42%。タックル数はマンUが圧倒的にパリより多いです。スタッツからもわかるように、パリがボールを握って、マンUがカウンターを狙うような展開でした。



パリ側からの考察

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スタート時は4-3-3のフォーメーションで望みました。
3トップにはネイマール(10番)、ムバッペ(9番)、ディマリア(11番)を配置し世界でもトップレベルの攻撃陣です。
両サイドバックが積極的に上がってくるのが印象的でした。

パリの攻撃
パリの攻撃の仕方はGKから丁寧にビルドアップし前線の3人にパスを供給します。そして3トップの個人技で相手ディフェンスを剥がしてシュートまで持っていくというスタイルです。
言ってしまえば3トップに「お任せ」する攻撃でした。
前線の3トップは簡単にはボールを失いませんし、相手の1人や2人を抜くことができる能力を持っています。なのでこの攻撃の方法が可能になっています。

ビルドアップ
パリの攻撃はGKから始まります。GKのナバス(1番)から丁寧にビルドアップしていきます。前進が困難な場合は中盤の3人(エレーラ、グイエ、ダニーロ)のうち1人がCBの脇にサポートする形でビルドアップしていました。
マンUがあまり高い位置でボールを奪うことを目標にしてなかった事もあり、ビルドアップをして前線の3トップに供給することはそこまで難しくはなかったと思います。
3トップにボールが入ると彼らがドリブルやワンツーで相手を剥がして、数的有利または相手のDFがカバーしきれなくなったところをシュートまで持っていくというシナリオだったように見えました。

パリの攻撃が機能しなかった理由
1. 数的有利にならなかった
この日のマンUは守備時には5バック+2ボランチで守っていたので、1人DFを剥がしても数的有利になりませんでした。
2. ワンビサカ
マンUの右SB(WB)にはワンビサカ(29番)が配置されていました。彼は対人にはとても強くネイマールやムバッペのドリブルにも粘り強く対応し、この試合だけでも両チームの中で最も多い6回タックルに成功しています。
3. 3人目の動きがなかった
パリの攻撃の魅力は圧倒的な個人技です。ショートパスを繋ぎコンビネーションで突破というよりはドリブルで1人、2人と相手を剥がしてゴールに迫ります。そのため3人目の選手が前に飛び出していくような動きが少なく、マンUディフェンスは守りやすかったように見えました。

パリの守備
守備時には前線の選手は基本的に前に残っているので、DF4人+中盤3人で守っていました。

失点シーン
1失点目のディアロ(22番)のマルシャル(9番)へ対応は軽率だったかなと思います。マルシャルはゴールに背を向けた状態でボールを受けてましたし人数も足りていたので足を出して止める必要はなかったかなと思いました。

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2失点目のシーンは後半からグイエ(27番)に替えてキーン(18番)を入れて4-2-4のようなフォーメーションになっていました。それにより守備の時はDF4人+中盤2人のディフェンスとなっていました。

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またマンUがテレス(18番)に替えてポグバ(6番)を投入し攻撃に人数をかけた事もあり、2失点目のシーンではパリのディフェンスの人数(6人)とマンUのオフェンスの人数(6人)が同じになっています。そのためパリはラッシュフォード(10番)に見事なシュートを決められてしまいました。


マンU側からの考察

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マンUはこの試合のために3-4-1-2(ディフェンス時には5-2-1-2という特別なフォーメーションで望みました。

マンUの攻撃
マンUの攻撃でポゼッションしている時は全体が押し上げていました。またカウンター時は前線のFW2人(ラッシュフォードとマルシャル)のスペースに飛び出してシュートまで行く狙いがあったと思います。

カウンター
この試合のマンUは基本的に相手にボールを握らせていたので、ポゼッションしてゴールに向かうよりは相手を引きだしてブルーノフェルナンデス(18番)、マルシャル(9番)、ラッシュフォード(10番)の3人を起点にカウンターでゴールを狙っていたと思います。

ポゼッション
相手陣地でボールを持てた場合は積極的にSBが上がっていましたし、DFラインも高い位置まで押し上げていました。これはボールを失った時の前からプレスにいくためだと思います。

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1点目のPKを獲得した場面も最初に右SB(WB)のワンビサカ(29番)が上がってきてましたし、クリアされたボールを回収した後、マルシャルにパスを送ったのは左CBのショー(23番)でした。

システム変更
マンUは67分に左SB(WB)のテレス(18番)に替えてポグバ(6番)を投入しました。
これはシステムを5-2-1-2→4-3-1-2に変更し攻撃的に行くための交代だと思います。

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2点目のラッシュフォード(10番)の得点はポグバのキープから生まれた得点ですしポグバのキープ力が活かされたシーンでした。

マンUの守備
マンUは明確な守備の時の原則を設けていたように見えました。

守備の原則
・ボールを失って相手ボールになった(攻→守)場合は前からプレスをかけて相手の攻撃を食い止める。
・ポゼッションされて押し込まれている時はDF5人+中盤2人(+ブルーノフェルナンデス)でブロックを作る
のように見受けられました。

前からのプレス

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ボールを失った時の前からのプレスはボールを奪い返すシーンも少なかったですし、DFラインの裏に大きなスペースを作ってしまいムバッペ(9番)、ネイマール(10番)に抜け出されるシーンがありましたので効果的ではありませんでした。

5バック+中盤のブロック

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マンUのパリ対策としての5バック+中盤のブロックはとても効果的だったと思います。
この試合でポゼッションされていた時にほとんど数的不利になる場面はありませんでしたし、パリの前線3人(ネイマール、ムバッペ、ディマリア)にDFが1人抜かれても他のDFがカバーすることができる状況を常に作っていました。

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ネイマール(10番)のドリブルに対して2人のDF、1人がカバー、他のDF2人はムバッペ(9番)とディマリア(11番)をマークすることができています。

試合の感想

マンUのパリ対策に最後までパリは活路を見出せなかったのかなという印象でした。パリは後半からキーンを投入して攻撃の枚数を増やしたりして模索し続けましたがあまり効果がなかったように思えました。

マンUの対策をどうしたらパリは攻略できるのか考えてみました。
・ムバッペを右WBにする(ワンビサカとのマッチアップを避けるため)
・ポゼッションするのではなく、マンUにボールを握らせてカウンター狙いをする(イメージはフランス代表のような縦に速いカウンター)
どうでしょうかね?
あまりパリの選手について詳しくないのでなんとも言えないですが、この試合を見る限りだとポゼッションは有効じゃないと思いました。
ネイマールやムバッペはスペースがあった方が活きる選手だと思いますし、ポゼッションするならもっと選手達が連動して動かないと厳しいような気がしました。
この試合でフリーランニングやポジションチェンジでスペースを空けて、そこに違う選手が飛び込んでいくような人の動きはあまり見られなかったので、カウンターするしかなかったような気もします。
いずれにしても結果論になってしまうので、マンUがしっかりと準備して試合に臨んだことが勝利できた要因かもしれませんね。


最後に

こんな感じでざっくりとですがレビューを書いてみました。この試合を観ただけのにわかなので間違っているところが多々あるかもしれないです。
もし改善点やご意見などあればぜひコメントして頂けると今後の参考になります。今回は読んでいただきありがとうございました!

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