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2020/07/19 777 Vol.2無事終了しました。

去る2020/07/19、777のVol.2が終了しました。ご出演頂いたバンドさん、西九条ブランニュー、お手伝いいただいたスタッフの皆様、そしてこの大変な時期にご来場いただいた皆様全員のおかげで無事成し遂げる事が出来ました。有難うございます。

興行主としての作品作り

ここ数年、本当にリハーサルでわくわくするようなことが無かったんですが、久しぶりにリハから楽しいイベントで。それを自分の企画で実現できたという所にすごく大きな喜びを感じています。

演者さんの気迫がステージの内容を良くする現象は多々見受けられるのですが、今回はその気迫の中に主催者側の気迫もイベント全体で乗せられたような気がしています。演者さんが汲み取ってくれたお陰でしかないのですが、その辺り、人選なども含めて第一回よりも主催側として成長が見られた所かなと思います。

興行の企画、実行、運営の結果が当日のライブとして現れててくるわけですが、お客さんの感情、表情、そして演奏の中身など、イベント全体を通して一つの作品として昇華する体験をさせていただけましたし、今後も作品作りとして取り組めるであろうとっかかりを得られたように感じています。これはただ言われるがままに事務作業をこなしていたのでは絶対に得られない領域ですし、そこへ足を踏み入れられた事は作家の端くれとしても大きな意味を得られたように思います。

自分自身、作家として一番大事なものは「言いたいことを持つ」だと思っています。言いたいことが無ければ技術をいくら持っていても意味がなく、言いたいことが無ければ言い方という表現したいものも得られず、表現したいものが無ければ当然ですが表現は出来ません。その言いたい事を演奏でもない、ステージでもない、ライブ全体という今まで達成できなかった領域で伝える事ができたというのは自分自身の可能性として、そしてこれからイベントを組まれる方にとっても参考の一つになるのではないかと。

そして、このコロナ禍の影響下においてソールドアウト、さらに演者さんに42000円のバックをお出しできたことを誇りに思います。


確信を得られたもの

体感上の仮説の領域をまだまだ出る物ではないのですが、やはり3バンドが一番丁度いいなと。バンドの魅力を最も引き出せるバンド数と時間はやはり30min/バンドx3バンドだと思います。

視聴するお客さん側の集中力の持続はやはり30分ほどが限度で、転換という適度な休憩。そして、チャンクという大雑把な区切りで見れば3バンドが無意識で処理できる数というゲームデザインの基礎はここでも生かすことが出来ると思います。

また、バンド側も待ち時間で浪費する精神的、体力的疲労と出番までの緊張感、高揚感。出番後の熱なども総合すると3バンドがテンションの維持にも丁度いいなと。

仮にあと2バンド足して5バンドだったとして、高い評価を得られるバンドが同じ3だったとしたら、お客さん側の評価は半分ぐらい良かったイベントになります。3/3良かったイベントであれば全部よかったという印象になります。高い評価を得たバンド数が同じでも全体の割合として評価されるものですし、そう考えると3/3と3/5の間には大きな隔たりがあるように思います。興行側としても分母が増えた上で100%の評価を得ようとすれば難易度は当然跳ね上がりますし、その辺りを総合すればバンド数はやみくもに増やすべきではないという今まで通りの結論も得られました。


課題

777はそのイベントの性質上、イベントのファンを増やしていく必要が有ります。この辺りは増えたという実感がありませんし、今後も必死で取り組んでいかねばならない箇所だと思います。

ただ、昨年よりも明らかに耳を傾けてくれるバンドさんや関係者の方は増えました。信用と信頼は得られている気はしているので、無理せず地道に取り組んでいきたいと思います。

同時に、非常に熱い目線を受けるようになりました。自分自身、イベント及びこの熱い視線に慣れ、そういう高い評価を受けるのが当たり前というような考えを持ってはいけないと自戒を強めたいと思います。

楽曲の演奏もそうなのですが、演奏に慣れた瞬間その演奏はつまらなくなります。イベント運営も同様で、常に緊張感と主張を見失わず、自分自身の根元が所詮はただのクレーマーであるという自身の短所がたまたま状況にハマってるだけである、という事実を忘れずに続けたいと考えています。

信成 with Matchlock Gunner

自分自身の身の回りのバンドさんのなかでも間違いなく1,2を争うレベルで覚悟を強く持った演者さんで、もしかするとVoの高橋信成は大阪で活動しているインディーズの現役Voとしては1番強いかも知れません。

何か弾みがあればポンと高い実績を一気に積み重ねる可能性が高く、本人も色んな方からの協力を得られているのでその弾みを引き寄せると思っています。

CDを7/19に合わせて作成してくれていまして、S.A.MUSICさんでも22日より販売を開始しています。この機会に是非ご購入下さい。
https://twitter.com/SAMUSIC38125838/status/1282926433195589632

Meviu's

主催側としてはMVPを差し上げたいバンドさんです。1年ほど前にお誘いした時には取り組む課題の多いバンドさんであったという認識でしたが、リハの時点で「俺こんなバンド呼んだっけ?」と見間違うほどの成長を見せてくれました。

1年かけて個人単位で上手くなるというケースはままあります。が、バンド単位で上達してくる例はなかなかなく、例えば今、良くライブをやっている知り合いのバンドさんを見ても一年前と今と大して変わってないという所の方が圧倒的多数です。

興行側の覚悟を拾ってもらえればこれだけの事をしてくれるという興行側の大きな希望になり、主催側としては本当に嬉しいサプライズでした。


PHOENIX RISING

今回の開催において一番のご協力を頂きました。フライヤーの配布はもちろんなのですが、凱旋という記念、限定配布のCD、予約人数の調整、さらには打ち上げの手配まできめ細やかに補佐していただきました。

入場制限で残念ながら30名ではありましたが、声をかけていただいたお客さんの中には既存のイベンターさんの姿もちらほらありましたし、音楽関係者の方もそこそこおられました。ですので、このイベントの主張という物が話題としての広がりを見せたとしたら、そこには必ず PHOENIX RISING の影響があります。

正直コネに乏しいぽっと出のイベンターでありますので、今回のみならず今後のチャンスも作っていただけたという面に非常に大きく感謝しています。

関西メタルシーン復興委員会においても主力として活躍されるでしょうし、バンドの世界を大きく変えていく原動力となって行かれるのではないかなと勝手に思ってます。


西九条ブランニュー

営業復活記念という事でドリンク300円での大盤振る舞いや感染対策の徹底など会場側にも多くのご協力を頂きました。

他のライブハウスに比べるとかなり厳密にソーシャルディスタンスを実行されており、バンドマンにとっては集客のネックとなる反面、お客さんには安心を提供されていると思います。この辺りは天秤で片方を立てれば片方が立たない性質の所で色々と悩ましい部分ではあると思います。

個人的にはインディーズ時代の陰陽座をブランニューで拝見して、そこからバンドをより真剣に取り組みだした経験もあって、やっぱり理想的なライブとなるとどうしても会場のイメージはブランニューが出てきてしまいます。なんだかんだ言ってバンドマンにとっては聖地とも言えるハコでありますので、今後も存続を期待しております。

コロナ禍

ソールドアウトとはいえ入場制限30名、1枚目から70%バックであるため主催側には一枚当たり600円、手元には18000円しか残らず当然ですが大赤字となりました。
(10万以上の赤字が出ておりますのでサポート、グッズのご購入等頂けましたら幸いです)

777は値段設定が極端な都合もあるため赤字となりましたが、仮に全額が自身の手元にあったとしても会場費には届きません。現状、どこのライブハウスでの興行も同様の状況です。

にもかかわらず痛みを抱えてまでいろんな方がライブを何とか実施されているのは、一重にライブ文化のともし火を消さないための必死の努力だと思います。普段割り勘ノルマ等に対しては否定的ではありますが、現在行われているすべてのライブに対して敬意を表します。

今年一年、もしかすると数年にわたってこの状況が続くかもしれませんし、ライブハウスもいくつ生き残るか不透明な状況です。

1店舗でも多く生き残ってもらって、一日でも早く大勢の方が気軽にライブ、観光、映画、遊園地など娯楽に接する日が来ることを切に願いつつ。また次回に向けて走り出したいと思います。有難うございました!

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