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【読書】萩 耿介の 食われる国 を読む

食われる国
萩 耿介
2022年12月25日発行

まさしくコロナ禍後の創作だ
中国の隠蔽工作も共産党の不穏な活動を、日本が呑み込まれるように感じる恐怖として描いている
2050年からの設定で、中国に食われる日本という国の姿だ
中国では発行禁止になる内容だろうか
いや、もしかしたら推薦図書になるのか
日本を乗っ取るのだから
香港のデモ鎮圧、ウイグル弾圧などなど習近平以下 中国共産党の全体主義的な恐怖政治が日本に持ち込まれるのだ
日本が中国の領土にされてしまう


共産主義は慈愛のない一神教と表現されている
本当にありそうに思えるから恐ろしい

日本の人口も減り中国経済にも席巻される日本の姿
主人公の刑事も中国企業に嵌められて逮捕される
政治家にも在日中国人が増えてくる
様々な法案の改正もされる
刑務所も中国企業が運営受託している
刑務所内には拉致されてきたチベット人やウイグル人も多い
彼らは粛清される
焼却炉で焼かれ煉瓦の材料になる
日本人でも共産主義への洗脳が進まないと、薬物と拷問で人間を作り変えられる
人間として壊された主人公は、出所して中国企業で働く
日本の土地を買い占める業務
福島の津波被害地での墓石を前にして日本人としての意識が戻る
敗北者としての自分しか見えない
宣伝業務に異動されられ取り組んだのは叛旗を翻す企画だった
中国資本の街に変わってしまっている銀座通りで中華パレードの行進イベントだ
そこで行進する毛沢東と習近平の大きな肖像を燃やしてやろうと仕込みをする
成功する
もちろんその後は刑務所送りだ
裁判などない  拉致されて身体に発信機を埋め込まれて森に連れて行かれる
そこには囚人服の死体が幾つも転がっていた
獣に喰い引き裂かれたものや白骨死体だ
果たしてこの主人公はまだ生き残れるのだろうかというところで話しは終わる

過去には実際にチベットも呑み込まれた
これからアフリカ、台湾、東南アジアへと拡大させようと地域に合わせて工作を続けている現在だが、ロシアのように武力行使をするのは、まだ領土内とされるウイグル地区くらいかもしれない
今後は分からないが
産業協力や物資や経済支援なども絡めて、長い年月をかけても中国の支配下に収めようとする企みは身近なところでもグローバルでも確実に進められているのが分かるだけに、この小説は作り話だと分かっていても怖い

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