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「真剣であれ。」 4年 宮原直央(國學院久我山高等学校)

こんばんは。
 
副主将のひがしからバトンを受け取りました部員ブログリレー、アンカーの宮原直央(文学部/英語英米文化学科)です。お笑い番組を見て、日々「人を笑わせる」ことの努力はしていますが、難しいものです。狙って笑いを生み出せる人たちを尊敬しております。
 
そんなことは置いといて、
 
 
私は今シーズン主将を務めさせて頂きました。
主将という役職を務めて強く感じる周りの方々のサポートの大きさ・偉大さに本当に感謝しています。この場を借りて、サッカー部に関わる全ての方々に感謝申し上げたいと思います。
 
今シーズンはいよいよ来週の最終節上智大学戦で終了を迎えます。学習院大学北グランドで11時キックオフとなります。お時間のある方、是非とも応援をよろしくお願いいたします。
 
 
 
さて、次期主務の後藤にサッカーの話を書いてくださいと言われたので、
 
今回は一番サッカー人生で濃かったであろう高校1年生の時の話をします。なぜ、このブログで高1の話なのか。
 
それは、高校1年生の時の経験が今の私に大きな影響を与えているからです。
そして状況は違えど、少しは参考になると思ったからです。
そして、なかなかこの時期を言語化したことがないからです。
 
長いですが、良かったらお付き合いください。
ではいきます。
 
 
高校1年生。
 
私は入部早々から対面パスの厳しい指導を受けました。
パスが弱い。
動作がスムーズではない。
肩の力を抜きなさい。
ケツから押し出すイメージ。
今までできていると思っていたことが実はこんなにもひどい状況だったのかと痛感させられました。
「研ぎ澄ませなさい。」 
「身体をコーディネートしなさい。」
という言葉は印象的で、今でも最も基本的であろう対面パスは未完成であると確信を持って言えます。
 
トップチームの3vs1のボール回しのトレーニング。
全く歯が立ちませんでした。
奪えると思っても、
角度、深さの取り方、ボールの置き所、ポジショニングによって、すべての状況をコントロールされてしまいます。
1本も触れずに20本。グランド1周。悔しかったです。
 
フットワークのトレーニング。
「お前の動きは人間の動きではない」
何回トライしても、相手にはがされる。
反転で体が崩れる。
ターンで重心移動がうまくいかない。
自分の思い通りに体を動かすことの難しさを痛感しました。
 
 
「なぜ自分はできないのか。」
「コーチが見ていないから大丈夫だ。」
「自分のところにボールが来てほしくないな。」
 
 
こういう心情になったことがあるのではないでしょうか。
高校1年生の当時、私はこんなことを思いながらサッカーをしたことがあります。
 
 
ここまで、悔しい経験しかありません。
 
 
インハイ都大会決勝で1年生数名が出場する中、ベンチでずっと見つめていたこと。
夏のTOP合宿のメンバーに選ばれなかったこと。
プリンスリーグ武南戦、途中出場できたけど、同じく途中出場の同ポジションの先輩がスーパーゴールを決めたこと。
選手権の都予選のメンバーに入れなかったこと。
その他諸々。
 
全て、私に実力が足りないと気づいた瞬間です。
 
しかし、ありがたいことに選手の一番近くでサポートできる役割をいただきました。
トップチームの練習を肌で感じられる。
試合を間近で見ることができ、
試合前に何を話すのか、
監督やコーチは練習でどういう指導をしているのか、
すべて自分に言われているように意識して取り組み、同時にメンバーの人たちを自分ができる100%の力でサポートしようと決意しました。
チームが全国大会出場を決めた時、メンバーに絶対入ってやると強く決心しました。
 
それでもそう簡単にうまくはいきません。
 
選手権直前合宿での怪我。全治2か月。
私にとっては時期的にも規模的にも大怪我でした。
逆足でボールを奪いに行って、膝を持っていかれました。
紛れもなく自分の守備の技術力のなさ、フットワークの下手さ、集中力のなさからの怪我でした。
 
 
怪我をして、少し経つと、ある方からこんなことを言われました。
 
「一度サッカーから離れなさい。」
 
これはやめろという意味ではありません。
ボールを一切触るな、ということです。
 
リハビリのある日は練習には顔を出さず、
練習に参加する時は、練習のサポート、リハビリトレーニング、トレーニングの観察、
ボールを使うこと以外でできることに取り組んでいました。 
 
そうすると、ある感情が湧きました。
 
「サッカーがやりたい。」
 
 
この怪我のおかげで、
不足していたフィジカルを重点的に鍛えることが出来たし、
練習を観察することが出来たし、
何よりも純粋にサッカーがやりたい、うまくなりたいと思えました。
サッカーに対する思いがより一層強くなりました。
 
怪我の原因にもなったフットワークのトレーニングにより力を入れるようになったし、
今まで全く意識していなかった自分の体の動きに向き合うようになりました。
また、パス・トラップのコントロールをより一層意識して取り組むようになりました。
 
そして当時、最も大きかったことは、
お手本になるような人たちがすぐ近くにたくさんいたことです。
紅白戦では、ありがたいことにマッチアップさせていただいたり、ミニゲームでは同じチームでプレー出来たり、すぐ近くで学ぶことが出来る最高の環境にありました。
読んでないとは思いますが、この場を借りて先輩方、本当にありがとうございました。
 
 
そして、高校1年生の時ではないけれど、ずっと中盤をやってきた私は高校3年生でサイドバックの役割をいただいて、サッカーの見方がまた広がりました。個性あふれるオフェンス陣の攻撃をどうやって止めようか、ボールを奪おうか。
抜かれた時、決められた時はたまらなく悔しい。そして修正する。
すると、いつの間にか守備が楽しくなっていました。
考えて、実行して、修正して、この繰り返し。
「こっちに追い込んで、ここで間合いを詰めて、ここで差す。」
守備が出来るようになると攻撃に生かしていきました。
 
 
あの時、対面パスの指導を受けていなかったら、
あの時、3vs1で悔しい思いをしなかったら、
あの時、怪我をしなかったら、
あの時、メンバーに入っていたら、
あの時、サイドバックをやっていなかったら、
 
全く違う世界が広がっていたかもしれません。
 
高校1年生の出来事は悔しいことだらけです。
だけど、当時の私にも今の私にも、紛れもなく必要な事でした。
冒頭にも言ったように、最も濃く、充実した1年であったとはっきり言えます。
 
 
 
松下幸之助さんの『道をひらく』という著書の中にこんな言葉があります。
 
「失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたほうがいい。」
 
明日のことは誰も知りません。
その出来事が必要か不必要かなんて、分かるわけがありません。
上手くいかないことや、苦しいこと、失敗してしまったことは誰にでもあります。
 
私たちは過去の出来事を変えることはできません。
でも、私たちは過去の出来事の捉え方を変えることができます。
真剣に取り組んでいるか。
同じ失敗を繰り返していないか。
起こったことを自らの成長へ繋げていくために、
何をしていくのか。
何を考えるか。
何を得るのか。
ここに真剣さが表れるのではないかと私は思います。
真剣にならなければ見えてこないものが必ずあります。
同じ経験をしても成長の違いが見られるように、最終的には真剣さ、意識のレベルに大きな違いが見られるのではないかと思っています。
 
同期の部員ブログを読んでいても、
「過去の経験が今に活きている。」
という人は何人もいました。
それは経験自体がいいことだったのではなく、その経験を、自分にとって必要なものに捉えていくかが重要で、そこに真剣さが必要だと思っています。
最終的に起こったことを起きてよかったことに変えることが大切なのだと思います。
 
 
「神は細部に宿る」という言葉のように、
意識的に取り組まないと気づくことのないところまで徹底してやってみる。
無意識にやっていたことを今一度意識的にやってみる。
自分と真剣に向き合ってみる。
 
すると、今まで気づかなかったことに気づけるかもしれません。
気づくことができたら、きっとそれは成長のチャンスです。
日常の何気ない出来事にも意識を向けて、
自分がやっていない練習の時に他の選手の動きに注目して、
他の人の良さを自身にどう生かすのか。
そのためには意識的に自分と向き合うと同時に、相手を見る必要があります。
学びに終わりはありません。成長に終わりはありません。
 
 
そして、全てのことに感謝の心を持つことです。
どんなに辛いことであれ、
どんなに苦しいことであれ、
どんなに嫌いだと思う人であれ、
自分の周りに起こる出来事は何かしらの意味を持っていると思っています。
だからこそ、「気づかせてくれて、ありがとう」という心が大切です。
 
私の人生はここまで、素晴らしい先生方、指導者の方々、友達、同期・先輩・後輩に出会うことができました。多くの人の協力があり、支えがあり、今の私があります。
仲間って大切だな、人の力は偉大だなと、日々の生活を通して感じました。
みんなに感謝しています。
 
 
最後に、
 
学習院大に進学したこと、
 
サッカーを続けること、
 
これが当時の私にとって正しい道だったかは分かりません。
ただ、この選択をしてよかったと思えるくらいに、熱量を持って、真剣に突き進んできました。
今では自信を持ってこの選択は素晴らしかったと言えます。
 
選択することも大事ですが、
 
それよりも、
 
自分が選択した道を信じて、自信を持って進んでいくことが大切
 
だと私は思います。
 
それが「やめる」選択肢であっても。
 
その選択が心から良かったと思えるくらい真剣に進んでいくことが大切です。
 
「真剣であれ。」
 
以上。
 
 
 
長く、そして自分勝手な拙い文章でしたが、読んでいただきありがとうございました。
 
 
 
 
学習院大学輔仁会サッカー部に入ってよかった。
 
 
 
 
みんな大好きです。
 
 
 
 
みんなありがとう。
 
 
 
 
原ちゃん、あのゴールは起こるべくして起こったこと。
覚悟を決めて振り抜く。
自信がなければあそこにボールは飛ばない。ゴールは奪えない。
素晴らしかった。
(私はこの1週間アオアシを読んでいたので、最後のパスのメッセージを原ちゃんが受け取ってくれたと勝手に判断しております。)
来週も、来年も頼むね。
 
 
 
令和元年10月6日
 
学習院大学輔仁会サッカー部主将
宮原直央
 
 
これで、4年生の部員ブログリレーはゴールを迎えました。

しかし、ゴールテープを切った瞬間、新たな始まりでもあります。
 
みんなの活躍、楽しみにしてます。


 ラスト1週間、
 
笑顔で終わろう。

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