Mr.Children 4thアルバム「Atomic Heart」(1994)レビュー

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●こっから現在のミスチル感が出てくる

いきなり作風変わったぞ!どうしたどうした!!何か悟飯ちゃんが不良になっちまっただ~(笑)って感じだ。ロック色ガンガン出してきたぞ。ロックと言ってもデジロック(死語)って感じの雰囲気だな。歌詞も曲調も爽やか青春ポップではもはや無い。オシャレなスカした感も無い。歌い方もねちっこく気持ち悪いし(笑)こっからは男性ファン獲得の時代って感じがするな。というかずっと初期の路線だと男受け悪すぎだ。こっからしか聴かないファンも多いだろうな。

●驚異的売り上げ

343万枚売れたとの事で一体何でそんなに?ってやっぱイノワーとクロスロードの大ヒットがデカいのは間違いない。やっぱアルバム売りたきゃシングル売れっていうのを示したアルバムと言える。

●ファンからの評価も一番高い作品か?

やはり一番売れた作品なので評判は良い。しかしシングル曲以外で今も人気ある曲が少なくないか?ジェラシーとかAsiaとかRound Aboutとかこんなの好きな奴いんのか?自分は大好きだけど(笑)Dance Dance Danceも雨のち晴れもベストに入ってる割には人気無くねーか?自分は大好きだけど。どうも売上とアルバム曲の人気度が比例して無い気がする。ラヴ コネクションとかもライブで結構やってたみたいだけど、ベストしか聴いてないミーハーファンとかオバハンは意外とポカーンとしてそうだが気のせいか?

●気になった曲、布教したい曲だけ感想

02 Dance Dance Dance
初っ端から今までに絶対無かったようなヘビーなロックサウンドで幕を開ける。ドラム、ギター、ベース、どの楽器もロックにグルーヴィーに暴れる!ベースが特にカッコ良い!Bメロの拡声器っぽいエフェクトのボーカルもカッケェ!いやはやとにかくカッケェぞ!リアルタイムで聴いていた人間はこの変化をどう思ったのか気になるな。ちなみにライブではボーカルが非常に女性ウケの悪い下ネタパフォーマンスを行う事でも有名だ。このアルバムから男性向け要素が強くなるのを象徴しているかのようだ。終盤歌い方がハマショー(浜田省吾)になっていくのが面白い。

03 ラヴ コネクション
ストーンズを意識したらしい
ノリの良いロックンロール曲。これも今までのミスチルには無いロックな要素が強い雰囲気だが付け焼刃感は全く無く自然!クオリティは高いぞ。もはやオシャレ感、スカした感は0だ。どこかサザンっぽさもある。「つれない素振り」っていう歌詞とか、最後のシャウトとかね。ライブを意識して作られたとの事でゴージャス感があるな。ライブハウスでやるイメージは全く無い。ホーンもふんだんに入ったアリーナ用の豪華なロック曲だ。

04 innocent world
セツナ系アップテンポJ-POP!サビのメロディーはわりとコテコテでアニソンっぽさすらあるが良いものは良い。さわやかさと哀愁が同居した雰囲気で日本人なら確実に気に入ってしまう曲調だ。声はともかく日本人でこのメロディーが気に入らないのはひねくれ者かよほどJ-POP嫌いかのどちらかだぞ。イントロのギターの音色とメロディーは相当カッコ良いが同時に鳴るキーボードのストリングス音は安っぽいな。というか打ち込み音は全体的にショボいというか古いというか…。耐久性の無いアレンジとはこの事だ。せっかくの名曲も若者が聴いたら古臭!の一言で片づけられてしまうのが悲しいとこだが、これは神曲と言っても問題無いであろう。神曲!

05 クラスメイト
チャラいシティポップっぽいミドルテンポJ-POP、こんな曲作る奴が不倫しない訳が無いと思わせる程のチャラさだ(笑)これは今までのミスチルからも想像がつく曲だ。というかモテそうだ!女性ウケが良さそうな雰囲気でトレンディドラマっぽさがすごい。今までのチャラい系の曲と違い、憂い成分が含まれているのと若さがハジけてないのが新境地だ。これからのミスチルの方向性を予感させる。

06 CROSS ROAD
カワイイ系のミドルテンポJ-POP。今までのカワイイ系との違いはやはりその憂い成分!それとメロディが凄まじい!ABサビCメロ、最後のたたみ掛けとこれでもかとベタでコテコテでたまらんメロディーが惜しげも無く繰り出される!何処か壮大な雰囲気もある。

07 ジェラシー
実験的な曲との事。どうでも良いけど実験的な曲って絶対こういう打ち込み系のボワボワしたアレンジの若干暗い曲って決まってない?4曲目のinnocent worldと同じで耐久性の無いアレンジだ。今聴くのは厳しいものがあるな。これ電子音打ち込みなしのシンプルなアレンジだったら隠れた名曲だった気がするな。メロディーは普通に良い。歌詞は完全にヴィジュアル系の世界だ。

08 Asia
いつになくヘビーなグルーブでタイトル通りアジアっぽい曲。なんとドラムが作曲!メロディーも結構凝っていて特にCメロなんかかなりカッコ良いと思う、ドラム作曲をもっと聴きたいと思ったほどだぞ。個人的にはかなり気に入った。カッコイイ!

10 雨のち晴れ
ヒップホップの要素のある曲だがBメロで入るスクラッチ音はかなりショボい!プレステ1か!ベストにも収録されたわりには人気は無い(らしい)。Bメロと歌詞のハマり具合はスゴイものがあるので必聴、全体的に中々の暗さの歌詞の曲でほぼ救いが無い内容。

11 Round About~孤独の肖像~
軽快なホーンのイントロが印象的なナンバー。若干出オチっぽい。曲調は歌謡曲というかサザンというかハマショーというか意図的に古臭いな。今のミスチルに慣れていると歌詞が間延びして聞こえるかもねぇ。たぶんこのアルバムで一番速い曲。

12 Over
有名な失恋ソング、曲調やアレンジ自体はかわいい路線(ReplayやLOVE)の最終進化系でコレ以降このシリーズは無い。数あるミスチルソングのなかで歌詞の事ばっかり語られる曲の代表、彼女の見た目や声ばかり褒める歌詞が印象的。しまいには今以上に綺麗になってないでと言う始末で徹底して最後まで見た目だ(笑)。ブレない。メロディーが覚えやすくて良い、Cメロでちょい壮大になる。

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