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説明絵本

フルネームも知らずあまり喋らず、ただ会うと手を繋ぐだけの間柄。周囲の人間は、その理由を問う。しかし理由などない。あるとすれば、理由もなくただ自然に手をつなげるもの同士であるということくらいだ。6月もそのうち終わる。おまけに地球も終わるかもしれない。今から街に出向いても、味わい深さのない17歳に出会うだけだろうな。嗚呼、遊びがない。揺れていたい。難しい文学は歌詞として、簡単な歌詞は文学として。海を渡るときの困難さが、生きるための薬。絵本の店は活気がない。知らない子供にこち亀の魅力を伝えたい。でもそんなことをすれば、夥しい量のお小遣いを請求される。嗚呼、遊びがない。揺れていたい。

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