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リーダーに求められるアカウンタビィリティ(結果責任)

日本語では、「責任」という用語は、1つしかありません。
よく、「責任と権限」と対比されて用いられます。が、英語では、2つの用語として区別して使われます。

1つが、Responsibility(遂行責任)で、他の1つが、Accountability(結果責任・説明責任)です。

アカウンタビィリティとは、アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)の合成語で、直訳すると会計責任。経営者が株主などの出資者や債権者に対して、資金の使い途を説明する「会計説明責任」のことで、最近は会計だけでなく、企業(経営者)が負う説明責任全般を言います。経営者はまず業績に対しコミットメント(約束)をしなければならず、さらに肝要なことはその約束に対しアカウンタブル(結果に責任を持つ)でなければなりません。
医療や福祉の場面では、インフォームド・コンセントと呼ばれます。
医療従事者等は、患者や利用者に対して、治療や臨床試験・治験の内容について説明をする義務があります。

「遂行責任」とは、立場上遂行しなければならない「義務」を言います。
例えば、期末に立てる部門方針や翌期の予算などは、その組織の長の義務の一つです。
「結果責任(説明責任)」とは、遂行した(決定し、行動した)ことに対して、責めを負うことです。例えば、部門方針や予算が期末にできなかった場合などは、結果責任(説明責任)を果たさなかったということになります。
この二つの責任は別々の概念ではなく、他人から依頼を受けた者はその依頼されたことに対して責任(レスポンシビリティ)を持ち、その責任を果たす過程や結果について説明する責任(アカウンタビリティ)を負うというように密接に結びついています。

つまり、
「責任を果たす」とは、この「遂行責任」と「結果責任(説明責任)」の両方が揃って始めて、言えることなのです。
夜遅くまで頑張って、必要ならば休日出勤も厭わない社員を、日本では、「責任感が強い社員」と評価する傾向にありますが、「遂行責任」は果たしたかもしれませんが、「結果責任(説明責任)」は果たせておらず、責任を果たしたことにはなりません。

ほんとうの意味での「責任を果たす」ためには、そこでの「責任」が、「遂行責任」なのか?「結果責任(説明責任)」なのか?を問うてみることが必要だと思います。
ビジネスにおいても、プロスポーツの如く、結果責任(説明責任)を強く意識することが必要だと思います。


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