gun and flower

Be a flower, be a soldier.

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最近の記事

2011.3.11-2021.3.11

13歳の生徒に勉強を教えながら、「今日で震災から10年だね」と話していた。記録でしか震災を知らない子に、「あの頃はまだほとんどガラケーだったし、LINEもなかったんだよ」と話しながら、そんなに昔なんだなあと驚いた。あれから10年。2011年というのは、私にとっても大きな意味を持つ年だ。 あの日、私は塾にいた。翌日に大学の後期試験を控え、倦んだ自習の休憩時間に友だちと話していたとき。ゆうらり、ゆうらりと建物全体が揺れた。船を漕ぐような揺れ。「なんか今揺れた?」と話していたら、

    • 2021.3.4

      「本当につらかった体験は話せるようになるまで時間がかかる」という一文を見て、それまで戦争体験者について語るときに使われていたこのフレーズが、はじめて自分のものとして胸に飛びこんできたのであった。友人のかほも「負った傷が深いほど癒すのに時間がかかる」ということを言っていたし、これまで何度も理解したつもりではいたけど自分の場合もそうであって、しかも思っていたよりずっとずっと長い時間がかかっていたようだった。 今朝、7年近く通っていた英会話教室の夢をみた。あんなに長く通っていたの

      • 2020年の恋人(たち)

        ほんとうに傷ついたときには、なかなかその傷にすら気づかないものだ。銃で撃たれたり、刃物で突然刺されたりした人が一瞬痛みを感じないように、受けた傷を理解するのに時間がかかる。そして、その傷が癒えるのにも、途方もない時間がかかるけれど、癒すのは時間だけなのだ。このことを、私は友人の文章を読んではっきりと知った。そして自分自身もそうであることを、私は最近になってようやく知ることになる。 今まで書けていなかったことを、きょう書こうと思う。 2014年7月、私は最愛の伯母を亡くした。

        • 2020.5.6

          光を通すカーテンが朝日を部屋にもたらすころ、自然と目がさめて、スマホで時刻を確認するもまだ午前7時。トイレに行くか水を飲むかしてまた眠りにつく。夢をみて目がさめると次は午前9時、起きたよと恋人に連絡を入れてまた夢の中へ、そうして起きると11時過ぎ。やたら鮮やかな夢の余韻を残しつつ枕元のニンテンドースイッチに手をやり『どうぶつの森』に励み、とうとうベッドから這い出すのは午後を過ぎたころである。 自分とお母さんのぶんの朝昼兼用のごはんを作って食べ、洗濯と軽い掃除をし、それぞれの仕

        2011.3.11-2021.3.11

          2020.4.22

          わからないことばかりで流されやすいそんな愚かな私たちを、とてつもなく大きくおおらかなものが、祖父母のいた頃と変わらずに庭の木陰からそっと見ていたと思う。それがいいものなのか悪いものなのか私にはほんとうのところわからない。ただ、人間というものを長い間ずっと見ている目みたいなものなのだと思った。 癒しの豆スープ -よしもとばなな『さきちゃんたちの夜』 かたくなだとか、こだわりが強いだとか、そういうことを言われ続けてきた。去年の6月だったか、友だちに「そのままの性格なら孤独死す

          2020.4.15

          小さい頃、毎年家族で夏休みに旅行するのが恒例だった。祖父、祖母、伯母、母、私、の5人家族と、母の2番目の姉である伯母、伯父、従姉妹の3人家族の、合計8人で、琵琶湖や福井、淡路島に1泊するのが常だった。 4回目くらいの旅行だったろうか。小学校低学年のとき、旅行先から帰る車の中で、遠ざかる景色を見ながら、私は全身からこみあげる悲しさと切なさにたまらなくなり、大泣きしたのを覚えている。家族はびっくりして、また来れるから、となぐさめた。それでもそのときの私は、これがほんとうに最後にな

          2020.3.30

          小学生のときの記憶を2つほど書いてみる。 2年生だったか3年生だったか、体育の授業で逆上がりを教わっていたときのこと。はじめに先生がデモンストレーションをして、あとは各々で練習して、できた人から先生に報告して確認してもらう。私ははじめ、友達数人でひとつの鉄棒を使って、しゃべりながら練習していた。 しかし、あーだこーだ話しながら代わる代わるに試してみても、あまり上達しない。時間だけが過ぎていく。私は思い切って、遠くの鉄棒でひとりで練習することにした。逆上がりのために設置された

          2020.3.28

          「おれはやっぱり一緒にいて高め合えるような、理屈っぽい話をできる女性が合っているのかもしれないって思うんだ」 日曜日、友達が電話で話しているのを聴きながら、そういや私は自分にどんな人が合ってるかなんて考えたこともわかったこともないなあ、と気づいた。 私はいろんなことを考えているように見せかけてぼんやりしている。特に自分の色恋沙汰については、まったくもってわかっていないようで、そのことに気づいたのすら最近(というか数時間前)のことだった。「自分はこんなタイプだな」とあらかじめ

          2020.3.10

          「こいいじ(志村貴子)」「ナイト・ワーカー(やまじえびね)」「A子さんの恋人(近藤聡乃)」を立て続けに読み返す。いままでぼんやり「おもしろいなあ」くらいの意識で読んでいたけれど、主人公たちに年齢が近づいてきた今、当事者意識を持って読むと迫るものがまるで違った。誰かを心に棲まわせながらも、ふらふらといったりきたり、それがリアルな人生だし、恋愛なんでしょう。これでいいんだ、と背中を押されている気分になる。 夕方、家庭教師の事務所に行ったあと、書店で本を買い、地元の駅でかつての生

          2020.3.3

          DEAN&DELUCAの紙袋を提げて、坂の上の家へ出向かう。今日は1月まで教えていた家庭教師先のお家へ招かれていた。入試関係のものが一掃されて、「〇〇中学絶対合格!」の貼り紙も剥がされたあとの家は様変わりしていたが、もう他人の家のような気がしない不思議な落ち着きがあった。 吟味して選んだアイシングクッキーに喜ぶ女の子。お母さんがたくさんのケーキをお菓子、おいしいお茶を次々と運んで来てくれる。私は世間話をしながら(ほとんどうんうんと頷いて聞いていたけれど)漫画を読んだり、「鬼

          2020.2.28

          NHK BSに「新日本風土記」という番組があって、オープニングのこの曲を聴くと胸がぎゅっと掴まれたようになる。寝台列車の中で聴きたいなと思う。もしくは合掌造の家の中とか。静かで、いちめんに静謐な空気が広がる場所がいい。そういうところに行ってみたい。 昨晩、北海道から来てくれた、かほと恋人に(たったの60分だったけど)会った。かほは見るたんびに明るくなる。こんなに笑う子だったんだなあ、と会うたびに驚く。15歳のときから彼女を知っているけれど、最近になってやっとのびのび生きてい

          2020.2.21

          自分の好きなことに気づくのが遅いんです。本格的にやったことはないけど、子どもの頃はずっーと絵を描いて本を読んでいました。坂口さんも、自分のほんとうにやりたいことは過去の自分の中にしかないと言っていましたよ。 有賀薫さんがこんなツイートをしていて、ハッとした。たしかにそうだと思う、私が今やっていることは小さいときにしていたこととおんなじだ。朝から晩までひとりで絵を描いて、本を読んでいた。ずっと何かを切ったり貼ったり、縫い物をしたり、料理をするおばあちゃんの隣で小麦粉をこねたり

          2020.2.20

          ひとりきりもいいだろう ふたりだけもいいだろう 猫も連れて行こう 好きにやればいい  ここ数年、未来のことを考えないようにしていた。一週間後ならまだしも、一ヶ月先でさえ、自分たちがどうなっているかわからなかったから。2017年末に会社を辞める前から、先のことを考えるのが怖くなっていた。来年の今頃なにしてるかな、なんて会話もしたくなかった。おばあちゃんの病気に加えて、天災が重なったこともあって、先の未来に家族がみんなちゃんと生きてるかが、見えなかったから。 それは去年の

          2020.2.7

          今までの人生が、あらかじめ丁寧に描いておいた地図をなぞっていく作業だったとすれば、去年の秋からは地図のない中を手探りでさまようようなものになったと思う。 自分の中には、ずっと「これをしたら自分でなくなる/こうでなきゃ自分でない」というものが強くあって、それは自分を律するものでもあったし、他人に厳しいところがあればそこから来ていたもののように思う。それが、現在はぜんぶ霧のようになって消えてしまった。どう転んでも、自分の人生だ。 今の仕事をもって描きつづけること、生徒たちを大

          2020.1.20

          12歳の女の子の、不合格の報せに朝から泣いた。 女の子のお母さんは、本人は納得しています、ありがとうございました、と繰り返しつたえてくださったが、それでもくやしかった。不甲斐なくて、情けなくて、私は何をしてるんだろうって本気で思った。なんかおかしいのだ。自分の中の自分がうまく立ちゆかない。なんでこんなになっちゃったんだろう。声をあげて泣いた。 大学生の頃から、この海は特別な場所だ。行きたくなって、ふらりと行ってみた。波の音に心が凪いだ。こんなことしてる場合じゃねえ、と思う

          2020.1.16

          12時ごろ、だらだらと起床。したくして、すぐに家をでる。いつものミスド、きょうはチーズドッグとココナツチョコレートドーナツ、カフェオレ。二次関数、むずかしい、、、。1時間半勉強して、あとの1時間はいつもの感じで雑談をした。毎日会って話しても飽きない、9歳下の、もう生徒じゃなくて友だちだ。夏まではすこし不安になるところもあったけれど、今はほんとによくがんばっていて、えらいなあと思う。 移動して、美容室へ。3ヶ月ぶりに髪の毛をきる!田中みな実は意外と尽くす女なんですよ、みたいな