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「好きなこと」は仕事にしないぞと思っていたおたくがエンタメライターになった理由

エンタメジャンル中心にライターをしています。でも数年前までは、好きなことは仕事にしないぞと思っていました。このnoteではそう思っていた理由と、なんで今エンタメ記事を書いているかについて書きたいと思います。

エンタメは趣味だから、自分から仕事にする気はなかった

会社員として働いていた経験の方がずっと長く、10年以上企画・ライター・編集・Webディレクターの仕事をしていました。その時々で所属していた会社の案件をやっていたので、編集・ライティング系だけでも漫画や出版系の公式コンテンツ、広告キャンペーンサイト、不動産・保険・農業・芸能などいろんなジャンルのコンテンツ制作に関わってきました。

一方で、もう長年何かを激しく好きになるタイプの人間、つまりおたくをやっています。アイドルやバンドのツアーがあれば遠征し、おそらく人生で500回以上はライブに行っているし、推しのステージを見るためにアメリカはシアトルまで行ったこともある程度には。あと、子どもの頃から母の横でドラマを見、高校生くらいからはひたすら邦画を観、コロナ禍になる前は年30〜40回くらいは映画館に行っていました(なにごとも上には上がいるので、もっとすごい人はいっぱいいるけれど)。

でも先ほども言ったように数年前まで、自分からエンタメジャンルの仕事をする気はありませんでした。好きなものを「ただ好き 」でいられなくなるのが怖かったです。
だって好きなものを仕事にして好きだけじゃない要素ができちゃったら嫌だし、仕事で推しに会いたいみたいな願望はないし、私ごときが好きなもののことを文章にするなんて、おこがましいと思っていました。 

気持ちが変わったきっかけ

そんな気持ちが変わったきっかけはいくつかあります。数年前、超ブラックな会社をやっと退職できて、次の会社が同じくらいやばくて、どう考えても続けるのは無理で年に2回会社をやめ、かなり精神的に落ち込んでいた時がありました。外的要因はあったものの、そんな場所を選んでしまった自分にも自信がなく、私に出来ることなど何もないみたいな気持ちになっていました。

そんなときにたまたま電話した妹に、意外なことを言われたのです。「私が仕事Aや仕事Bをしていたとき、ほぼお姉ちゃんが好きなものについて教えてくれた知識で仕事ができていた。その情熱と知識が何かに使えるはず」と。たしかに彼女がアニメ系の映像編集をしていた時は好きなアニメのことを聞かれればいろいろ話し、ヴィジュアル系番組のADをしていた時は聞かれた各バンドについて説明していた。それがそこまで役に立っていたなんて思わなかったのでびっくりしました。

何より、妹と話したら否定されるんじゃないかみたいな気持ちがあったのに、思わぬ形で励まされてとても驚いたし、ものすごくありがたかったです。

そこまで人の役に立っていたなら、すごく好きなものに関わる仕事をしてみるのは、もしかしたら自分のいいところを生かせることなのかも、と思えて、もう生きててもいいことないかもくらいな落ち込みを見せていた私の心は、かなり救われたのでした。

それからちょうど一年後、「ほぼ日の塾」で、好きなものについて書く課題があり、長年避けてきた「好きなものについて書く」に立ち向かう時がきました。

その時書いたのがこれ。結成から好きなモーニング娘。について、10000字以上書いた「だからモーニング娘。が好き」でした。

タリーズ に何日も通ったり、ところどころ泣いたりしながら書きました。いま見返すと誤字や改行ミスがあってちょっと恥ずかしいけど、いろんな人に読まれて、特に同じモーニング娘。のファンの方、吉澤ひとみさんのファンの方からコメントをいただけてうれしかった。

でもまた目先の仕事に追われ、まずは好きなものに関わることを書きたいな〜と思いつつ時間が経っていきました。その頃は働いていた会社のサービス内のコンテンツライティング、特にインタビュー取材をたくさんしていました。

転機が訪れ、エンタメライターに

そしてほぼ日の塾から2年後、cinemas PLUSというメディアのライター募集に通ってふたたび好きなものについて書くことに。冒頭に書いたようにたくさん好きなものに関わる文章を書きました。

まだまだですが、妹に励まされた要素でもあり、ほぼ日の塾の課題を読んだ人にも褒められた「熱量と(自分なりの)深さ」みたいなものが自分だから書けることかなと思い、文章を書くときに入れるようにしていました。

あんなに好きなものについて書くのは怖いと思っていたし、今でも「この作品・俳優さん・グループを好きな方がどう思うかな」「わかったようなことを書くやつ、みたくなりたくないな」という怖い気持ちはあるし、緊張感を持って書いていたいとも思います。でも、書いてみてよかったことのほうがはるかに多かったです。

まず自分が魅力を感じるコンテンツについて、言語化して掘り下げられること。自分の語彙力と文章力のなさに打ちひしがれる日々だし、読者の方々が楽しめるものを書くのが大前提だけど、言葉にせずにこぼれて行ってしまったかもしれない感情や印象を形にして自分でも見返せるというのは、自分にとってもかなりありがたい。

あくまで自分がよく観て考えて掘り下げて感じたことを書いているけれど、それがファンの方に届いて共感してもらえた時、とてもうれしい。「私の言いたかったことを言語化してくれてありがとうございます」というようなお言葉をいただくことも何度もあり、読んでくださったうえに私に言葉まで伝えてくださるなんてなんていい方なんだろう! と感謝しつつ、また頑張ろうと思います。

あと、別ジャンルについて書くときももちろんそうですが、ファンが多いこのジャンルについて書くときは特に、作品や俳優さんやファンの方、いろんな方面に対して真摯な気持ちで書いていること。そういう時間を繰り返す機会があることは、ありがたいなと思っています。

推しを推すとか好きなものを深く好きでいることって、ものすごくうれしい瞬間もあれば、ものすごく苦しい瞬間もあるので、自分の書く文章がその中のいい部分、うれしい部分を共有したり拡大したり拡張できたらすごくうれしいなと、おこがましいと思いつつも思ってしまうのでした。

絶対思い上がらないようにしたいし、自分の書くものに満足することはないし、もっといいものを作れるようになりたい。

その気持ちを忘れずに、今年もいろんな形でエンタメコンテンツに関わっていきたいと思っています。

今の仕事ができてるのはいろんな人のおかげ

そして今こういうお仕事ができているのは、いろんな人のおかげです。本人はそんなこと気づいてないかもしれないけど背中を押してくれた妹、私に好きなものについて書く機会をほぼ日の塾、どんなライターになりたいか言葉にする機会をくれて、ずっとライターとして背中を見せてくれるさとゆみさん、私にエンタメ記事を書く機会をくれた編集長、読んでくださったたくさんの方々、本当にありがとうございます! 2022年もがんばります。

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cinemas PLUS(2021.1〜180記事以上)

講談社 mi-mollet(2022.1〜)

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