80年代レッチリ限定|ギタリスト視点で書くよ
ファンク/ハードロック/パンクが絶妙にまぜまぜされた80年代のレッチリの4枚のアルバム。
Hip HopやFunkとか当時の音楽ジャンルを横串しながら書いていきます。あと私はギター弾き(ファンク、レゲエ好き)なので、ヒレル・スロヴァクとジョン・フルシャンテに愛を込めがちに書きます。
よくあるディスクガイドとはちょっと違う観点で
お楽しみいただければと思います。
ということで、よろしくどうぞ。
まずはLIVE映像からどうぞ!(フリーもアンソニーも若いよ〜)
17分あたりでジョージ・クリントン、
47分あたりからはもちろん恒例の白ソックスも。
どうです? アルバム音源と印象違くないですか??!!
ソリッドなファンクロック&ラップって感じで。
フリーやアンソニーはもちろん、やっぱ最高なのはヒレル・スロヴァクのギターですよ。
ノイジーなソロとかキレッキレのカッティングとか、多分BOSS のCE-1の揺れ揺れコーラスとか、グワングワンのアーム使いとか。
レッチリ加入直後のフルシャンテのプレーにも受け継がれてますよね、
完全に。10代の頃、フルシャンテもライブを見に行ってたらしいし
(加入時も10代ですけど、すげーな)。
ライブでの立ち方とか、かぶってるハットとか、格好も全部同じだし。
フルシャンテもレッチリ加入直後は、3トーンサンバーストで
ラージヘッドのストラトを使ってましたよね。
あと、ターボディストーションとクライベイビーのワウ、
ライブではノイズコーナーもあるし。。。
あぶねー、愛が溢れてこのまま二人のよさを書き続けてしまいそうだから
一回止めるわ。
ブレンドし始めた80年代の音楽業界
1980年代は、音楽やカルチャーが国を超えて人種を超えて、はじめてダイナミックに混ざった世代だと思うんです。みなさんの方が詳しいかと思いますけど、Run-DMCとエアロスミス、ブレイクビーツとラップ、クラフトワークとYMOとアフリカバンバータ、などなど。
いまのデジタル世代の子たちみたいに、無邪気に「え?これとこれ混ぜたらかっこよくないすか? いやフツーに」的発想でどんどんOLD世代を脅かしてたわけです。
Hip Hopでみると1985年にはMantronixやLL Cool Jの“Radio”、Run-DMCの“King of Rock”なんかがリリースされてます。
ちなみに1986年ともなると2 Live Crewのマイアミ勢、Salt-n-Pepaの女性陣、World Class Wreckin' Cruでコンプトン勢とアメリカ中に広がって行っています。
1年でこの進化! もちろんそれはロックも同じな訳です。70年代のKISSやらラモーンズ、パーラメントにファンカデリック、ジミヘンなんかを小さい頃から聴いていた子たちが、メタルとかを聴き始めてポップながら鋼鉄サウンドをもったグランジになったりしたわけですよね。
でレッチリに戻ります。
1985年 Freaky Styley オレたちファンク中毒!
いきなりファーストをすっ飛ばしますが、なぜならヒレル・スロヴァクがいなかったから。でもOut in L.A.は大好き。ポリスヘリコプターも好き。80年代特有のへんなリバーブが全編にかかってるのだけが、ちょっとな、、、・録りなおしたら絶対かっこよくなる。
フリーやヒレル・スロヴァクやジャック・アイアンズは、中学・高校で西海岸のロック以外の音楽にも親しんでたんでしょう。WARやSLY & the FAMILY STONEなどなど西海岸産のFUNKが豊富ですから。
西海岸で人気だったであろうZAPPとか聴いてたらP-FUNKにたどり着きますわな。ウェッサイのHip Hop勢も同じでしょうね。バンドじゃなくてターンテーブルとRAPで表現しただけ。
前情報として、よく知られてることかと思いますがジョージ・クリントンがプロデュースしてるのが大きいです。ブラスも入ってリッチになってますね。80年代後半ファンカデリックのLIVEではアンコールでアンソニーとフリーが参加してCosmic Slopを演ってたりするから本当に敬愛してるんでしょうね。
さて、
1曲目のJungle Manからわかりますね、ファンク大好きなんす!俺たち!って感じが。テンポを落としてベースの音数も減らして、Aメロはギターとベースはユニゾン。
サビはコーラス効かせたギターカッティング。いいですよ、いいですよー進化した感じがします。
2曲目はMetersのAfricaのカバーHollywood。この“ンチョ”って粘りある感で弾く、ヒレルの単音カッティングがいいですね。この感じは私的にはフルシャンテのBlood Sugar Sex MagicのIf You Have to Askに受け継がれてると思ってて(こちら複音カッティングですが)、ちょーっとだけもたる感じでカッティングすることで横乗り感が増してますね。センスですねぇ。
ちなみ、私はレッチリからP-FUNKやファンカデリックとかMetersに入ったクチなので、この曲はMetersってバンドのカバーなんだ!って知って別の記事にも書いた横浜のHMVに買いに行ったんだけど
「え!?Hollywoodなんて曲ないじゃん!」って思って店員さんに聴いたら、それは「Africaですね〜」って言われた記憶が、恥かしっ。そして、その時の兄さんありがとう。
4曲目のIf You Want Me to Stayは言わずもがなですね。珍しく原曲に忠実にカバーしてる。ここでも聴いて欲しいのはヒレル・スロヴァク。
私はイントロのワウギターを聴いてこの人、繊細な人なのかもなと思いました。原曲のスライのピアノイントロをギターに書き換えてますけど、仄暗い密室ファンク感がよく出てますよね、楽器が違うのに。
それからコーラスをかけたギターで、Aメロ最初の方でピアノやハモンドを意識したような浮遊感のあるメロを弾いてたりします。コーラスをかけてるからよりそんなイメージになってる。
こういう繊細なプレイも、のちのちのフルシャンテのメランコリックなギタープレイに影響を与えてると思う。
あれ、この調子で全部書けるかな。。。不安になってきた。
5曲目、このイントロのRAPはHip Hop好きブレイクビーツ好きならピンときますね。そのまんまですから。この曲はライブ最後の定番曲で、
個人的にはひたすらリフレインするリフが、ファンクロックとして最高にかっこいいと思ってます。このまま後半はファンカデリック然としてソロを弾きまくれるから。上記のライブでは残念ながらやってませんが。
7曲目はBlackeyed Blonde。ファーストっぽい高速ファンク。サビを聴いてください。フリーのベースの合間を見事に縫っていくヒレルのカッティング。
私はこれもフルシャンテのBlood Sugar Sex Magicに受け継がれてると思ってて、また“If You Want Me to Stay”を聴いて欲しいのですが、00:49あたり。ベースとギターが縫う感じ。フルシャンテは当時のレッチリの曲を全曲コピーしてるはずだし。
そして最後、Yertle The Turtle。3:00あたりで出てくるヒレル・スロヴァクのアームによるフレーズ。これがバーニー・ウォーレル(P-FUNKのシンセ)っぽいんですよ!絶対そう! こんなアイデアマンのところも大好きです。
あと↓ これも見て。こんな楽しそうなレコーディング見たことないよ。
一緒に歌うアンソニーとジョージ・クリントン。
1987年 The Uplift Mofo Party Plan そして気付いた、俺たちやっぱロックも好きだわ!
定番の“Backwoods”も“Me And My Friends”も入ってますね。2枚目でファンク中毒っぷりを出したけど、世界でライブも重ねたせいか一皮むけた感じ。高速ベース&チョッパーと高速カッティングっていうお約束からだんだんと離れ、曲のバリエーションが増えてくるのがこの3枚目ですね。
特徴は、全編でディストーションを効かせたロック的リフと、これまで得意だったコーラスかけたカッティング、緩急のついた曲構成、ヒレル・スロヴァクのソロもいっそう伸びやか。けっこう名盤だと思います。
ライブ映像を見るとヒレル・スロヴァクはちょいちょいレスポール持ってますね。髪型も若い時のフルシャンテみたい。
そういやフルシャンテもブラックのギブソンカスタムかなんか持ってたな。重々しいリフが多いから、レスポールの音も重要になってきたんでしょう。
どの曲も好きだし、いいなと思うんだけど大きく変わったなーと思うのは6曲目、Behind The Sun。大好きな曲。
いままでコーラスかけた高速カッティング一辺倒だったとこから、なんか「ちょっと大人になったな、おまえ」って感じ。
この曲の大きい特徴は2つ。イントロのグリスダウンしていくフリーのベースと、歌メロをなぞるヒレル・スロヴァクのシタール的ギタープレイ。たぶんStar’s Electric Sitarとかを使ってるんだろうけど。
この曲、L.A.ならではですよね。夕陽、ビーチ、水着、サーフィン。なんかノーテンキな感じ。けだるくて暑ーっなL.A.の空気感がシタールギターの粘つく感じで際立たせてる感じ。(L.A.行ったことないですけど)
いつか書くけど、GRATEFUL DEADが好きになったのもこの辺りの空気感を纏ってるのが大きい気がする。(歌詞とかでなく、音の感じだけの話ね)
(デッドってどこがいいの?長いだけでよくわからん、ってのをよく聞くから、そうじゃないんだ〜!ってのを書きたい。私もかつて、そう思って聴いてなかったから)
個人的に、音楽の良し悪しって、曲を聴いて景色が浮かぶかどうかなんですけど、これまでのレッチリの曲で、これが一番イメージが湧いたんですよね。
レッチリの激しい曲が好きって人には向かないかもだが、これはいい曲だと思います。今一度聴いてみて欲しいです。
どうしよう、この時点で余裕で4000文字超えてる。まあいいか、続けるか。。。
1989年 Mother's Milk 世代交代、真打ち登場!
このビデオ(DVDじゃなくてビディオね!)今でも実家にある。文字通り擦り切れるほど観たよ。チャドがショー前にトイレでう◯ちしてるのがツボ。
1曲目から、Stone Cold Bush。イントロのフリーとチャドのジャムから鳥肌ですよ。フルシャンテったら、ヒレル・スロヴァクの生き写し。
フルシャンテのエフェクターもまだ数えるほどですね。今やmoog、moog、moog、Line6、Line6笑みたいにエフェクターが数十個並んでますけど。
なんだかんだこのアルバムがレッチリのひとつの到達点ですよね。フルシャンテとチャドスミスの加入。Higher GroundやKnock Me downのヒット。
大好きなヒレル・スロヴァクは居なくなってしまったけど、ヒレルが大好きだったフルシャンテによって、さらにフェイズが上がった感じ。
ここでは1曲目のGood Time Boysの曲間でフィッシュボーンの曲が挿入されてるよね、とかHigher Groundのチョッパーが、とかは置いておいて
3曲目、Subway to Venus。カッティングうまいなフルシャンテ。ザクザクとキレのいい技術もそうなんだけど、複音カッティングからのスライド、からのオクターブでカッティング。
こんな組み合わせのリフ、あんま聴いたことない。そしてラストに向けてのソロ。これで本当に10代かよ。
4曲目、Magic Johnson。このフリーの4弦解放のEでズンズンズズンってやつって、多分マジック・ジョンソンのドリブルのイメージだと思うだけど、そういうアイデア最高よね。
で得意のノールックパスからの早い展開みたいにギターのカッティングが入って、一気に試合が動く。そんな曲展開。
8曲目、Stone Cold Bush。ライブでも定番ですね。97年のフジロックでもデイヴ・ナヴァロがかっちりしたタイム感で弾いてました。デイヴ・ナヴァロの音を重ねまくったドリーミーなギターも好きだけど、やっぱフルシャンテのキレがよくて思い切りのいいバージョンが、ファンクロックっつーかんじが曲調にあってる気がする。
デイヴ・ナヴァロはファンクは弾いたことないってインタビューで言ってたし。今までやってきたファンクロックの要素がうまく集約されて、ベースとギターの同メロリフ、カッティング、チョッパー、いいバランス。
9曲目、みんなだいすきFire。2000年のWoodstockではライブ会場外で燃え上がってるのを見ながら演奏してましたね。この曲にのちのフルシャンテのエフェクターチョイスのセンスが出始めてるなと思います。
曲中ずっとフランジャーをかけてるんですよね。これによって曲調を速くしてる感じが出てたり、火が燃え上がってる感じも出てるなと思いません?
13曲目、Johnny, Kick A Hole In The Sky。この曲のイントロのカッティングが耳コピできなくてですねえ、当時。
本屋でtab譜立ち読みして記憶して(今みたいにsongsterrもケータイにカメラもないから)演奏してました。
4弦14フレット、3弦12フレット、2弦15フレット、1弦14フレット。。。押さえられないよ!手が攣っちゃうよ!
他にもいい曲がたくさんあるんだけど、
今日はこのくらいにしといてやる。。。(ちょっと疲れた笑)
とまあ、
どのアルバムが一番いいかというと、、、
ヒレル・スロヴァクとジョン・フルシャンテ、2代かけて築き上げたファンクアルバムたち。一番は、、、決められないですね笑
ファンク全開の2枚目、ハードロック&メロウもで始めた3枚目、頂点の4枚目。改めて聴いたけどどれも良さがある、ホントに。
その時の気分とか流行りで一番いいアルバムって変わるし、キャリアが長いからこその楽しみ方だなーって思います。どれか一枚でも聴いてみるきっかけになると嬉しいです!!
・
・
今度は何書こっかなー、好きなエフェクターの話、GRATERUL DEADにどハマりするまで、ギタリストとしてのプリンスもいいかな。
それか音楽以外も行ってみるかな。ボードゲーム(ドミニオンとかバトルラインとか名作もの)、自分のやった広告でもいいかな。
なんか考えときます!それでは〜
※年代・名称など誤認ありましたらすみません。※あともろもろ私の自己解釈が多いので異論反論はご遠慮ください。
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