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管理者、経営陣、経営者に必要なのは「嫌われる勇気」

3月末、とある会社を受けた。

そこの面接担当の人は、必ず返事をすると言ったものの4月29日の今日まで就職の合否は届いていない。

会社として信用を得られるかどうかという点を考えると、発言したことは守ったほうが良いとおもうのだけれど、これを読む人はどう思うのだろう?

必ず返事しますと言ったものの、不採用か採用かを返事しないような企業を信用できるのだろうか?

人事担当者は大変多忙な仕事で、何通もの書類や応募に目を通さなければならないから、なにかの手違いで漏れることはあるのかもしれない。しかし、それであれば「1週間以内に返事がなければ、不採用と考えておいてください」の一言で解決すると思う。

では、冒頭のケースはたんに担当者がぼくがその人に対してどう評価を下すかが怖くて、返事をしなかったと思っている。

ちなみに面接官はその企業の代表を名乗っている人。

なぜ、恐怖心が芽生えたと考えているのかを説明すると、その人はとあるWebアプリの講座を開いていて、そこにぼくが参加していた関係で、もし不採用を伝えたらもう参加しなくなるのではないかと考えたのではないかと、ぼくは考えている。

まず、経営者として発言したことを実行しなかった点は、正直経営をしていく人材をマネジメントしていく上で致命的だとぼくは考えている。しかも伝え方をちょっと工夫すればどうにでもなるにもかかわらず。

そもそも管理職、経営層、経営者となると「決断する」「実行する」という点が問われる。先の経営者は「面接の合否を伝えると言った発言を反故にする」という決断をしているわけだけれど、それで失ったものは「信用」だけでなくその企業の評価だ。

就職の合否は受けた側にとって人生を決めるのだから重要であるわけだから、合否を伝えるのは重々しく感じたのかもしれない。その合否通知を必ず行うと言われた手前、その合否通知を待つ側としては結論が出ないと次のアクションがとりづらい点もあり、むしろ迷惑だったりもするのだ。

多少の関係性があって、相手の反応が怖くて採用か不採用かを伝えないのは、結局相手を信用していないから伝えるのが怖いわけ。求人に応募している時点で不採用となることも考えて応募しているわけだから、別に不採用ですと伝えるのは悪くないんだけど、この経営者にはわからなかったのだろう。

ぼくからしたらこの程度のことで、発言を反故にするのはナンセンスだ。発言を反故にして放置する傾向は、今回の面接だけでなく多方面に必ず出る。そして経営者としてその性質は、自社を前に進めるよりも足踏み、後退へと導く。会社つぶしたかったらその姿勢を貫けばいいと思う。

これを読む管理者や経営層、経営者の方はおそらくここに書かれていることなんてわかっているとは思う。管理者、経営陣、経営者に求められているのは「決断する」「実行する」ということであることを。

そして、当然「未来はこうありたい」というビジョンがあっての決断であり、実行であるということも。いくらビジョンが立派でも、行動が伴わなければ絵に描いた餅、つまり食うことすらできないということを。

その経営者の方は人を信じるということについて持論があるようで、熱く語っていた。しかし、どうやら「人を信じる」ということへの理解はまだまだ浅い。これが平社員であればまだしも、経営者で大した問題でもないことに蓋をして目を背けなかったことにするのは、経営者をやる権利はあっても資格がない。

他人との関係性をどう演出し、どう進めていくかを考え人材マネジメントを管理者以上は行うわけだけれど、その経験がとんでもなく少ないのかもしれないけれど、経営者を名乗った瞬間からそこも含めて周囲はその人を「経営者」として見ることを認識しないと、人がね離れていくんだよね。しかもちゃんと仕事する人が離れていく。(関係性によっては距離をとって付き合うというケースもある)

じゃあ、人を信じるってどういうことやねん?

ってなると思うんだけど、人を信じるということは、相手に修正して欲しいことを伝えて聞いてもらえると信じることも含まれる。伝え方は相手の状態を見て話をしなくてはいけないし、どう説明してもあなたの話をわかりたくない人もいるから必ずしも伝わるわけではない。それでも0.1%の可能性にかけて説明をすることが相手を信じるということである。

伝え方によっては相手から嫌われるかもしれない。しかし嫌われる可能性を受け入れつつ、相手が自分の話を聞いてくれる可能性を信じることも相手を信じることになる。

そういう意味では「嫌われる勇気」は管理者以上は必要になる。伝えたことによる反応を相手に委ねる勇気、これがここで言う「嫌われる勇気」でもあるんだけど。

実際のところ、信用できないくらい関係性が壊れた相手、どうしようもない人材については、適切、丁寧に伝えた内容を記録し、そのフィードバックを繰り返し「解雇」を通達する準備になることもあるだろうけど。(この部分の詳細は『ネコが解説する超わかりやすい! パワハラ法解説 その3』に書いたので、興味ある方はご購入(¥100)の上読んでみてください)

今回のケースはその経営者にぼくを信じる勇気がなかったこと、信じるに値する人間とは思われていないことが要因だったのだろう。

「嫌われる勇気」を発揮するためにも、まずは自分が何を恐れているのか? どんな結果を望んでいるのか? 書き出すなどして知っておいた方が良い。自分が何を怖がっていなくて、何を怖がっているのかを知ることは平社員やアルバイトであっても、管理職、経営陣、経営者であっても知っておく方が良いと思うよ。だって大昔から言うでしょ「己を知り敵を知れば百戦危うしからず」って、相手ばっかり知ろうとしても、己(自分)をおそろかにしとったら百戦危うくなるということでもあるから。

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