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2020が過ぎ2021を迎えて

COVID-19新型コロナ感染拡大の中、6月に再開した2020年山岳ガイド活動も終わり新年を迎えた。

何を信じて行動して良いのか、迷いながら恐る恐る再開したガイド活動は、まず勝手知ったるリピーターのお客様を限定とした。そして、ガイドルートも安全マージンをかなり取るよう努めた。

自粛生活で、意識しないうちにお客様の体力はかなり低下している方も多かったので、当然の選択だった。

私自身もガイド活動自粛中、ランニング、サイクリング、筋トレ、自宅ウォールクライミングなど充分なトレーニングは行ってきたが、一定期間に山から遠ざかったことで、山を登る様々な能力が低下したのを感じた。疲れも取れ辛く、なかなか山に慣れることができなかった。かかりつけ医からは自律神経失調症と言われ、剱岳を見るのも辛かった時期もあった。夏に大先輩ガイドから「いつも同じ小屋にいて主のようになるのは良いことではない」とアドバイスもいただき、方向性を考えるキッカケもあった。いろんなことを考えた夏だった。

秋になって登山者数も増えて、テント数は前代未聞の増加で、山小屋はツアー登山で密集した。ソーシャルディスタンスという話は、いったいどこへ行ったのか。 

そして冬を迎えて待望の雪に恵まれたと思ったら、更に感染者数は拡大した。春に行われた全国規模の外出自粛の発令はもう無理であろうし、これからどう推移するのかはわからない。

私は山岳ガイドとしてお客様の期待に応えるのが仕事。「山に来て良かった」と笑顔をなっていただけることを第一に考えて行動するのみ。

新しい年を迎えて、明日から仕事始めとなる。還暦も近くなり、残念ながら古傷が悪化して出来ないことも増えて来た。お客様に要望されても出来ないことは出来ないと言わなければいけない。でも今の自分にしか出来ないガイドスタイルもあるので自分の道を歩いて行きたい。参加した皆様が笑顔になれるように。

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2021年1月3日 立山ガイド本郷博毅



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