「逆もまた真なり」が「逆こそが真なり」になっちゃった呼び方に目からウロコポロリ
全く逆じゃないのに「逆に」という人がいます。
逆に、逆のことに最近興味を持ってきました。
◉日本のことわざで「押してもだめなら引いてみな」というのがありますが、韓国では「押して倒れない大木はない」と言うそうで、国民性で考え方が違っていて面白いな〜と思ったのですが、これは、無理だと思った時に引いてみるのと押し続けるのと、行動が逆ということですよね。
◉『黒ひげ危機一発』というゲームは、順番に剣を刺していって海賊の親分の黒ひげが飛び出したら負けというルールですが、1975年の発売時には「縄でしばられ樽に閉じ込められた海賊の親分の黒ひげを、剣で縄を切って救出する」という設定だったので黒ひげを飛び出させた人が勝ちというルールだったそうです。
『withnews』というニュースサイトに以下のような説明がありました。
発売から4年後の79年には「飛び出したら勝ちまたは負け(遊ぶ前にどちらにするか決めてから遊んでください)」と、ルール自体を遊ぶ人に任せる形に変更されました。
そして95年、とうとう「飛び出させたら負け」と正式にルール変更が行われました。
これら二転三転したルールの背景には、76年から88年までフジテレビ系列で放送された人気番組「クイズ・ドレミファドン!」の影響があったそうです。
番組内容は、視聴者や芸能人がイントロを聞いて曲名を当てるクイズが中心でした。
そのゲーム性を高めるため、飛び出した剣を刺した解答者の得点がゼロになったり、飛び出る黒ひげを受け止められないと豪華賞品を逃したりするなど、タカラトミーの設定と逆のルールで使われたそうです。また、黒ひげが飛び出す時に刺した本人がビックリする様子が「負け」を連想させました。
これらの影響から、家庭で遊ぶ際にも「飛び出させたら負け」というルールが定着していったようです。
ドキドキしながら「この黒ひげが飛び出したら嫌だなぁ」と、憎しみと恐怖の気持ちを持ちながら剣を刺すのと、「黒ひげ親分を早く助けてあげなきゃ」と子分として愛の気持ちで剣を刺すのとは大違い。
これは、ルールが途中で逆になった珍しい逆です。
◉ 子どもの頃、おじいちゃんの腕時計を見せてもらった時に「右利きの人は腕時計は左手首につけるんだよ」と教えてもらいました。よく使う利き手につけていると壊れる確率が高いということだったんでしょうね。
でも、Apple Watchの登場で、その常識は変わってしまいました。
Apple Watchは右利きでも右手首につける人が多いそうなんです。
なんでかというと、モバイルSuicaなど交通系ICをApple Watchに入れている場合、駅の自動改札を通過する時にタッチするところが右側にあるので、右手につけている方がスムーズに通過できるというのが理由です。めっちゃ納得しちゃいました。
これは、新しい行動様式でそれまでの常識が逆になったということですね。
◉1975年にアメリカ陸軍が使っていたフットウォーマーを参考に、旭化成工業(現・旭化成)が開発・商品化して鍼灸院などを通して販売したのが「使い捨てカイロ」の始まりだそうで、1978年にロッテが全国販売した「ホカロン」が大ヒットして、1988年にマイコールから「貼るカイロ」が登場。
数年前の冬、CMのロケでかなり寒かったのですが、現場にスタッフが用意してくれていた使い捨てカイロがあったので手に取ると、そのパッケージに「貼らないカイロ」と書いてありました。
なんだか、脳の回路がゾワゾワしました。
そう、「貼るカイロ」が出たことにより、今までの使い捨てカイロは「貼らないカイロ」と呼ばれることになっちゃったんですね。
元々はこっちがノーマルの使い捨てカイロだったのに、「貼るカイロ」って新参者が出てきたせいで「貼らないカイロ」なんて呼ばれるようになっちゃったんだから、「貼らないカイロ」と呼ばれている元祖使い捨てカイロは悔しいだろうなぁ。
調べたら、「貼れないカイロ」なんて名前のものまでありました。
「貼らないカイロ」よりさらに自虐的で可哀想な「貼れないカイロ」。。。
これは、便利さが付加されたモノが人気になったことから、元のモノに変な名前が付いちゃった切ない逆ですね。
目からウロコポロリ
逆になったことで面白くなったものもあるし、逆になったことで便利になったものもあるし、逆になって言葉がねじれたものもある。
「逆もまた真なり」という言葉がありますが、「逆こそが真なり」になっちゃうこともあるんですね。
◉今では当たり前のように「自撮り」という言葉が使われていますが、本来のカメラの撮影方法は、撮影する人がいて撮られる人がいるということですが、今ではそれを「他撮り」なんて呼ぶ人がいるんですって。
自分で自分を撮影するという本来と逆の行為が普通になって「自撮り」に対して「他撮り」という言葉が生まれたというのは面白いなぁ。
それらのことを、「逆ノーマル」って呼ぶのはどうかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?