「材木置き場」と「セメント」がラーメンの呼び名という事実に目からウロコポロリ
『デザインノート』という雑誌の「佐藤可士和の視点とデザイン」という連載で、可士和さんがぼくを対談相手に指名してくれました。
可士和さんとは、1990年代後半に『広告批評』で、青木克憲×佐藤可士和×服部一成×秋山具義 の4人でアートディレクター座談会をして、仲良くなって、1999年にこの4人で自分たちで企画して編集してデザインして広告も取ってきた『A.D.2000』という雑誌を創ってそれを販売する展覧会もやりました。
『デザインノート』の対談では『A.D.2000』のことや、最近のお互いの仕事のスタンスについても話しているので、ぜひ読んでください。
5月26日(火)発売です。
その対談で、ぼくが2007年に始めた「ラーメンとデザイン」というブログについて可士和さんが、「このブログを最初に見た時にはとても驚いた!(笑) 赤バックに黄色のタイトル文字が入り、「ラーメン大好き小池さん」を思わせる秋山くんのキャラクターも描かれていて、これはどういうセルフブランディングなんだと(笑)。でも、これまでの活動から舵を切ったように感じてとても興味深かった」と話していて、久しぶりにブログを書いていたことを思い出しました(笑)。「ラーメンとデザイン」は、赤と黄色という色もそうですが、タイトルにインパクトをつけたくて、「デザイン」というワードと組み合わせて違和感があるワードで思いついたのが大好きな「ラーメン」だったんです。
最後の更新は、2012年11月4日だったんですね。懐かしいけど、今見るといろいろ恥ずかしい。
このブログでラーメン好きと思われて、雑誌『BRUTUS』の「ラーメン、そば、うどん。」という特集でラーメン二郎鼎談をしたりと、周りにラーメン大好き秋山具義さんと認知されるようになったんですね。
ラーメンの特集をテレビでやっているとつい見てしまうのですが、今日も『王様のブランチ』のお取り寄せ特集で福岡の『博多一双』というラーメン店が取り上げられていたのを見て、
あの、豚骨カプチーノの店だ!
美味しかったなぁ〜 と、去年食べたスープの泡が唇に当たる感触を思い出しました。
このスープの表面の泡の立ち方と色味から「カプチーノ」と言われているのですが、この『博多一双』よりもずーっと前からカプチーノ的なスープのラーメンを出していた 元祖豚骨カプチーノは、福岡の『八ちゃんラーメン』です。
深夜に食べる『八ちゃんラーメン』の濃厚豚骨カプチーノスープが背徳感あって、最高なんです。
ラーメンのスープをコーヒー系の飲み物で表現するということに、違和感がある人もいると思いますが、おそらくラヲタ( ラーメンオタク )の人たちが名付けているこの見た目から考えたネーミングって、けっこうセンス良いのが多いんですよ。
今朝もYahoo!ニュースパトロールをしていたら、こんな記事が。
名古屋には「材木置き場」と呼ばれるラーメンがある
この『好陽軒』のメンマラーメンも名古屋に行った時に食べたのですが、見た目のインパクトが本当に凄かった。メンマで麺が全く見えない。美味しかったけど、メンマの食べ過ぎでアゴが疲れました(笑)。
でも、ぼくはこれを「材木置き場」というふうに表現することは思いつかなかったんです。
ラーメンに、建築的なネーミング、他にもあるんです。
それは、なんと、
セメント系ラーメン!
スープの煮干が濃厚すぎてセメント色になっちゃっているから、そう呼ばれているのですが、「セメント」と言われると美味しいスープのイメージはできないと思いますが、「濃厚煮干ラーメン」と言われるより、「セメント系ラーメン」と言われた方が、明らかに気になります。
「カプチーノ」も「材木置き場」も「セメント」も、インパクトがあって、見てみたいと思わせるネーミングだから、ネットニュースやテレビ番組に取り上げられるんですよね。
目からウロコポロリ
恐るべし、ラヲタ のラーメンネーミングセンス!
全国に3万軒以上あるといわれるラーメン店の中で、美味しいのに注目されない店はたくさんあると思います。マスコミに取り上げられる店なんて、1%も無いんじゃないですかね。
自分の店を注目してもらう作戦として、見た目のネーミングからラーメンを考案するという手もあると思います。もちろん美味しくないとダメですけどね。
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