全身

熱視線

わたしが素晴らしい発見をして心豊かにスキップした日、
その日は彼の誕生日だった

初めて一緒に帰ったあの日、ドキドキして未来を想像していた
その夜彼は、わたしではないひとを想っていた

なんの変哲もなく過ぎた一日の最後、眠れなくて星を仰いだ
その日初めて、彼の涙を見た

同じものを見たくて、同じ方向に目を向けた
その先には彼の想う人がいた

どうでもいいと思っている相手と話すわたしを見て、
わたしはそいつが好きなのだろうと、わたしの好きな人はいつも勘違いする


やっとの思いでこぎつけたデート
彼から聞かされたのは、もう終わったはずの忘れられない恋の話だった

あきらめの早いわたしがめずらしく固い決断をした夜、
その翌日に彼は、遠い町に引っ越していった

自分の行き先が見つからず、焦りで眠れない夜が続いた
その時彼は胸に将来を描き、彼女と次のステップを踏んでいた

大したことのないミスで恥をかき、妄想を膨らませて自己嫌悪の日々
彼女の隣で優しく微笑む彼は、もうわたしを捉えることはない

おそらくわたしのような女がタイプではないだろうわたしの好きな人は
わたしとは違うタイプの女を、わたしが彼を見るのと同じ目つきで見ている



いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです