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連載『オスカルな女たち』

《 打ち明け話 》・・・1

夫婦の間での隠し事はしない。


夫婦の間に基本隠し事はない。


では、夫婦の間の隠し事を、許せるか? 許せないか?

一般的に夫婦間での隠し事というと、金銭面『へそくり』『給与申告』『借金』…等、男女関のトラブル『過去の遍歴』『浮気や不倫』『性癖』…その他、趣味『オタク趣向』『風俗』『ギャンブル』…等々、その他『仕事関連』『身体的特性』『マザコン』…などがあげられるだろうか。許せる、許せない、そういった個人的感情を除けば、良くも悪くもお互いがどれだけ相手を信頼し、尊重し合えるかという問題も関わってくるだろう。とはいえ「結婚」という契約がなければ所詮他人の間柄、たとえ相手を思いやっての所業だったとしても、どれも一つ間違えば〈愛情〉が〈愛憎〉、それが蓄積すれば〈憎悪〉にだって変わるのだ。

 夜の不満を言えないことも、隠し事になるだろうか…。
織瀬(おりせ)の隠し事は結婚前を除けば「夜の営みがない」ことに関する不満や不安だった。だがこれは「基本隠し事はない」が、理性の面からどうしても口に出せないこと…だった。
結婚して10年、織瀬は夫との間に夜の生活が一切なかった。それはマンネリや性癖などという相性ではなく、そもそもお互いを知る以前の問題だった。なにが「いやだ」とか、なにが「足りない」などではなく、むしろ問題にもならない。世間一般に言われる「セックスレス」ともまた違った状況なのだ。

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