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メンタルヘルスを考える。友人が始めるプロジェクトについて

世界中で広がるコロナウイルス。予定していた大会がキャンセルになり練習プランを変更する人、変わらずに練習を続ける人、一旦休養する人、代わりの目標を設定する人など様々だと思います。

マラソンに3月までケニアにてトレーニングを行なっていた友人のハリー・サマーズも予定を変更せざるを得なくなった1人です。状況が目まぐるしく変わる現在、どうやら彼は一旦本格的な練習から視点を変えてメンタルヘルスの重要性を訴えかけるためにシドニーのボンダイビーチから約800km離れたバイロンベイまで3週間かけて走るようです。主な理由は2年前に自ら命を絶った友人のため、そして彼自身がアルコール依存症に長く悩まされていたことにあります。

彼自身がアルコール依存を克服するプロセスで自身の悩みを公に打ち明けたことが大きな役に絶ったと言います。
人は追い込まれれば追い込まれるほどゴールの見えない洞窟に閉じ込められたように感じ、希望を失なってしまうのかもしれません。側から見れば大したことないように思うことでも本人に取ってはどうしようもできない大きなことであったりします。周りがそんなことでといった態度をとってしまうと本人は悩みを打ち明けることを恥ずかしいことだと思い、ますます言い出しづらくなります。
ハリー自身も以前にずっと打ち明けることは弱さの証と思っていたようですが、他人に悩みを話したことで肩の荷が降り、気持ちもすごく明るくなったと言います。
「悩みを打ち明けることは弱さじゃない」

このプロジェクトを通してメンタルヘルスの重要性を認識してもらうことが彼の目的の一つでもあります。

私自身も高校、大学と競技を続ける中で多くの故障を経験しました。振り返ると問題は肉体的なものよりも故障中の精神面にあったと思います。
大学のコーチングを行う中でどんな練習が生徒を速くできるのなどに視点を向けていました。もちろん練習の理論は大事だと思います。ただそれよりもどれだけ生徒が意欲的に練習に取り組めるか、日々を過ごせるかの方が重要なのかもしれません。結果を出すことを考えるならば、なおさら良好な精神状態は必須になってくると思います。
長距離走で結果を出そうと思うと長期的な練習は必須です。強制を強いても長くは持ちません。どんなに最高の練習プログラムがあったとしても本人がやらないと言ってしまえばそれは何の役にも立ちません。
メンタルヘルスの問題(環境などを理由に)が競技、走ることを辞める理由になって欲しくないです。
一個人の問題として考えるよりも世間がメンタルヘルスの重要性を認識して誰もが悩みを打ち明けれる社会が必要なのかもしれません。
それはチームの環境も同じで苦しい時に悩みを話せるチームメイト、コーチ、関係者がいることが大切だと思います。

7月4日にハリー・サマーズのプロジェクトがスタートします。彼の行動が世間にどう響くのかは分かりませんが、私自身はいつも刺激をもらっています。どうやらケニアでの経験で彼の視点はまた一段と広がったようです。

以下のサイトにて基金を募っています。


日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。