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「日本列島100万年史」 近畿・中国・四国編

「日本列島100万年史」、遅ればせながら近畿・中国・四国地方の形成史を整理しました。ポイントはフィリピン海プレートの斜め沈み込みです。

近畿・中国・四国地方は、フィリピン海プレートが西北西に向かって斜めに沈み込むことで、太平洋側が西に移動し、日本海側が東に移動して、①右横ずれが起きて中央構造線が形成され、中央構造線につられて雁行状にシワが寄り、②近畿地方に山地&湖盆、中国・四国に瀬戸内海が作られ③太平洋側に岬(潮岬・室戸岬・足摺岬)が形成されました。

①中央構造線
四国から吉野川に沿って、綺麗に断層が形成され、紀伊半島の紀の川に繋がって、東海地方で伊豆バーの衝突によって北上していきます。右横ずれの断層がに川から流れる土砂が堆積し、徳島平野と和歌山平野を形成。

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②近畿の海盆&山地と瀬戸内海
列島に対してフィリピン海プレートが西北西に沈むところがポイント。斜めに沈み込むことで、山谷のシワが雁行状に斜めに列をなして形成されるので、そのシワの高まった部分が近畿地方では山地(鈴鹿山地、比良山池、生駒山地など)に凹んだ部分が東海湖盆、琵琶湖盆、大阪湖盆を形成。

*特に湖盆では、もともと森の深い複数の小さな盆地があったために、森を伐採してなくなったら新しい盆地へと遷都(飛鳥京、難波京、藤原京、平城京、紫香楽宮、長岡京など)できるという環境を、古代ヤマト政権に与えたらしい。

一方で瀬戸内海では、標高が低いため、凹んだ部分に海が流れ込み、雁行状に島と海が連続。大きく3つの瀬戸(淡路島群、小豆島郡、しまなみ海道群)と灘(播磨灘、伊予灘など)によって特徴的な内海を形成。

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③太平洋側の岬
太平洋側の岬は、静岡県の御前岬から西側に、おおよそ150km間隔で形成されています。これはプレートの斜め沈み込みによってシワができ、低い箇所は海盆に、高いところは岬となって海面上に形成されるからです。

以上、本州の南半分と四国は、全体的に日本海側が東寄りに、太平洋側が西寄りに移動しているので、その移動に沿って地形が斜めに形成されているのがよくわかります。日本の地形図を俯瞰的にみてみるとよくわかりますので是非チェックしてみてください。

Googleマップで編集すると、こんな感じです

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*写真:2017年 しまなみ海道

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