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歯医者行くのが怖すぎて書いた文

何も手につかない。めっちゃ怖い。
今日歯医者に行く。夜に。19時から。
こういう時頭から取れない曲がある。
ドラゴンボールZのOPだ。


ハチャメチャが~押し寄せ~て来る~(パラパパ~)

確かに泣いてる場合じゃない。


嗚呼、行ったこと無い歯医者ほど怖い物が
果たしてこの世にいくつあるだろうか。

口という人体の中でもかなり柔めなところに
工事現場を彷彿とさせるドリルが入る。

えっ何それ
どう考えても危くない?
幼児にサブマシンガンを持たせるくらい危なくない?

いや~~
まあ、実際存在する未だ見ぬ歯医者と
行ったこと無いくせに勝手に想像した歯医者のイメージに
どれほどの乖離があるのかはわからないし?

など、どうにか考えてみるが、

そもそも未知の存在への恐怖を募らせる事は
人間の思考として正しいので
石器時代から本能的に残る偶像への恐怖が止まらない。

DNAに焼き付いた本能には
一個人の意志で太刀打ち出来ない。

偶像に抱こうとする憧憬や安堵の情念こそが
おそらく人にとっての「神」という概念なのだ、と
やたら高尚な事を悟るほどに怖い。

あっそうだ考えを変えよう。
怖いと思ったけど実際怖くなかったみたいな事例を挙げよう。
ジャイアンが映画で優しいみたいなやつ。

今回の虚像的恐怖に近いイメージ。
真っ先に思いつく

「やめられない、とまらない物」

そう

かっぱえびせんだ。


「やめられないとまらない。」

かつてこれほどまで冷静に
かっぱえびせんのキャッチフレーズに向き合ったことがあっただろうか。

考えれば考えるほどなんと恐ろしいキャッチフレーズか。


そこには既にヒトの意思は無い。
やめることができなければ、とめることも出来ない。


一度、かっぱえびせんという実際の物の記憶を全て頭から抜いて
このキャッチフレーズだけで「かっぱえびせん」を想像してみる。

「えびせん」と付いているのでおそらく食べ物だろう。
「かっぱ」は日本に古くから伝わる伝説上の生き物、河童だ。

やめられない、とまらない状態でえびせんを食べ続ける河童。
完全にこのイメージに行きつく。

どんなCMを打っているのか一旦想像してみる。


自由意志や生気を失った生き物が、部屋の真ん中に座っている。
日も差さない部屋の中、
一日中口にえびせんを入れられ、ただ咀嚼している。
しばらく風呂にも入っていないのだろう、
髪の毛はベトついており、目だけが爛々と異様な輝きを放っている。 


もうそんなCMしか想像出来ない。
完全に地下室で拘束されているスタイルである。


そこで思い出す。


かっぱえびせんの真実の姿を。


やさしく差し込む地下室への光。
サクッ…
するとどうだろう。
口に広がるやさしい旨味。

たしかにもう一つ食べたくなる、

サクッ…


サクサクとした軽い食感が
これから来る春への期待を膨らませる。


やわらかな春の空気を肺いっぱいに取り込む。
そして大声で叫ぶ


なんだ、かっぱえびせんって怖くないじゃん!

いや歯医者は怖えよ!!!!別もんだよ!!!!


なんだこの時間!?


歯が痛いかな?いや痛くは無・・・あっ。
いや今日あんまり寝てないから。


実質3時間しか寝てないから
疲れて知覚過敏になってんだよ
虫歯じゃないよ。
鏡見ても黒くないしほら多分虫歯じゃないよ。

念のため行くだけだよ、そう別になんも無いから。

いっかい詰め物パカってやって
んでヨシッてやって終わりだから。

結局そういう気持ちで夜まで過ごす。
いと憂鬱です。あなや。

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